第一章【始まりと旅立ちの島】第23話 リオの剣
1か月後の感謝祭に開催される決闘の準備の為、リオは装備を確認していた。
リオ:「防具もある程度必要だよな~。」
「武器はこれで・・・あ、ダメだ、そっかあの時の・・・」
リオはワイドベアとの戦いで、炎をまとわせた剣に風を送り、青白く光る炎になるまで温度を上昇させた。その時のダメージが剣を溶かし、使い物にならない状態になっていた。
リオ:「どうしようか、
打ち直してもらうしかないか・・・。
とおさんに相談してみようか・・・。」
ディオ:「ほほ~これはまた、やらかしたな、
リオ。この剣は、鋼で出来ているから
2000℃を超えるとこうなるんだよ。
リオ、そこまで高温を作れるのか?」
リオ:「あの時は必死だったから、
ありったけの魔力で練り上げたんだ。
父さんごめん。打ち直しお願いして良い?」
ディオ:「だめだ、この剣はもう使い物にならないな。
新しい剣を作るしかない。
リオ、ちょっとこっちにおいで。」
そういって、ディオは屋根裏に上がった。誇りまみれの大きな木箱を引きずり出し、箱を開けた。そこには、ディオが使っていた少し大きめの剣が入っている。
ディオ:「この剣、使えるか?」
リオ:「ちょっと大きいし、重い。」
ディオ:「そっか、まだ12歳だからな、
だったら作るしかないな。
この剣の刀身をよく見てみるんだ。」
ディオが剣を抜き、リオに見せた。刀身は、青みがかった鉱石で出来ている。剣の軸は、タングと言う鉱石で出来ている・・・。その中心には成形されたダイヤモンドだ。
リオ:「何にこの武器・・・。父さんがつかってたやつ?」
ディオ:「私が世界を旅していた頃、
ドラニス大陸の鍛冶屋で作ってもらったんだ。」
ダイヤは固く軽いが修理できない。
だからタングで覆って剣の心部にしたんだ。
こうする事で、強さと修繕が出来る剣になる。
このまま剣として使うのも十分ありだが、
少し重い。なので、刃の部分にオリハルコンを
使っている。だから刃が青いんだ。
そして軽量化になる。これと同じ剣は
この島では作れない。だが、オリハルコンの
刃ならる鍛冶屋のライダスの爺なら打てるはずだ。」
ディオとリオは鍛冶屋のライダスに会いに行った。いつも不機嫌そうで不愛想だが、要件を伝えた。
ライダス:「打てるが、材料が無い。
オリハルコンはこの島で採取できない。
タングがあるがな。」
ディオは得意げに袋を差し出した。
ライダス:「これは・・・オリハルコン・・・。
どうしたこんなに・・・。」
ディオ:「昔集めた物だ。これで頼む。」
ライダス:「了解したよ、高くつくよディオ」
ディオ:「出世払いで頼むわ」
ライダス:「お前はまだ出世するつもりなのか?」
ディオ:「俺じゃねー。息子のリオだ。
Aランク冒険者になったばかりだが
芯は中空、タングで作ってくれ、
刃はオリハルコン、持ちての底に魔石を
入れる仕様にしてくれ、それと剣の表裏に
一つずつ、同じく魔石が入る使用で頼む。」
ライダス:「わかった、2週間後くらいには完成する、
楽しみにまっていろ」
ディオは家に帰り、リオと判定試験について聞いていた。
ディオ:「あのさ、ワイドベア、どうやって倒したんだ?」
リオ:「とどめはリサだよ。リサの剣で心臓を貫いた」
ディオ:「リサの剣って前に家に来た時のあれか?」
リオ:「そうだよ、あの剣」
ディオ:「あれじゃ届かないだろ、80㎝程度しか刀身が無かった。」
リオ:「うん、だから刀身を伸ばしたんだ、魔力で。」
ディオ:「あの子、そんな技使えるのか?」
リオ:「20㎝位だけどね、何とか」
ディオ:「さすがグルジオ家の血筋だな、
父ダグラスの得意とする攻撃だよ。」
ダグラスは1m以上伸ばすことができるが、
12歳で20㎝はすごいな」
リオ:「1mってそれ、反則レベルじゃない?」
ディオ:「そうさ、あいつは規格外の冒険者だよ。」
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