第一章【始まりと旅立ちの島】第32話 パウラ・シグナリオ
パウラはラオルと一緒にリオの家に向かっていた。道中言葉数もすくなく、
初級北の森に入っていった。
パウラ:「あの魔獣を倒してみろ」
ラオルは前方に見えるビートルへウインドカッターを打ち込んだ。
パウラ:「なるほど、ではほかの攻撃魔法は使えるのか?」
ラオルは手の平に氷の粒を錬成し、風魔法でそれらを回転させた。
ウインドカッターの氷バージョンだ。回転はどんどん速くなり、
円盤状になっていた。 ラオルの手から離れ、ゆっくりと前方へ、
そしてラウルの手の動きに合わせて、左右に上下にと自由自在に
コントロールしている。
パウラ「それはなんていう技だ」
ラオル:アイスグラインダーって言うんだ」
パウラ:「そうか」
そのままリオの家に向かった。
リオの家では、リサとダグラスが談笑していた。
パウラ:「おはようございます。ラオルの父、パウラ・シグナリオです。」
パウラは家に入り、すこし緊張した。そこにグルジオ家の当主、
ダグラスがいたからだ。
リサ:「あ、ラオル、おはよう」
ラオル:「おはよう、リサ、リオ」
リオ:「どうしたんだ?今日は」
パウラ:「リオ君だね、おはよう。リオ君にお礼が言いたくて」
リオ:「お礼?」
アシス:「まぁまぁ、立ったままではなんですから、
こちらへどうぞ」
パウラ:「いや、ただ礼が言いたかっただけで
リオ、ありがとう。ラオルを助けてくれて、
それに友達になってくれて」
パウラはこれまでの事、ラオルがいじめにあっていた事、友達としてパーティーを組んでくれた事、決闘でラオルに花を持たせてくれた事、多くの感情があふれ出し、礼を伝えた。
リサ:「あたりまえじゃない、友達なんだから」
パウラ:「リサさん ありがとう。」
リサ:「私たち3人は、アグエスなのよ、
最強のパーティーなのよ」
ダグラス:「ではそろそろ お暇させてもらうよ。」
ディオ:「そうか、また来てくれ、どのくらいの滞在になるんだ?」
ダグラス:「半年くらいはこの島に居れると思う。
また 昔の様に あの祠へでも行くか?」
ディオ:「おお、いいね、なアミス」
アミス:「いいわね、行きましょうよ。」
ダグラス:「ではリオ、これからもリサをよろしくな」
ダグラスはリオと握手をした。
ダグラスは、ラウルにも、握手を、そして肩に触れた。
ダグラス:「これはどういうことだ・・・。」
ディオ:「どのくらいだ?ダグラス」
ダグラス:「ドラニス大陸で旅をしていたあの頃の
お前に匹敵するレベルだ。
ラオルはリサと同じくらいだ。」
ディオ:「・・・。すごいとは思っていたが、
まさかそこまでとは・・・。」




