第一章【始まりと旅立ちの島】第38話 母親と父親
皇歴1829年 3月16日
ダグラス:「リサ、私はあと5ヶ月でここを発つことになる。
それまでにお前らへ、出来るだけの剣技を伝えたい。
毎朝6時から10時、ここへ来て特訓だ。」
それと、ラオルにも伝えてくれるか。
友人を呼んでいる。あと数日でこの島へ到着するだろう。
ラオルの風魔法剣士として、しごいてもらう事にした。」
数日後、ダグラスの友人 フィンクス・マオリウルが到着した。
フィンクスはラオルの魔力量に少し驚いたが、鍛えがいがあると大喜びだ。
3人は連日朝の訓練を行い、森で狩り、そして夕刻に訓練を行っていた。
☆その日の夜 グルジオ家
ダグラス:「リサ、その剣はどうだ、手になじんだか?」
リサ:「すごくいいわ、この剣、
両手で使う事も出来るし、片手でも扱える」
ダグラス:「そうか、その剣はな、お前の母が使っていた剣と
同じ製法で作られている」
リサ:「え?お母さま・・・。生きているの?」
ダグラス:「あぁ、今も生きている」
リサ:「どこに?どこに行けば会えるの?」
ダグラス:「今はまだ会えない。
お前が15歳になったらもしかしたら会えるかもしれない」
リサ:「・・・お母さまに会えるのね。」
ダグラス:「リサ、お前の母親は、リンと言う名だ。
ものすごく強いぞ!今のお前とよく似ている。
その剣を片手で、短剣をもう片手で振り回して踊るように
戦っていた。二刀流の剣士だ」
リサ:「そうなのね、早く会いたいわ」
ダイアス家
リオ:「かあさん、ポーションって 魔力回復系のは無いの?」
リオはふと思った。前世で子供の頃やっていたゲームや異世界の物語には、体力回復と魔力回復のポーションや魔法があった。
アミス:「無いわよ。体力回復や毒、麻痺はあるけどね。」
リオ:「そうなんだ・・・。」
シグナリオ家
ラオル:「父さん、おめでとう。冒険者ギルドの教官就任。」
パウラ:「あぁ、もう冒険者ギルドとは関係が無いと思っていたが、
こんなこともあるんだな。
それこもれも、お前達のおかげだ。
支援職が居いれば、強い魔獣と出くわした時に、
生き残る可能性が高くなる。そうなる為の教官と言う事だ。」




