第一章【始まりと旅立ちの島】第59話 準決勝!
マリア:「開始の合図と同時に動き出したのは、
炎の騎士団、サルバ・ダリ選手!
疾風の名を横取りするかの様な素早い移動で!
な~んと!
支援系ラオル・シグナリオ選手に襲いかかります!」
サルバ:「ウインドソード!」
マリア:「アグエス陣営の後衛にまで一気に入り込み、
強烈な一撃を放ちました!
それを剣で受け止めた!ラオル選手!
この速さに対応しているのか!」
サルバ:「ラオル君だね、素早い反応、
予測していないと出来ないはずだ。」
ラオル:「予測はしていたけど、
まさか本当に来るとは思っていなかったよ。」
マリア:「サルバ選手が一方的に連打を繰り出し、
ラオル選手はそれを剣で受け止めるのに必死です!
ラオル選手は支援系魔法士です。戦闘の鉄則の通り、
炎の騎士団は、支援系を狙ってきましたね。」
ランバトル:「魔獣との戦いでも、群れを成して襲ってくる
魔獣の中に、司令塔と支援系魔術を使いこなす
上位種が確認されれば、その上位種を出来るだけ
早く無力化しないと、戦闘が長引く事があります。」
ラオル:「「風龍氷撃」」
小型の竜巻を発生させ、その渦の中を氷の刃が回転する。
サルバ:「なかなか思い切った良い攻撃だよ、
でもこの程度なら・・・」
サルバは、氷の刃を剣で受け、竜巻の切れ目を探し出し、ウインドカッターでそれを切り裂いた。両者間合いを取り直し、一歩下がった。
リオ:「ラオル、予定通りだ。少し耐えてくれよ。」
””炎の騎士団は、疾風のアグエスを格下に見ているはずだ、だから手加減してくる。そこが僕たちの付け入る隙になる。はじめにどちらかが、ラオルに襲いかかる。その敵を引き付けて足止めしてほしい。無理な戦闘は回避しつつ、ひきつけるだけでいい。””
リサ:「ラオル!」
ミント:「お前の相手は、俺だ!よそ見している場合じゃないだろ!」
ミントも開始と同時にリサへ攻撃を開始した。同じ炎系での連撃をリサは受け流しつつ、反撃のタイミングを探っていた。
ミント:「さすがダグラスの血を引く者だな、
この連撃を受けきるとはな。
じゃぁ、これはどうだ?」
ミントの攻撃は更に激しく剣の炎が大きく荒れ狂う!
リサ:「リズムが変わったわね。早いわ。」
リサは、ミントの高速攻撃を剣ですべて受け流し、少しづつ押されて後ろへ下がっていた。リサは、剣を両手で持ち直し、ミントの攻撃リズムを把握した。
リサ:「もう一本、小さな剣でいいからあれば・・・。」
リオ:「おかしい・・・。騎士団が、支援系の守りを
手薄にしての攻撃・・・。罠か・・・。」
リオはそう思いつつも、ポルクに攻撃を開始した。はじめは中距離の氷魔法攻撃、間合いを詰めて直接剣での攻撃に移ろうとした瞬間!
ポルク:「「とりかご」」
ポルクは支援系魔術師でもあり、土系魔法でリオを捉えた!
ポルク:「ここから出られるか?リオ。
この鳥籠は、ただの鳥籠ではない内部には棘
そして時間と共に小さくお前を包み込み、
身動きを封じるのだよ。」




