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第二章 第103話 宴会

その日の夜、リサが仕留めた海洋魔獣を使った漁師飯がふるまわれた。船長と船員たち、アグエスの3名、騎士団、同乗していた冒険者と商人も居合わせ、メイド達は船員たちと一緒に料理の準備をしていた。リンデでは、近海で採れる海洋魔獣を焼いて食べる事が主流で、生で食べる習慣は無かった。


リサ:

「生で食べて大丈夫?おなか壊したりしない?」


船長ジン:

「猛毒を持っている種もいるが、この種はそのまま食べることが出来る。脂がのってうまいぞ!この垂をつけて食うと美味いんだ。」


リオ(佐々木):

(これは刺身だな。そしてこの垂・・・お!醤油じゃないか!うわ!”めちゃくちゃ美味い!ここにワサビがあれば・・・最高なんだけど、これでも十分美味い!)

「この魔獣、美味しいですね。それにこの垂、何ですか?」


船長ジン:

「これはわしらフェニキアの民、伝統の食材なんじゃよ。製法はおしえられんが、ふるまう事はできる。塗って焼いても旨いんじゃ。」


リオは懐かしい味を楽しみながら、スープに手を伸ばした。味噌汁だった。海洋魔獣のアラを焼き、出汁を取る。そこに味噌を加える事でできるアラ汁。うますぎて言葉が出ない。


リサ:

「美味しいわ。生で食べられるなんて知らなかったわ。このスープも美味しいわ。」


船長ジン:

「そうじゃろ、焼いた物も食ってみろ。これもまたうまいぞ!」


船長や船員、冒険者や商人は、酒を飲みながら漁師飯を楽しんでいた。一方騎士団は、乗船者に不審な者がいないかなど、注意を払いながら食していた。


船長ジン:

「わしの先祖はフェニキアの民と言ってな、世界の海を又にかけていたんじゃ。ひい爺さんよりもっと昔・・・・。」


船長ジンは、世界の過去について語り始めた。


ドラニス帝国が発足したのが1831年前の事である。それ以前は混沌の時代とされ、その混沌の時代が何年通いたのかは不明である。


混沌の時代より以前では、この星はもっと広く、広大であった。ある時、青い太陽が東の空に現れ、昼と夜の区別が無くなった。その期間は数年に及んだ。


穀物の採取量が激減し始めたのもその頃である。魔獣がそれに伴い狂暴化し、人族との争いも絶えず、双方にその数を減らした。


ある時大きな地震が発生し、大きな大陸は海に沈み、小さな島が浮上し大陸となった。この星の大陸や島は、現在のドラニス帝国領のみとなり、生き残った人族は集まり集落を形成、人族同士の争いが絶えない混沌の時代へと移り変わった。


船長ジン:

「その時、世界の海から助け出した人族を、この地に連れてきたのがわしらの先祖にあたる。伝え聞く話によると、青い太陽が西の空へ消えた後、世界は大海流によって分断されたと言う事じゃ。分断と言っても、島も大陸も何もない広大な海が広がるだけじゃがな。」


夜が更け、月が真上に来る頃、船は寝静まった。それでも船員たちは交代で航路を管理し、船旅は続いていった。

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