第一章【始まりと旅立ちの島】第35話 試行錯誤
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アグエス一行は、洞窟の奥へ進み、更に2体のスネイクタングロックを倒し、通路右側の突き当りまで到達した。ここでいったん休憩を取り、来た道を戻るのだが、リオは考えていた。
リオ:”リサの魔力消費が非常に少ない。総魔力量的には僕の方が多いが
使用効率が異なる。やはり系統による資質が根本に
あるかもしれない。僕は水系、だったら水でどこまで強い
魔法を繰り出せるかだが、やはり氷の次が必要だ。
風の力を使って圧縮し再氷結させることはできるが、
それ以上の硬度と、温度差か・・・。だったらやるしかない。”
リオは剣を霞の構えで集中させた。
剣に氷が付着し始め、さらなる低温へ、-78.5℃ ドライアイス(二酸化炭素の結晶)が見え始めた。更に温度が下がっていく。洞窟の空気がリオの剣に吸い込まれてい行く。
リオ:”現実可能な最低温度は-273.15℃ イメージして集中・・・。
佐々木:”そう言えば、多しかドイツで最低温度を記録した
研究結果があったはずだ。38pk (ピコケルビン)
ブレーメン大学だったか・・・。
絶対零度に達すると原子も停止させるとこができる・・・”
リオ:「絶対零度!」
リオの剣は氷と言うより何か靄がかかったようなぼんやりとした光に包まれていた。ゆっくりと剣を洞窟の壁に差し込む。何の抵抗もなく岩にめり込んでいくリオの剣。
リオ:「出来たかも、でもここまで来るのに時間がかかりすぎる。
現象と演唱を重ねて瞬時に発動させる必要があるな。
そういう意味では演唱は必須だね。」
そう言って、剣を収めた。
リサとラオルはあっけにとられていた。
ラオル:「リオ、それ水系の上位魔法?
リサのが炎系なら風系でも可能かな」
リオ:「出来ると思うよ。
ウインドカッターは風だけだよね。それの上位魔法
風と風を逆方向に回転圧縮させて、真空を作り出すんだ。
その威力が最大値になれば、どんな硬い素材でも切れるはず。」
ラオル:「真空?」
リオ:「そう、真空
リサ、この後の戦闘は僕に任せてくれない?
この技を完成させたいんだ。」
リサ:「いいわよ、任せたわ」
アグエス達は、洞窟の分かれ目まで戻って左側へと進んだ。2体のスネイクタングロックと戦闘に入った。ラオルのウインドステップ、状態強化、反応速度強化、ランダムな攻撃を受け流しながら集中し、剣が空気を吸い込みだした。
リオ:「絶対零度」
小さくささやくように演唱し、2体を両断、その瞬間にスネイクタングロックは凍り付いた。
リオ:「もう少しだね。」
リサ:「やったわね。このパーテォーは本当に無敵になりそうね。
リオはまだ、使いこなせてはいない、なので魔力の消費が著しい。
リオ:「少し回復まで時間がほしい。いいかな。」




