これが本当の神対応
ちゃんとあらすじを読んでね!多分読まないと始まり方意味わからないから!読んでもわからないかもw
「俺、君達の事殺しちゃった。ごめんね?」
「許さねーよ?」
「ま、まぁ落ち着こうよ。ツナグは異世界に転生させてくれるって言ってるしさ!」
優しいなこいつ。
「確か、神楽坂だよな。」
「うん。」
「…はぁ。分かった。」
「ありがとうね。少女。」
「…。」
「…。」
俺が馬鹿みたいに見えるだろ…ったく。あと気まずい。元はと言えばこいつが俺達を殺したせいだろ。
「ごめんね、少年。でも、今の君達じゃちょっと弱すぎるから…職業を二つ選んでもらおうかな。君達の大好きなゲームではジョブって呼ばれてたね。職業によって獲得できるスキルが違ってくるから気をつけてね〜。」
職業
剣士 戦士 軽戦士 重戦士 斥候 弓師 魔術師
呪術師 付与術師 テイマー クリエイター 道化
ETC
意外に多いな。王道から見たことない物まである。一つは戦士でいいか。やってたゲームと同じで素手から弓まで幅広くスキル獲得が出来るらしいし。もう一つは…これだな。
「これで頼む。」
「はいはーい。…戦士と付与術師?」
「そうだ。」
「これはまた面白い組み合わせを選んだね…。じゃあ少女が決まるまで待ってあげて。あ、そうそう。魔法は魔力を持ってたら皆んな使えるんだ。まぁ、メインで使うなら魔術師選んだ方がいいよね。」
別にいいけど気まずい…いや、会話したことがない陽キャと一緒に転生ってだけでも気まずいのになんで彼氏面みたいな事しないとダメなんだ…。
「ごめーん!ちょっと時間かかっちゃった。」
思ったより早かったな。
「何を選んだんだ?」
「魔術師と治癒師。王道でしょ?」
「そうだな。」
「…。」
「…。」
気まずい…!いや、気まずいと思うから気まずくなるんだ。というかなんで俺は学校のマドンナと転生することになってるんだよ…理由は説明されたが理解したくない。
「少年。ほいっ。」
「ん?」
なんだこれ…鉄球?
「それは変形球だよ。思った通りに形が変わる。最大3分割出来るからね。少女にはこの杖をあげよう。神が丹精込めて作った杖だから性能は期待してよ?」
こいつ…意外に優しいのか?ま、少しは悪いと思ってるって事か。そうでないと一発殴りたくなる。
「街の近くに降ろすから真っ直ぐ北に向かって歩くんだ。分かった?」
「了解。」
「ありがとう!」
感謝はしなくていいだろ。こいつ元凶だぞー。
「どういたしまして。じゃあ、快適な異世界ライフを。おまけに収納もあげちゃおっと。」
「っ?!」
視界が…回って…
♢
「…ん!…くん!」
っ…俺には朝起こしてくれるような甲斐甲斐しい彼女はいないぞ…?
「夜帳くん!起きて!1人じゃ不安だからぁ!」
「い゛っ?!」
…俺の鳩尾無いなった。そして何があったか思い出した。
「…ここが異世界か。」
草原が広がり、空気が美味しい。猪のような生物が地を走り、鳥のような生物が空を飛んでいる。他にも兎や狼、熊のような生物も。微妙に違うのは魔物だからか?それでも…
「綺麗な場所だな…。」
「そうだね。」
「…。」
「…。」
この流れはまずい…!
