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第一章【始まりと旅立ちの島】第47話  プレゼント

佐々木:「ルーン文字・・・聞いたことがある。前世で生きた高校生の時だっただろうか、文明の起源がどうとか、神文字 カタカムナ文字とかそういう奴だ。この世界は、6次元世界だ。元居た世界の並行世界ではなく、物理法則を無視したジオメトリの世界。とは言えもとを正せば、同じ過去にたどり着く。と言う事は、ルーン文字と言うのは元の世界とこの世界を繋ぐ過去の文字と言う事なのだろう。」


リオは冒険者ギルドに行き、図書館長のデオに聞いた。


館長デオ:「リオ、久しぶりだな、大きくなったな。」

  リオ:「おかげさまで」

館長デオ:「今日は何の本を探しに来たんだ?」

  リオ:「すこしお話を聞いていただきたくて参りました」

館長デオ:「お話しとな。わしに解る事なら何でも聞いてくれ」

  リオ:「ルーン文字についてです。

      それが書かれた書物でも何でもいいんですが。」

館長デオ:「あれは古代文字じゃな。ここには何もない。

      この図書館は皇歴が始まってからの物ばかりだ。

      それより古いものは、教会の地下にあるはずじゃ。」

  リオ:「教会の地下の書庫はすべて読みました。

      でもルーン文字については何もありませんでした。」

館長デオ:「それはそうじゃよ。地下のその下の書庫しゃよ。

      私の許可と鍵が必要なんじゃ」

  リオ:「禁書なんですか?」

館長デオ:「禁書ではない。誰も読めないだけじゃ。

      だから地下にしまっておる。」

  リオ:「鍵をお貸しいただくことは可能でしょうか」

館長デオ:「かまわんよ、ほら、勉強熱心なお前さんへのプレゼントしゃ。」


リオは館長から鍵をもらい、教会の地下の図書室へ入った。ルーンに関する書籍は少なく、当時は紙が無かった為、石に描かれていた物を、書き写したとされる書物しかなかった。しかし、その書物もルーンで書かれている様で、何が書かれているかさっぱり解らなかった。


リオ:「これは無理だ。さっぱり解らない。」


ぼそっとつぶやき、ページをめくって眺めていた。


リオ:「ライダス爺さんが言っていたルーン文字って 古代文字の総称だな。」


線で表しただけの記号の様な文字と、模様の様な表現で描かれている物、文字の様に見えるが記号にも見える物など、数種類がある。その中で、洞窟で見つけた剣に記されている文字は、記号の様な形の種類になる。その記号を体系化してまとめた書籍があったが、意味が解らない。


リオ:「・・・・。これは解らないな。」


数日掛けて足を運んだが、理解に程遠い事だけが理解できた。


3週間が経ち、ラオルの剣が完成した。その剣は、持ち手の部分は複数の木材を組み合わせ、タングを使い、網目状に作られている。風結石の結晶は、タングで挟み込む形で作られていた。つばの部分には、木材に適した魔石が埋められ、中心には、風の魔石がしつらえてあった。


ダイラス:「どうじゃ、ラオル、この剣は特注品じゃ。」

 ラオル:「とてもきれいです。持っていいですか。」

ダイラス:「いいとも、お前さんの剣しゃ」


ラオルは剣を持ち、ゆっくりと頭上に掲げ、まじまじと見つめていた。杖の要素を確認する為、それぞれに魔力を流し込む。そして、風結石・・・・。

スムーズに魔力が流れ、剣に風を纏う。


ダイラス:「どうじゃ」

 ラオル:「いいです。これ、良いですね。ありがとうございます。」

ダイラス:「そうか、よかった。材料はすべて持ち込みだから制作料だけじゃな。」

      モーデの婆さんの分とわしの分で、1000万リルじゃ。」

 ラオル:「1000万ですか・・・。」

  リオ:「問題ないよ。1000万じゃ安いくらいだよ。」


そう言って1000万リルを渡し、店を後にした。

ラオルははやる気持ちを抑えて、リサの家へ向かった。

リサの家に着くと、ディオ、パウラそしてフィンクスの3人が来ていた。


 ダグラス:「おお来たか、どうだラオル、その剣は」

  ラウル:「なんか、凄そうです・・・。」

フィンクス:「一度その剣に魔力を流して見せてくれないか」


ラオルは、支援系の魔力をはじめに流し、攻撃系の風の魔力を流し込んだ。剣に風が纏い、庭の木々が風になびいた。そして風が収まり、剣に纏った風がぼんやりと光を放ち始めた。


フィンクス:「良い剣だ。ラオルにピッタリだな。」

  ラオル:「はい、ありがとうございます。」

 ダグラス:「今日はみんな集まってる。なぜだかわかるか?」

   リオ:「いえ、何故ですか?」

 ダグラス:「目的は2つある。一つは・・・」


ダグラスは、一つ目の目的である、装備をマジックバックから取り出した。ジオンのたてがみと皮、ゴーリアの皮で作った、マントとブーツ、手袋、それに、ペルビアンの外骨格とタングを合わせた胸当て。銀色に輝くマントとブーツ、手袋。赤黒く光る胸当て。美しい金で刺繡が施されていた。


ダグラス:「これは、俺たちから疾風のアグエス3人へのプレゼントだ。

      防御力的には最上級と言っても過言ではない。

      みんなこれを着てくれ。」

 ディオ:「リオ、さぁ、早く着ろ。」


リオ、リサ、ラオルの3人は、出来立ての新しい装備を身にまとった。


 パウラ:「似合うよ、ラオル・・・(涙)」


3人は深々と頭を下げ、お礼をした。


ダグラス:「もう一つは・・・・」


二つ目の目的である内容を伝えた。


リオ:「3人で?感謝祭でですか・・・・。」


ダグラス:「そうだ、B級以上の冒険者と直属魔法騎士団が参加できる。予選を勝ち残った8組がトーナメント方式で戦うのだ。感謝祭1日目で4試合、2日目2試合、最終日が決勝だ。

予選は感謝祭の2週間前から始まる。エントリーは今年の年末までだ。その装備を身に着けて、出ろ。」


  リサ:「力試しね、楽しくなりそうだわ!」

 ディオ:「直属魔法騎士団の胸を借りて、自分たちの力がどの位なのかを知る事が出きる。」

 パウラ:「似合ってるよ・・・父さんは嬉しいよ・・・(泣)」


こうして疾風のアグエスが、感謝祭のイベントとして開催される大会、「ラグナロク」に参加する事となった。

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