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やっぱり、君のことしか愛せない
ある日、桜並木を通りかかった。
あれから三年後、私は結婚した。今でも結婚相手のことは愛すことができていない。
「あれ……?」
桜羽がよくいた、一番大きい桜の木。
切り落とされていた。
悲惨な切り株となって、ポツン、と忘れ去られたようにして存在するそれ。
「桜羽……」
思い出してしまった。
あのあと、確かに人生は花開いた。成績は一番で中学を卒業して、実樹理を見返すことができたし。
でも心の花は開いていない。
愛してないから。
「……よし」
決心した。離婚しよう。そして、もう逢えない桜羽を愛し続けよう。
そのことに関してはもう三年前に贖罪済みだ。
心が軽くなったのも、桜羽のおかげ。
私は桜羽が好きだ。これからずっと、桜羽だけを愛し続ける。
そう言った私の瞳から、輝く水晶が零れ落ちて行った——。




