【4話 呪いと絶望,運命は廻る】
「私はな,美咲に過去の話をしようとして居た,
私は話が好きなんだ」
「だからなんだ」
「君は俺の話を聞く価値はない」
「はぁ,我を待たせるな,早う始めんかい」
「そう焦るで無いは凡」
「我を凡じゃと!」
さらに殺気の濃度が高まって行く。
瞬間,神咒空之が先手を撃つ,閃光が如し
一撃は,痛みを知覚する暇すら与えないで,
細胞が切断された事態に気付かない,それ程の
手刀を放つ。
「フン,少しはやる様だな」
一撃は空振りに終わったと見せかけて,刹那
空間が質量を纏う。
斬撃である,あらゆる防御手段を掻き消し,
空間に存在する物質を,例えそれが砂粒だって
素粒子以下に切り裂く程の一撃だった,故に
速さは知覚不能,前方空間のある全体を斬る。
「ふむ,その程度か?」
「何ぃ⁉︎ガハ!」
「ガラ空きじゃボケェ!」
なんと不意打ちの距離の概念を超えた眼前な
全方位を切り裂く斬撃を避けるどころか
反撃に腹パンを入れた。
「(はぁっはぁっぐぅ痛いぃぃ,何故だ⁉︎
やつは人であろう⁉︎何故物理に対して
相互作用を起こさない妖魔に⁉︎
無機物ですら痛みが無いのだぞ⁉︎更に
痛みを感じぬのだぞ⁉︎)」
っと量子力学的半非存在が喋る。
「まぁ良い!ならば我が力を味わって貰う!」
瞬間的に異次元の境界に腕を貫通して,
山から死体を出す。
「(さっき居た軍人と同じ制服)」
瞬間的に何かを埋め込む。
「お前,英霊に何をした!」
「我が手駒になって貰う,ただそれだけだ」
すると突然したいが起き上がる。
「,,,」
その寄生蟲は寄生したあらゆる生物を支配下
として,四肢,思考回路,感情に渡る全てを
思うがままに操れるのだ。
「な⁉︎身体が変形した⁉︎かっ
宿主の細胞の原子を書き換えて,武器が如く
操る。
「鞭に刀が付いた様なフン,そんな武器か,な⁉︎」
変幻自在,腕は更に巨大化して刀が増える。
だがそれ以上に厄介なことは現在奴が
生産しまくって125体のこいつ?いや
違う種類のエンティティがいることだ。
「,,,」
「ガァァァ!」
死体を傷つけまいとエゴから攻撃を
喰らう,,,まぁダメージは0だったが。
「あぁ?」
繋ぐ連打連撃の雨霰,連鎖する斬撃の
嵐は秒速32万回と振られる。
「(異次元だからか化け物だからか,
光より早いだろこれ)」
すると皮膚からは噴出口の様な穴が出る,
様々な毒性,麻痺混乱睡眠即死など,ガスを
散布する。
「効かないんだなぁこれが」
フグの内蔵やクジラが即死する様な毒すら
喰らわないのだ,効果無関係に毒を無効化した。
「なんで奴だ貴様」
「人としか」
硬軟伸縮自在の筋肉が全身武器化して
回転し続けるなんて地獄を回避と防御で
掻い潜る。
「は!,ほ!デリャ!(ギミックの詳細は理解した,
傾斜装甲の要領でマッハ5の指弾丸のエネルギーや運動ごと,受け流す,これは難解だが,触腕と脈動からなんとなく弾道を読めてきた,
使用する武器を読み適した回避と防御をしろ)」
一種の経緯から来る経験則的反射動作をして居た,喰らったって切り傷すらなく痒くも無い
一撃を全て避けて防いでいた。
「(散弾なら腕を回して遠心力で撃ち返す,
核なら息で吹き返す,変形して刀なら根を
崩す,銃なら避け弾く,兵器なら弾き返す,
てか待てよ,人体の重要器官をいくつ
か引き千切っても完全修復してないか?)」
「,,,」
「(核を探すべきか?)」
そう思うと肉体の違和感を探し出す。
「,,,」
「ん〜?稼働部位には違和感を感じないな」
「(体の機能が極限段階に達している人つまり