「自己紹介…しないか?」
「え?」
「いや…さ、これから2人で冒険していくわけだろ?だったら、自己紹介した方がいいと思ってな。」
気まずいので会話のネタ探したい。とは言えねぇよ?!どうせなら仲良かった奴と転生したかった…。嫌なわけじゃ無いけど気まずいって。
「ふ、ふふっ。」
「なんで笑ってんだ?」
「だってバレバレだよ?これ以上気まずくなるのはまずい!って顔してるんだもん…ふふっ。」
「俺の顔はそんなに変なのか…?」
「違うよ。だって学校アイドル集の表紙飾ってたもん。」
「なんだそれ?」
「あっ。」
アイドル集…んなもの許可した覚えは無いぞ?まさか、盗撮…?言い方的に神楽坂は犯人じゃなさそうだが…。
「…分かった。正直に言うよ。前に男子が好きな女生徒ランキング作ってたじゃん?それの仕返し的な?」
「…?あっ、あれか。神楽坂がダントツ1位だった」
「うぅ…自分で言うのは恥ずかしいけど…そうだよ。それの仕返し。因みに夜帳くんは誰に入れたの?」
「神楽坂。」
「理由は?」
「学校のアイドルだから。」
「…嬉しいけど今は君の純粋な気持ちが鋭利な刃物みたく深く刺さっちゃったよ。」
何故…?会話するのも初めてだし流石に好きだからってのは無いだろうな。んー…。もしかして、好感度ほぼゼロだと思われてるのか?これから仲良くする相手にされたなら傷つくのも納得だ。
「大丈夫だぞ。俺は神楽坂のこと好きだ。だから仲良くなりたい。」
「」
「神楽坂ーっ!?」
顔を真っ赤にして倒れてしまった。…今のは言い方が悪かったな。すまない。
「南無阿弥陀仏…。」
「死んで無いよ?!」
「…くくっ。」
「なんで笑ってるの…?」
「さっき笑われたからな。ま、これからよろしく。」
「よろしくね。…どうせなら、名前で呼び合わない?」
「何故?」
「ほら、アニメとか漫画じゃ貴族以外苗字無いのは定番じゃん?だから名前で呼ぶの慣れたいなって。」
…もしかしなくても、結構なオタクなのかこいつ。あんまりアニメとか見てなかったけどもしかしたら気が合うかも…なんてな。
「分かった。これからよろしくな、冬華。」
「呼び捨てっ…?!」
「え、なら冬華さん?」
「距離が遠く…」
「冬華ちゃん!」
「キャラじゃ無い!」
「キャラて…。結局、どう呼んだらいいんだ?」
「呼び捨てで…お願い。」
「分かった。改めて…これからよろしく、冬華。」
「こちらこそ…よろしく、か、魁星。」
「ん。」
「…。」
「…。」
む、むず痒い…。気まずくはないがむず痒いっ!…ん?
「ありがとうツムグ…!」
「あんな奴に感謝してどうすんだ。ほら、感謝する暇があるならその気持ち、怒りに変えてけ。」
「…と言うと?」
「周りを、見よう。」
くるっと周りを見回して…俺の顔見てもう一度。周りにはゴブリンから猪までいろんな生物が。
「囲まれちゃった?!」
「そうだな。」
「なんでそんなに落ち着いてるの?!」
何を言っているんだこの美少女は…。
「もらったモン試すチャンスだろ?」
「イケ」
「池?」
「…いけ、ないよ。だってまだスキル職業につき一つしかもらってないんだよ?」
なんか口調変わった様な…気のせいか。
「そんな事言ってたら伸びないからな。じゃんじゃん戦うぞ!」
「…もしかして魁星、戦闘狂?」
「違う違う。ただ…自分を試したいだけだ。」
「それを戦闘狂って言うんじゃない?」
「殲滅するぞー!」
「テンションが高ぁ↑ぁぁぁぁぁぁ?!」
「舌噛むなよ?」
「先に言ってぇ?!」
走りながらだと見にくいな。どれどれ…?スキルは
スキル
身体強化、強化付与
「いや物理!」
「魁星、戦いになるとテンション上がるんだね…。」
それはほら、ゲーマーの必須技能だったから…。
「プロになる為には仕方なかったんだ…。」
「え、あ、なんか、大変だった…ね?」
「心配するなら一緒に戦うぞ!」
「…早くいつもの魁星に戻ってもらう為に頑張る!」
「んじゃあ…【身体強化】【強化付与】!」
「魔法は…想像力!【火球】!」
おぉ…初級魔法でこの火力ってすげぇな。
「冬華!武器のリクエストあるか?」
「【火球】!…えっと、刀!」
「了解!…何も言わないの味気ないしまた後で考えるか。」
刀。歴史の授業で出てきたしたまに見てたアニメでも見た。記憶を元に球体から生成。
「うおぉ…。」
球体が細切れになり形の再構築をするのか…ゲームじゃこんなに細かい表現なかったから感動&カッケェ!
