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第二章 第104話 未開の島 パング島

皇歴1831年5月4日、出向してから11日が過ぎた。航海は順調に進み、左手にオリリオ大陸、右手後方にハウル島、右手前方にパング島がかすかに見える位置に居た。


海洋魔獣との遭遇は4回。普段であれば1回か2回程度であるが、今回の航海は比較的頻発に海洋魔獣と遭遇している。その為、3日に1回は2等級甲板での漁師飯パーティーが開催された。リサは船の航海にも慣れ、船の揺れにも耐性が整い、魔獣討伐を楽しむまでの余裕を見せていた。


現在地は、リンデ島より少し北に位置する為、気候は穏やかで、温かい。ドラニス大陸は更に北に位置し、星の赤道付近になる。年中温かく、厚手のマントやブーツなどを装備する冒険者はいない。


リサ:

「なんか少し暑いわね。今は普段着だからいいけど、戦闘着は少し考えないといけないわね。」


ラオル:

「あの装備は少し生地が厚いからね。帝都で新しく揃えないとだね。」


リオ:

「そうだね。いい店あるかな?帝都だから大丈夫だと思うけど・・・。」


船長ジン:

「右前方にパング島が見えたぞ!」


船長が大きな声でそう言うと、乗船者たちは甲板にでて目を見開いた。パング島が見えれば、ドラニス大陸までは後5日間程度、長い航海もあと少しで終わるのだ。海風を感じながら、皆に笑顔があふれた。


船長ジン:

「あのパング島は、ドラニス帝国領内の自治区になるのだ。未開の島と呼ばれている。なぜだか知っているか?」

「混沌の時代を制した初代ドラニス皇帝は、パング島には攻め入らなかったのだよ。パング島の住人も、その戦いに参加せず、中立を保っていた。戦争終結後、パング島を収める代表者と協議し、自治を認められ現在に至るのだよ。」

「そのパング島との交易には、条件があり、我らフェニキアの誇り、この剣を所持する者だけが、港への入港を許されておる。」

「船便は月に1回1往復だけなのじゃ。それに、港に着いても、一般の冒険者には、厳しい入国審査があり、A級と言われるレベルでも入国が拒否される。一般の学者など研究調査に訪れる事が出来ない。その為、未開の島、と呼ばれておる」


リオ:

「と言う事は、パング島に行くためには、船長にお願いしないと入れないって事ですか?」


船長ジン:

「わし以外でもこの剣を持っていれば入港は可能じゃよ。月に1回、帝都のはずれにある小さな港から出航する。その港を管理運営しているのが、我らフェニキアの民じゃ。」


リオ:

「ありがとうございます船長。帝都の見学が終われば、その港に顔を出します。」

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