美咲を凌駕する速さ,生理学的にあり得ない
強さ,解剖学的にあり得ない肉付きと変形と
言う特徴,あれをなんの代償なしに
使えるのか?)」
滅茶苦茶代償は無い。
相手の筋肉と骨格と内臓の動きに
合わせた斬る動作は常人なら爆発四散し
て木っ端微塵となるだろう。
「(この空間把握能力なら,例えどれだけ遠くから,もはや彗星からとかでも,双眼鏡や天体望遠鏡,でこいつを捉えても気付いた時には首は
真っ二つだろうな)」
瞬間的に微弱な違和感を感じた,視野を
広げたら遠くにいるあいつ生産しながら
分体でなんか操縦してね?っと。
その瞬間先生は仮説を組む。
「(もし仮にだぞ,これが第六感のテレパシー的な
電磁力通信または周波数にアクセスした一般的な電子機器じゃあ通信妨害ができない様な
特殊な生命の操作だとしたら?サメの様な
感じだったら,人柱にダメージが来ると使え
なく成るかな?)」
そう思い水平線程離れて点より小さいそいつに
近寄る。
「あれ?あの人間どこに」
肩を叩く。
「なんだ分体,テレパシーで伝え,,,は?」
「よ!フン」
「ガハ!」
生産中止するために分身を先に首を
へし折りコントロールしてる奴が
知覚出来ない程の速さで背後に既に居た。
「(馬鹿な⁉︎やつには今重力過負荷があるはず,
一般人なら数秒も経たないうちに足に
血が溜まり爆砕して身体が崩壊するんだ,
その上全方位全角度には球型結界エンティティが居て隙間なく常時位置情報を頭に送るはず,
知覚不可能な粒子サイズだから破壊すら出来ない)」
そう,時間にしてそれを表すほどの
表現がない程の速さで行われて居たのだ。
その上背後に回り込まれた,それはもう
時間すらやつを束縛するに至らない
と言う様なものだ。
格闘技において彼は常に成長期にある,つまりは
ボルトが言う付け焼き刃でも異次元な分類の
技術発展を持つ,先生走法は時を超越した。
「(なんなんだ,底すらないこの人の子は)」
知覚してしまったんだ,霊が自身の
感情,唯一残る負のエネルギーから
形成された感情,恐怖を。
素手で戦車や核兵器に挑むより危険な事象を。
「この眼はな,全ての弱点が自然と見えるんだ,
今まで見えなかったが,知覚したよ,あの
怪物に核がなくてコントロールされて居た
のは自力だったが,それ以降は使ったんだが,
あぁ今お前,魂が揺らいでるよ」
逸脱や異形,卓越と言う言葉すら表せない,
まさに超越を。
「武器の扱いや体術共に超一流の兵士を
媒介にした肉体は壊れにくい傀儡で
楽しかったか!あぁ!オラァ!」
「グボァァ!(不死身が破られるって言うのか⁉︎)」
幾億年見なかった赤い鮮血を,弾ける
筋繊維を,砕ける骨を,痛みを。
「(何故だ何故だ何故だ!失った肉体に
痛みを与えられているのか⁉︎)」
「やっぱり一番弱いはお前,この凡」
「貴様ァァァ!」
肉体は崩れ落ちた,,,かに思えたが
次の瞬間。
バゴーン。
「ぐは」
先生の体は宙を舞った,地球の単位に
換算するなら大気圏以上に。
「クソダボゴラァ,焦らせやがってよ」
凶悪で異常な顔面を発露する。
「舐めんなよ人間!俺は棺桶に入らぬ立つ者,
進化も精神力も戦闘能力もすべてを
兼ね備えた存在!故に無敵,故に最強!」
「何ダァ凡クラガァァァ!」
闘魂は更に熱く燃え盛り殺意は禍々しく色濃く
空間を濁して居た。
「かかってこいやダボガァァァ!生き延びるための戦術だけを鍛えてきた生に執着するニンゲンに我を超えられる訳がないだろうがぁ!」
「ただ力任せに戦って馬鹿みたいな
能力頼りがいきるなよ凡」
敵の動きを読み,状況に応じた戦術を即座に
