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第一章【始まりと旅立ちの島】第37話 この世界になじんでしまった佐々木課長

皇歴1829年 3月15日 東の森から帰った夜


”あれから何年だ?8年・・・か。と言う事は本当なら52歳って事か・・・。この世界と前世の世界とでは、まったく世界が異なる。この世界で私は12歳、だから思うのかもしれないが、この世界の方が何故か楽しい。元の世界では、学校と塾との往復で、何も覚えていない。ただただ参考書を覚え、大学へ進学し、就職。それなりに楽しんでいたはずだが、最後はあれだ・・・。楽しかったと思い出される事がほとんど無い。比較してはいけない事かもしれないけど、この世界の子供たちは楽しく過ごしている様に見える。とは言え、魔獣が現れたり、だまされたりして命を落とす危険性は前世の世界よりはるかに高い。でもだ。それが生きる源になっているのかもしれない。時代背景的に言うと、江戸時代的なのかな?武士という切り捨てごめんの世界感・・・。それに近いかもしれないな。電気も無い、化学も進歩していない。あるのは魔法だ。魔法で多くの事が解決される。なので化学分野が発展しないし、電気が発明されていない。

ん~。人間らしい生き方と言うのは、この世界の方がそれに該当するな。魔獣を倒し、金銭を得て、生活する。ごく単純だ。前世ではひたすら勉強し、ひたすら働き、少しばかりの金銭を得る。朝から晩まで働いて、やっと人並だ。笑顔も少なくなり、人を疑い、信じれば裏切られる・・・。なんて世界だ。こっちの世界の方がよっぽど人間らしい生活ができるじゃないか。


そうだ、魔力量、俺は42歳のアドバンテージがあるから、リサやラオルより多い。が、歳を追う毎にそのアドバンテージも減少していく。と言う事は、その内追いつかれることになるのか。有利なのは若い今だけって事だな・・・。


とは言え、前世の記憶はこの世界で役に立つ。この世界の人は見知らぬ化学の世界を俺は知っている。それをイメージすれば、魔法と言う形で具現化できる。これはとても有利な事だ。


それに、この世界の魔法って、イメージと具現化。基本的に詠唱は必要ない。それでもその現象をイメージしやすい合言葉的な言葉を使う事によって発動速度が向上する。と言う事は、やはり詠唱は必要って事だ。

今はまだ12歳だ。これからの努力次第でリサもラオルも俺も、もっと強くなれるはずだ。

15歳になったら・・・世界を旅しよう。楽しいだろうな~。


そんな事を考えながらリオは眠りについた。

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