第一章【始まりと旅立ちの島】第15話 秋休みと冒険とパーティー名
9月に入り、秋休みになった。リオ、リサ、ラオルはほぼ毎日初級の森で狩りをしていた。
魔力枯渇を順番に行い、朝から夕刻までそれを行う、街に戻って獲物と魔石を売却する。
魔物狩りの中で、ラオルはウインドカッターを習得、支援魔法ウインドステップを習得した。それに体制強化など、自分以外の仲間に支援できるようになった。
リオ:「これでラオルもCランクくらいの戦いが出来る。
明日から中級の森に行く事にしよう。
それと、今まで稼いだお金がそれなりにある。
装備やポーションなども買い込んでいこうと思う。」
リサ:「良いわね、そうしましょう。」
リオ:「それとみんなにお願いがある。僕の親と合ってほしいんだ。」
リサ:「どういう事?」
リオ:「前にも話したことがあるが、もしもの時の発光弾と救助の事、
その時に顔がわかった方が良いと言う事と、
中級の森に3人で入る事の報告だよ。」
リサ:「それは大切な事ね、わかったわ。ラオルも来なさいよ。」
ラオル:「うん わかった。」
リオの家に到着し、母アミス、父ディオに紹介した。
ディオ:「お、お前ら、パーティー組んでいるのか。
パーティー名はなんだ?」
3人はきょとんとした。
ディオ:「なんだ、まだ決めていないのか。
パーティー組むなら名が有ったほうがいい
それと、今日来たのはあれだな、中級の森の事だな。
安心しろ、そのへんは大丈夫だ。それより、
お前らの実力を確認したい。」
そういって家の外へでた。 リサとディオが剣を構え、模擬戦を始めた。
リサが攻撃を連打し、ディオはそれを受け流す。攻撃スピードはかなり良い。
ディオ:「魔法を使ってみろ」
リサは剣に魔法をまとわせ、連続攻撃を始める。
ディオ:「よし、それまで。
なかなかいい攻撃だった。
魔力の流れも綺麗で研ぎ澄まされている。
”流石ダグラスの娘だな、剣さばきや攻撃方法など、父親そっくりだ。
これで8歳とは蛙の子は蛙って事だな。”
「では次、ラオルかかってこい」
ラオルは身体強化と持続回復、ウインドステップを自身にまとい、ウインドカッターでディオを中距離攻撃を開始する。ディオは剣でそれをいなし、徐々に間合いを詰める。喉笛の寸前で剣を止め、ラオルの攻撃を全てかわした。
ディオ:「ラオル、なかなかやるな。
支援系でそこまで戦えるのであれば問題ない」
リオ:「じゃ次は僕だね」
ディオ:「ちょっと待ってくれ、お前と模擬戦をするのであれば、
本気を出さないと身が持たない。
お前の実力はよくわかっているから大丈夫だ。」
ディオはA級冒険者の実力派だ、そのディオと同等に戦えるリオはと考えると、末恐ろしいものだ。
ディオ:「パーティー名何にする?」
リオ:「そうですね、リオ、リサ、ラオル・・・・ 火と水と風
Aqua Ignis Venti アクアイグニスビエント
アグエスってのはどうだろうか。
リサ:「アグエス いいんじゃない?」
ラオル:「アクア イグニス ビエントの複数形ね、どんな意味?」
リオ:「ん~どこかの古い国の言葉で水炎風って意味、
そこから取ったアグエス」
ラオル:「いいね、アグエス。それで決まりだね」
アミス:「おめでとう、パーティー名 アグエスの結成ね、
これプレゼント」
アミスは魔道具、空間魔石を使ったマジックバックを3人に渡した。
リサ:「こんな高価なものを・・ありがとうございます。」
アミス:「ちょっと早いけど、これくらい全員で持たないとね、
でもA級やS級になったらもっといいものを自分で買いなさい。
これは私が作ったバックよ。だから遠慮なく ね」
ラオル:「アミスさん魔道具も作れるんですか?
今度教えて戴けませんか?」
アミス:「良いわよ、ポーションや便利な魔道具なんかも
冒険には必要だからね」
ラオル:「ありがとうございます。」
空間魔石は非常に入手困難な代物だ、上級魔物の中に、稀に空間魔法を操る個体が出現する。倒した後解体してその魔石が入っていない場合があるが、大きさにより価格は違うが、小さな魔石であっても銀金1枚以上する代物だ。このバックの使用体積は、6畳くらいの大きさの空間になる。相当量が収納できる。魔石が大きくなればその容量は比例して跳ね上がるのだ。




