第一章【始まりと旅立ちの島】第18話 判定試験中盤 ファイヤーベア
リオ:「焚火をもう少し大きくしよう。
ファイヤーベアは火に近づく性質がある。
一度戦闘に入ったらある程度時間がかかるから覚悟してほしい。
支援魔法はつどつどタイミングを見計らってかけてほしい。
魔力量が半分を切ったと感じたら、
防御に徹して魔力回復を優先してね。」
焚火を囲み、一時間ほどたった頃だった
リオ:「静かに・・・。来たよ・・・やばいな・・・。
3体同時だ 300m6時の方向
作戦だ、2体は僕がターゲットを取る。
防御優勢で持ちこたえるから、
1体をリサ、頼む。ラウルはリサの支援に回って、
俺の事は考えないで良いから、
それと、遠距離攻撃でリサのサポートも頼む。 」
リサ:「わかったわ」
ラオル:「了解!」
戦闘が始まって1時間が過ぎた、リオは2頭のファイアベアのターゲットを取り、防御に専念し、魔力を保持している。その間にリサとラウルが1頭を倒すべく戦っていた。
リサ:「はーっはーっ」息が荒い、
「なんて頑丈なの、火を噴くし、普通の攻撃じゃダメージが通らない。」
「またあれ使わなきゃ倒せない。」
ハイヤーベアは、尚も向かってくる。右腕を切断され、各所傷から血を流しているにも関わらず、攻撃力は維持したまま襲い掛かってくる。
リサは返り血を浴び真っ赤になっているが、大きなけがはない。ラウルの支援魔法のおかげだ、戦いのさなか、ダメージを半減し、傷を負っても持続回復によって修繕されるのだ。
リサ:「ラオル、どのくらい?」
ラオル:「いまで半分くらい」
リサ:「一気に畳み込むから援護して」
ラオル:「わかった」
ラオルは援護射撃でウインドカッターをファイヤーベアに叩き込む。その間に、リサはファイヤーソード・ウインドブローを起動させ、懐に潜り込む。体制を低く保ち両足を大きく開き、右下から左上部へ剣で切りつけた。腹部を切り裂かれ、のけぞったファヤーベアにウインドカッターを叩き込む
その瞬間にリサはバックステップで距離を取る。
リサ:「どうよ、これで終わりでしょう」
ベアは腹部に大きな傷を負っているが、まだ向かってくる。
リサ:「なによ、マジで・・・。」
「ラオル、私半分切っちゃった。」
ラオル:「わかった、腹部中心にウインドカッターを連打するから、
ターゲットだけ取って防御に徹して!」
リサ:「OK、頼むわよ」
約2時間の攻防でようやく1体のファイヤーベアを倒した。
リサ:「やったわ、ラオル!リオは?」
「リオー!こっちは終わったよー!」
リオ:「さすがだな、リサ、ラオル、こちらの1体のターゲット取ってくれ、
そのまま防御に専念して回復を待って」
リサ:「了解」
ファイヤーベアと1対1になったリオは、特大のアイスピックを錬成し、圧縮、再氷結を繰り返し、硬度が極限まで達した。
リオ:「ラオル、ウインドステップをくれ!」
ラオル:「わかった」
リオは瞬時にベアの懐へ、アイスピックを叩き込み、圧縮を解いた。ベアは内部から爆発し、1体は片付いた。 最後の1体、リオも魔力が半分以下にまで削られている。
リオ:「ターゲットは俺がとる。ラオル、索敵して」
ラオル:「周辺には何もいない」
リオ:「もう一発特大のやつほうりこむから、リサ、斬撃で援護して」
リサ:「まかせて!」
リオはもう一度、アイスピックを錬成し、圧縮し、回転させ、ラウルのウインドステップでベアの懐へ、アイスピックを腹部に叩き込み、圧縮を解除。
ファイアーベアは爆発。戦闘は終了した。
約2時間、ようやく3体を討伐、リオの魔力残量は40%程度 リサは枯渇寸前 ラウルは30%くらいだ。
リサ:「ベアはヤバいね。4体いたらどうなっていた?」
リオ:「4体なら逃げるしかない。このチームじゃ勝てたとしても、
その後の戦闘に耐えられないと思う。
ラオル:「認定試験の課題、ワイドベア1体がまだ残っているよね。大丈夫かな」
リオ:「今すぐ相手にしたら無理だけど、明日なら何とかなるんじゃない?」
「この後は完全回復までゆっくりしよう。」
リオ:「そうね、それがいいわ」
ファイアーベアの魔石や皮、肉など回収し、素早くその場から離れ、湖のほとりまでキャンプを張った。ベアの血を洗い流すためだ。血の匂いは魔物を引き寄せる。その夜、交代で夜番を行い、翌朝少し日が高くなるまで休憩した。
試験監察官:12歳の戦い方とは思えない。作戦はA級やS級レベル。戦闘指示も正確で、魔力量も把握できている。リオもリサも必殺技的な攻撃魔法を習得しているのも素晴らしい。B級試験だが、ファイヤーベア3体を同時に相手したんだ、内容はA級に匹敵する。
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