アルミナの心情(2)
ご閲覧ありがとうございます。
アルミナさんの心情2回目です。いつもより短いです。
※本編とは関係ありませんので、興味のない方は飛ばしてください。
▽は時間が経過する時に使用します。会話を重視するので多用すると思います。
あたしの妹で、この都市の領主をしているイルナの元に、コウサカと共に謁見にやってきた。
イルナは、あたしと違って胸も小さく、魔力保有量もかなり多い。この世界において優秀と言える。優秀であるゆえに、この都市の領主を任されたのだ。自慢の妹だ。いろいろ抜けてるところはあるけどね。
父の計らいで、何とかあたしもこの都市に赴任できた。直接会ったことはないが、いい父親だと思う。
「この都市『フォータウツイーツノ』の領主を任されている。イルナ・フォーレンス四爵です。よろしく」
イルナのしっかりとした貴族の礼を見て、目頭が熱くなる。成長したな・・・イルナ。
だが、抜けているところはやっぱり抜けている。
「じゃ、何か困った事があったら、私を頼っていいわよ」
「ありがとう、ございます?」
ほら、説明もなくそんなこと言うから、コウサカが困惑してるじゃないか。しょうがない。
「イルナ様は、ただ、男というのが見たくて、謁見に来させる。なーんて法を作ったんだよ」
イルナの代わりに、あたしが説明をする。
「ひどいわ。・・・っ、アルミナ兵長!それでは、私が我儘な娘みたいじゃない!」
こら、バカっ、イルナバカ!バカイルナ!今危なかっただろ!
なんでコウサカの前だけ、そんなに態度取るんだ!今まで誰にもバレずにきたじゃないか!どうした今日は!
「・・・そんなことはございませんよ」
額に汗がだらだら出てくる。
「あ!今、間を開けたでしょ!棒読みだったでしょ!」
「そんなことはございませんよ」
こらっ、やめなさい!そんなに、ジャレついたらばれるだろう!
「あの、お二人は、姉妹なのですか?」
「――!」
「あーあ・・・」
ほらな・・・。
▽
バレてしまっては仕方ない。誤魔化すこともできたかもしれないが正直に言おう。
あたしは、イルナとこの都市で生きていきたい。イルナを支えていきたい。
「だから、黙っててくれると・・・助かる」
少し間をあけて、コウサカが口を開く。
「はい、言いませんよ。ただし、条件を」
「あ、ああ。できる事ならなんでも」
・・・よかった。大丈夫、奴隷にでもなんでもなるさ。魔石すべてを差し出してもいい。
「宿を取るのが面倒なので、この領の滞在日まで、この家に泊めてください」
あたしの願いは叶えられた。だが・・・。
「・・・そんな事でいいのかい?」
「では、お料理も。おいしかったし」
「ああ、ああ、お安い御用さ」
ホント、もう、この男は・・・。
自然と二人で笑う。
あたしは、この男に、この瞬間から惚れていたんだと思う。
初めての男が、コウサカで良かった。
▽
初めてのコウサカとのデート。
誘う時に、すごく緊張したのを覚えている。
「いや、都市核の翻訳機能が、発言した言葉にしか、影響されないのを忘れていた、アタシが悪いさ。少し持つよ?」
コウサカのやつ、頑なに荷物を一人で持とうとする。
あたしにも持たせておくれよ。あたしは兵士だよ?筋力ステータスはそれなりに高いんだ。
―ヒョイヒョイ
何度か荷物を掻っ攫おうとするが、うまく避けられてしまう。
こういう頑固さ、ちょっとイルナに似てる気がする。
「このまま外食、ってのも悪くないけど、作る約束だからね。腕によりをかけて作るよ」
「すいません。でも、楽しみです。昨日は、すごく美味しかったです」
「へへ、手料理を食べてもらうのって、実は初めてでね。そう言ってくれると、やる気があふれてくるよ」
コウサカにおいしいって言ってもらえると、すごく胸が高鳴る。
もっと、言ってほしい。
「そうだ。今日はもう家に帰るけど、何処か行きたいって、ところは、無いかい?今のうちに、教えておこうか」
「あ、では、魔法屋と本屋か図書館みたいなところって、ありますか?」
「・・・魔法屋は、北街通りの紫の屋根の家だよ。大雑把な説明だと思うけど、行けば分かると思う。フクッ・・・」
マ・ルサの店か、行ってから驚いてもらおう。そう思いながらも、コウサカの驚いた顔を思い浮かべると笑いが吹き出しそうになる。
「んんっ、図書館は、城にあるけど、イルナ様の許可が必要だね。許可は下りると思う」
許可は下りると思うけど「私も行くわ!」って言いそうだ。まあ、口には出さないけど。
▽
夕食のついでに、あたしは懲りずに、カシアルーオをコウサカに差し出すして、ニヤけていた。
―ゴクゴクゴク
何度も注いで、何度も飲む。あ、あれ?お酒弱かったんじゃなかったのかい?
「・・・コ、コウサカ?」
「はい?どうかしましたか?」
コウサカが平然とした顔をしている。お、おかしい!どうしたんだ?ちゃんと、カシアルーオだよな?
「その・・・体調が悪いとか・・・、こう、熱くなったりとか、な、ないのかい・・・?」
「いえ、今日は特に疲れる程のことは無かったので、大丈夫ですよ」
ニコリと笑顔のコウサカが返答する。くそっ笑顔も好きだ。
「そ、そうかい・・・」
指遊びをしながら口を尖らしていたあたしに、コウサカが声をかける。
「アルミナさん」
「は、はい!」
「別に、これを使わなくても」
「―!」
バ、バレてるっ。なんでだ!?っく、バレてると分かったら、急に恥ずかしくなってきた・・・。
目を合わしずらいので顔をふせてしまう。
「というか、できれば、記憶に残したいです」
「・・・・・・」
声にならないほど小さな声を絞り出して、コウサカに言う。
今度はあたしがベットに導かれた。
ご閲覧ありがとうございました。
色々見返して、設定回って言ったり説明回って言ったりとしていました。さらっと直しておきます。