【始まりの地・旅立ちの島】第5章 魔術書と魔法
リオは父ディオからもらった(借りた)魔術書をくまなく読んだ。
リオ=佐々木は42歳 見た目は4歳であっても精神的には42歳である。知力と経験もそれなりにある。
その為、必要な事は書物をあさり、情報をどん欲に吸収した。
リオ:「なるほど、魔法と言う概念は、
前世で言う意思の具現化なんだ。
具現化しやすくするために、
呪文のような言葉で記憶し
反復する事によってその制度を高めるのか。」
「ちょっとやってみよう。」
精神を集中させ、手の平にそれを集める・・・・。
何も起こらない。
リオ:「あれ~?難しいな~。まだこどもだからかな?」
何度かチャレンジしたが何も起こらない。
1階に降りて母に聞いてみた。
リオ:「おかあさん、魔法ってどうやって使うの?」
アミス:「ん~そうね。イメージするのよ。
生活魔法レベルなら、出せるかもしれないわよ。」
リオ:「イメージ?」
アミス:「そうよ、イメージ。火とか水とか風とか、
今まで触ったり、 経験した実際のイメージを
強く念ずるのよ。魔導書に書いてなかった?」
リオは何かを理解した。
リオ:「ありがとうかあさん。」
急いで部屋に戻り、試した。
精神を集中させ、手の平にそれを集める。そしてそこに具現化する物、水だ。
手の平に変化が起き始めた。白くぼんやりと水蒸気の様な物が具現化され、コップ一杯分の水を具現化する事に成功した。
その瞬間、リオは意識を失ってベットに倒れこんだ。
数分して意識が戻り、どういう事なのかを本で確認した。
リオ:「なるほど、魔力の枯渇が原因か・・・。
たったこれだけの具現化で魔力枯渇ってなにそれ・・・。 」
リオは本を読み続けた。
簡単に言うとこういう事だ。
5歳程度の魔力はその資質を見極める事が出来る程度でしかなく、体力、精神力、技能が成熟するにしたがって、魔力量は増加する。
リオは気づいていないが、5歳程度で具現化する事は基本出来ず、素質を見極める程度にしか魔力総量は無い。体力は4歳児、精神力は42歳、技能0。精神力だけでそれを成しえたのだ。
その後何度試しても、具現化できなかった。精神を集中してそれを手の平に・・・。集まらない。と言うか精神の集中が途切れるのである。これが、魔力枯渇の状態で、回復までに約2時間を要した。
リオ:「そういう事か、枯渇して回復を待つまでに約2時間。
その間は魔力を使う事が出来ないんだな。
それって、やばいな・・・。
戦闘中に魔力枯渇が起きると、終わりだ・・・。」
回復までの2時間を、魔導書を読む。回復したら魔術を試す。その繰り返しを行っていた。
日が暮れ始めた。
リオ:「あれ? 水の具現化しても魔力枯渇していない。
なぜだ?
魔力量が増えた?
それとも技能レベルが上がったからか?
まいい。水の具現化は数回できる事がわかった。
技能のレベル、それに体力が必要だ。
明日からは体力作りもプランニングしよう。
夕食を取り、風呂に入り、自室で夜な夜な魔導書をめくりながら眠るについた。