第一章【始まりと旅立ちの島】第49話 リオの新しい剣
7月20日
剣を預け2週間がったった。リオは、剣技を習う事ができず、リオとラオルの練習を眺めるか、古代文字を眺めるか、そんな日々を送り、魔力操作について調べたり、試したりを繰り返している。
ダグラス:「リオ、わしはあと1か月でこの島を出て、
アルフ大陸に行く。お前らが成人するころまでに
戻ってこれるかはわからない。だから少し頼みがある。」
ダグラスは、リオにそんな話をした。
ダグラス:「リサには母親が居る。ある島でリサを待っていると
言ってもいいだろう。お前たちが15歳の成人を迎え、
世界に旅立つ時、ぜひ言ってほしい場所がある。
それはパング島だ。パング島は、
ドラニス大陸の東側にある小さな島だ。
ドラニス大陸から船で1日程度の距離に位置するが、
上陸するにはちょっと困難な事がある。
ドラニス大陸とパング島の間の海流は、非常に早い、
それに上陸するには、1か所しか港が無く、
そこから上陸しないと入れないんだ。
そこ以外からの侵入者は、船ごと沈められると言う、
なかなかの島だんだ。他国との交易は殆どなく、
独自の文化があるんだ。
その島は未知の島とも言われているほどだ。
その島にリサの母親が居る。
会えるかどうかはお前ら次第には成るが、
そこに行ってやってほしいんだ。」
リオ:「はい、わかりました。」
ダグラス:「それとお前の新しい剣、もうすぐ出来上がりそうだな。
リオの進化を楽しみにしているよ。」
それから3日たち、リオの元にライダスから剣が完成したと連絡があった。リオは直ぐに剣を受け取り、ディオと一緒にグルジオ家へ行った。
ベースはタングで構成されているが、ミスリルを挟み込む形で仕上げられている。剣全体の長さは135㎝ 持ちては魔獣の皮を用いた仕上げになっておりオリハルコンを留め具として使用している。、装飾は氷をイメージした彫刻で美しく仕上げられ中心には水の魔石がはめられている、剣のデザインは曲線を使い、シンメトリーで美しく、見た目より軽く扱いやすい。
両手で剣を持ち、リオは魔力を一気に最大量の魔力を流し込んだ。剣に白い靄がかかり、周りの空気を吸い込むように凍り付いていく。約1秒と少しで、絶対零度を発動させる事が可能になった。
ダグラス:「どうだ、リオ」
リオ:「前の剣よりは早くなりました。
十分使える剣だと思います。が、
リサの様に、瞬間でここまでは持っていけないですね。」
ダグラス:「リサ、お前もやって見ろ」
リサは剣を構え、一気に最大魔力量を流し込んだ。その瞬間、青白く輝く。発動速度はやはりリサが早い。
リオ:「まだまだ鍛錬が足りないのか・・・。」
それでも以前より早くなった事に、ある一定の満足は得られていた。
あっという間に8月にはいり、来年2月に開催される 感謝祭での決闘大会に向けて、リオ、リサ、ラオルは日々鍛錬を進めていた。
リオは新しい剣を使いこなすために、東の森へ狩りに行く提案をした。
まだ行っていない 奥の祠への探索へも行きたいからだ。
ダグラスに許可を得て、3人は冒険者ギルドに顔をだした。
リオ:「東の森へ入ります。何かクエストありますか?」
受付嬢:「コモドドラゴンの肉と
ルブオン土蜘蛛の粘液ではどうでしょうか。」
リオ:「わかりました。それと、
奥の祠の情報ありませんか?」
受付嬢:「探索報告書をまとめた地図と洞窟内の魔獣種類ですね。
あの祠は難易度はそうが高くないですが、
迷いますのでお気を付けください。」
リサ:「私洞窟の中は苦手だわ、難易度は高くないって言ってたけど」
ラオル:「基本的に東の森での狩りがメインだから、
祠はついでだよ」
初級の魔法から、中級、上級、最上級と
色々試したい事があるから、
狩りを楽しみながらでいいんじゃないかな?」
リサ:「そうね、森の中とは言え、
龍族にも気を使わないといけないわね。」
リオ:「それと、アルギュロスゴーリア、
あれ倒したいよね。前は見てるだけだったから」
リサ:「そうね!ゴラリア、じゃなくてゴーリアね。」
リオ:「そうだ、リオ、ラオル。ゴーリアとか、
ベアなんだけど、一人で倒せるかやらない?
支援なしでどこまで戦えるか、
そう言うのも解っておいた方が良いと思うのよ。」
ラオル:「え・・・自信無いよ。」
リサ:「危なくなったらみんなでやるから、
やれるところまでって感じで」
リオ:「訓練としては良いかもだね。
感謝祭の時には3人で戦うけど、
大体は1対1になるケースが多いから、
ラオルも1対1を意識した方が良いと思うよ。
それに、そうなった場合、僕たちも支援魔法が
得られない事だってある。これも訓練の一つって事で。」
3人は、明日から東の森の奥へ入る。3日間の食料など準備を整え、明日に向けてゆっくり休んだ。




