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新説!ハサンの実  作者: のんたろう
降魔天伏編
30/31

メロスとの死闘

フフフ!


魔将軍メロスと名乗るダークエルフは不敵な笑みを浮かべている。


「よくも!何の関係も無い会社の人々を!赦さん!」

俺は金色のハサンの実を食べる。


「ノウマクサーマンダー

ヴァーサラダーセンダー

マーカロシャーナーソワタヤ

ウンタラターカンマン!!

轟天せよ!大日大聖不動明王!!」


辺りに立ち込める(まばゆ)い光!


俺は大日大聖不動明王へ瞬天化身する。


「鏑木さん!」

「おおぉ」


課長は涙を流しながら、俺を拝んでいる。


三鈷剣を振りかざし(メロス)と対峙した瞬間にメロスは素早い太刀筋で襲いかかる。


うお!


ガキーンッッ!


受け切れず、三鈷剣から逸れた刃は俺の肩口に!


咄嗟に交わすも法衣は斬られて血が(にじ)んでくる。


「そんなもんか。お前の力は。

お前に罪は無いが、お前の祖先を恨むんだな」


祖先?

何の事だ。


クソッ。それよりここで皆を守りながら戦っても勝ち目が無い。


よし、駄目元で交渉だ。


「場所を変えるぞ、これ以上会社の人を巻き添えに出来ない。お前も俺と本気の闘いをしたいだろう。」


そう提案する俺にメロスは吐き捨てるように


「馬鹿か。こちらの優位をむざむざ捨てるか。お前の会社の同僚の人間なんざどうでもいいわ!仲間と共に死ね!」


クソ!駄目か。脳筋タイプではなく、理で動くタイプだな。


「任せて雄一!転移魔法を使うわよ!」

気づいたら横にピーニがいる。


よし!三鈷剣を十字に構えて印を結び呪言を唱える。


『オン・キリキリ・バザラ・ウン・ハッタ!』


ピーニの魔法と合わせてメロスを縛る!


「ぐは!何を!」

動かなくなるメロス。


「瞬間転移!トランプシンドローム!!」


大きな光が辺りを包む!!


その瞬間、魔将軍メロスが自発的に魔法縛(まほうばく)を破り、瞬間的に魔法を繰り出す。


き、極限魔法の類だ。

こいつ、魔法も使えるのか!


「死ねぇ!極限魔法ロケハントレインチョウトッキュウ!!!」


俺とピーニの魔法と奴の極限魔法が相殺され大爆発が起こる!


ん?

あれ?


俺は空間転移で、場所を上空に映し闘いを継続する筈だった。


あ、あれ?

頭がボワーッとする。


ん?ここは?


俺は雪の世界を歩いている。

寒い。


あれ?どこに向かってるんだ。


え?ここは?


あれ?

俺は誰だっけ?!


俺は全ての記憶を失って

見知らぬ地の雪の世界の森を彷徨(さまよ)っていた。


続く


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