「こっちガン見してどうした?」
「…カッコいい!」
「分かる!」
冬華とはやっぱり仲良くなれそうだなぁ…。意外に子供っぽい表情が多いから見てて飽きないなこれ。
「暇人でよかったー。」
「急にどうしたの?」
「いや?プロって言っても高校生で仕事少なかったんだよ。んで暇人になってる時、エイム上げる為に武器の扱い方練習してたんだ。」
習ったわけじゃないから独学だし、刀は修学旅行でお土産に買った木刀なんだがけどな。槍の扱いに至っては山まで自転車走らせて竹拾って振り回してただけだし。
「本当に…ゲームが好きなんだね。」
「あぁ!」
本っ当に最高だな…全肯定ASMRかよ。気ぃ抜いたら惚れそうだ。あーやべぇテンション上がってきた。
「ラスト!」
「【火球】!」
「オラァ!」
「グォォォオォォ!?」
終わったのか。うわっ、力抜けてきた…。
「はぁー…楽しかった。」
「…私も。久しぶりだなぁ。」
「そりゃ良かったな。…そういえば、冬華は血とか大丈夫なのか?」
「うっ…気にしない様にしてたのに。」
「だから【水切】じゃなくて【火球】使ったのか。」
あいつから教わった魔法は【火球】【水切】【石礫】【微光】【強化】。日、水、土、光(雷)、無で闇は呪術に含まれるらしく基本はこの5属性らしい。まぁ今はそんな事別にいい。問題は…
「収納に全部入るかこれ…。冬華は無理そうでも手伝うんだぞ。一応どんな仕事があるかわからないから慣れないとな。」
「うぅ…優しいけど鬼畜ぅ…。」
「はいはい。…仲良くなるには共闘がやっぱり1番だな。」
「さっきまでの気まずさが消えちゃったね!」
「あっ、なんか気まずく…。」
「えぇ…ちょっとぉ…。」
「…くくくっ。ははっ。嘘だ。」
「もー!」
本当に可愛いなこいつ…小動物みたいだ。
「まださっきのテンション残ってるんじゃない?」
「いや、これが俺の素だ。慣れてくれよ?陽キャ一軍さん。」
「元、でしょ?これから何が起きるか楽しみだなぁ。」
「分かる。…この世界ってカレーとかあると思うか?」
「急だね。…あったらいいなぁ。」
「あと願うならこの世界で酒が飲みたい!」
「20歳まで私が許さないよ?」
「じゃあ頑張って生き残らないとな。」
「…そうだね。」
…決めた。誰かに言うわけでもないし気持ち悪がられるかもしれないが、こいつを…冬華を絶対に守る。こいつの笑顔にはそう思わせてくれるだけの力がある。俺自身、恋愛的に好きじゃないけど友人としての好感度は天元突破したからなぁ。
「全部入れたら北に向かうぞ。収納の中に方位磁石入ってたろ?」
「…ねぇ。私に見せてくれない?」
あっ、こいつ出し忘れたな?
「これ嫌って言ったらどうなる?」
「背負ってもらう。」
「な」
なんつー可愛いことを…!俺、チョロすぎんのか?ダメだ。可愛い。自分でも笑えてくるな。
「な?」
「なんでそうなる…まぁ、ここは嫌って言っておく。」
「…私、重いよ(意味深)?」
「え?軽いだろ。背、低いし(伝わらない)。」
「そう言うことじゃないんだよねぇ…。あ、そういえば町って入れるのかな?」
「なんで?」
「アニメ知識だとギルドカードとかが無いと無理なんだよね…。」
「え、転移者詰んでないか?」
「だから大体困ってる人に出会うんだぁ。」
「…街ついたな。今から戻って探すか?」
「…一回行こう。」
入れなかったらどうしよう…。