考え出す常なる進化は境地に達し,今や
あらゆる殺す方法を既に思いついて居た。
「出てこいエンティティども!」
「,,,」
「,,,」
「,,,」
さっきとは打って変わって人型は居らず,
翼の生えた個体,獣の様な個体,魚の様な個体が
応戦しにきた。
「ふむ」
瞬間獣が咆哮する,威圧感は熊以上。
「攻撃にも防御にも優れ,超接近戦特化と
行ったところか」
爆発的な踏み込みで近寄る。
闘気はまるで自然を敵にしている様。
「ほう?俺に立ち向かってくるか?」
「,,,」
連撃の速度は秒速3000万,その上一撃一撃が
あの熊の全力で放った大振りの一撃を超えて,
軍を1撃で壊滅する様な一撃を放つ。
「斧の様な一撃,うお!」
奴が足を地に叩きつけた衝撃で当たり一体を
ひび割れるクレーターを産み足をつけて居た
クリーチャー達と先生は身体が浮く,それと
同時に武器型の100mはあるクリーチャーを
片腕で掴み周辺一体を巻き込みながら振るう,
まるで木の枝が如く。
「すげぇなぁ!」
「貴様,卑弥呼を知っておるか?」
「卑弥呼?闘貴妃のか」
それは歴史上類稀なる実力を発揮した
女軍神の話であった。
時は流れて邪馬台国女帝が生まれ育った
2世紀末から3世紀前半頃である。
卑弥呼の子孫は繁栄して行き強い子孫を
残し続けて行き色濃くその血は伝承され
続けて居た,それは伝記には乗らなかった歴史。
「地縛霊化して居た始祖卑弥呼は守護神
としての役割を担い,子孫を死後も守り
自身を配下として使えた者達に安泰を
もたらした,それが化け物を産むとも知らずに」
消しさられた歴史,地球は再度滅びかけて居た。
「神の意思か運命か,だがそれを,その
直径25億kmの巨大隕石を素手だけで切り刻み地球衝突前に素粒子サイズにして衝撃を
完全滅尽して地球滅亡を防いだ物語を」
卑弥呼の一族は後に天魔として継がれてき
たのだ。
「その一族が紡いだ絆や守護神全てを
国は恐れて口封じに殺したのだ」
それ故に今は天馬はひっそりと受け継がれて
居て数万単位が今や数百人の禁忌の血族だ。
そうして生まれたのが,神咒空之だった。
慟哭する鬼は全てを憎んだ,呪い,呪い,
眠りさえ妨げられて,地下深くに侵食した
呪いを引きちぎり地上を食い荒らした。
「貴様の名前を殺す前に聞いておこう」
「今の名前はばあちゃんが伏せるためと言って,
浜田学武を名乗っているが,旧名は
天魔阿修羅だ」
天魔阿修羅,代々紡がれた純血にして英傑の
柱を超えた血継の至上最強と呼ばれた漢に
して,現代当主の肉体限界を超えた命を
燃やし未来すら捨てた人生最後の戦闘に
小指一つで余裕でついて行くどころか
圧勝した唯一の存在だ。
「運命とは残酷だな,今から我が愛すべき
子孫をやらねばならぬのだから,行け貴様ら」
瞬間的に全てのクリーチャーが同時に稼働した,
連携はまさに軍隊の様。
群を抜いた戦闘センス,近距離中距離遠距離戦
どちらにも柔軟に対応できるのが大きな強み,
状況や環境に応じた戦い方は戦闘スタイルの
幅広さで対象を圧倒してみせる。
「(一体一体が高い実力者揃い,,,まぁ
本体のこいつがペナルティ付きの下位互換が
1つの力を特化した使徒って考えりゃいい)」
「(とにかくそんな実力者が揃ってやがるんだ,
油断は禁物だぜ)」
ゴクリと阿修羅は息を呑むのだった。
次回は最終的な対決となります。
「お?今まではやらなかったのに急に
予告編とかやる様にしたのか」
「ナレーションとキャラの次元を超えて次回予告
に介入してんじゃねぇよ帰れ!」
次回からはもう予告しないからな,実写に
お前いるの普通に恐怖だし。