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第3回 あの世界のあの世事情

ハルト:結構不思議に思ってることがあるんだが


ユウキ:おん?


ハルト:この世界にあの世ってあるの?


ユウキ:あの世……? この世界から見たら、日本がある世界もあの世だが……?


ハルト:それもそうだが! 俺が言いたいのは死者の世界っていうか……わかるでしょ?


ユウキ:……肉体が死んでからの、魂の行き場のこと、聞きたいの?


ハルト:うん。≪地獄≫があるから、あの世もあるのかなって


ユウキ:まぁ……大いなる流れがあの世……になるのかなぁ……えっとなぁ……大いなる流れって、天と地に流れてるわけなんだが……これ、口だけで説明するの……難しいんだよなぁ……こう、星を覆う流れと、星の中心で渦巻く流れが大いなる流れと呼ばれてるものな? 基本的にはマナと似たような流れ方をしてる。んで、≪地獄≫は地の流れの部分にあって……だから≪地獄≫は落ちるものってこと。魂は、肉体が死ねば天に上るか、地に沈む。あるいは、≪地獄≫におちて罪を償うわけね? んで、≪地獄≫で罪を雪いだ魂も、罪のない魂も後は一緒で……大いなる流れに加わる訳だが……


ハルト:だが?


ユウキ:大いなる流れって、魂の集まりであって所謂あの世とか浄土とは違ってさぁ……意識とか、人格とかは保存されないわけ。寧ろ漂白っていうか、浄化されるというか、散り散りに砕けていくというか……


ハルト:俺がこの世界に転生した時にいた場所って、大いなる流れではないわけだ?


ユウキ:んー……大いなる流れの一部といっても差し支えないけど、あそこは世界の外側……だからねぇ……


ハルト:なんかややこしいな?


ユウキ:説明し辛いんだよなぁ……俺はそういうものと認識しちゃってるものだから。とりあえず、この世界には3種類の魔力が存在する。


ハルト:関係ない話挟んできたな?


ユウキ:関係あるから言ってる。人体の内側を巡るオド、星に満ちたマナ、そして宇宙……世界に流れるエーテル。大いなる流れがマナが主体だけど、オドやエーテルも交じってる。そして世界の外側にはシステムの俺が満ちている。けど、システムの俺だって、大いなる流れの一部と言えなくもない。内側とか外側とか言ってるけど、結局は便宜上のもんでな?次元も違うし。力の流れは曖昧で、システムの俺は世界そのものと言っても……語弊にはなるかもだが過言ではないんだなぁ……


ハルト:や、ややこしいなぁ……


ユウキ:俺も、言語化できるほど理解してないんだよ。そういうもんと思ってるから。で、星に流れる大いなる流れは天と地に流れるとは言うけれど、別に分かれているわけじゃなくて繋がってる。同じ流れなわけね? だから、天に昇ろうが地に沈もうが関係ないわけ。同じ流れに混ざるの。だから宗教ごとに山だろうが海だろうが空だろうがにあの世があってもこの世界ではそれを許容するわけ。でも、実際は流れであり、魂の集積機構であり、浄土のような煌びやかな世界を想像されても……本質は集まりであり、流れだからねぇ……そこに救いがあるかどうかは……その人次第、かなぁ……ただ、死んで天国で会おうみたいなのは基本的には無理だね。


ハルト:……転生者の理屈、聞いていい?


ユウキ:記憶保持のからくりか? ケースバイケースだぞ。魂が大きすぎたりとか、保護されたりとかで砕けきれずに個性……因果がそのまま残っちゃったパターンとか、砕かれる前に速攻転生したパターン、お前みたいに魂が保護されてる上、そもそも砕かれるとか漂白されるような場所に行かずに転生するパターン。お前は、魂が不死だからねぇ……


ハルト:……それ、何度も聞いてるけど。なんで?


ユウキ:俺が知るか。ただ、前世……よりも前の時点でお前は人間じゃなかったんじゃない? 


ハルト:……人間じゃない……なんかしょんぼり


ユウキ:魔王と勇者の性質持ってるんだし、あるいは魔王だったのかな? この世界じゃ魔王って、中間管理職だけど、お前は違う世界から流れてきてる魂だからねぇ……向こうではどうだったのか。


ハルト:日本のある世界で魔王って……


ユウキ:違うよ?


ハルト:はい?


ユウキ:お前の本質はこの世界でも、日本があった世界でもない、異世界からの転生者だよ?


ハルト:……はいぃ?



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