表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/108

第一章【始まりと旅立ちの島】第28話 ラオルの父 パウラ・シグナリオ

ラオルは感謝祭での決闘について父、パウラと話をしていた。


パウラ:「よく勝てたな。お前の仲間は強いのか」

ラオル:「はい、リオ、リサはとても強いです。

     僕は支援系なので大したことはないですが。」

パウラ:「そうか、支援系か・・・・。支援系は使い捨てだ。

     それをよく理解しておけ」


パウラはそう言い、黙り込んだ。


パウラはラオルと同じ風系支援魔術師として活動していた。当時10年前でのパーティー構成は、攻撃系2名と支援系1名で構成されるのが当たり前だった。

その頃でも、冒険者は攻撃系が多く、支援系魔術師は少なかった。多くの場合、攻撃系であっても支援系をメインを担当すると言う形で、構成されていた。しかし、防具に魔石を取り付ける技術が発展し、支援系魔術師の必要性が減ってきたのだ。多くのパーティーは、魔防具を使い、支援は防具が担うようになっていった。その事から、支援専門でやっていた冒険者は職を変えるか、失うかそういう選択を余儀なくされた。


パウラは風系支援系魔術師 それも支援専門であった。当時、パーティーを組んで東の森(上級)に入り、魔物討伐を行っていた。リーダーのグリデ・ミドレインは、高火力を売りにしていたAランク冒険者で、魔力すべて攻撃に使用し、支援はパウラが担当していた。その戦い方は苛烈で引くことをしない。支援を多用しガンガン討伐するスタイルで、当時リンデ島のなかで最大火力を誇るパーティーだと言われていた。

しかしある時、パウラは魔力切れを起こし、支援がままならない状況に陥った。その事で、討伐は難攻し撤退も出来ず、リーダーは厳しい表情でこう言い放った

 「パウラ、支援者だろう、何とかしろ 無能が!」

グリデともう一人も一気に後退し、パウラは魔物の前に置き去りになった。

魔物はパウラに襲い掛かり、左腕をかみちぎった。パウラは自分の腕をおとりに退路を作り、命からがら撤退したのだった。


グリデ:「お前は無能だ。だからこうなった。わかるだろ。」


グリデはそう言い残し、パウラをパーティーから追放した。

支援職は必要ない時代に変わり、パウラは冒険者としての職を失ったのだった。


パウラ:「ラオル、支援職は使い捨てだ・・・・。

     もし冒険者を続けるのなら、攻撃系になれ・・・・。


冒険者職員:「パウラ・シグナリオさん 御在宅でしょうか?」

パウラ:「なんだ、俺はもうお前らとは関係がない、帰ってくれ」

冒険者職員:「パウラさん、これを」


それはランバトルギルド本部長からの手紙だった。


冒険者職員:「お渡ししました。必ず読んでおいてください。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