イルナの心情(1)
ご閲覧ありがとうございます。
今回はイルナの心情を書いてみました。いつもより短いです。
※本編とは違いますので興味のない方は飛ばしてください。
設定回などではありませんが、一応ハーレム要員の一人なので1回も書かないのはなーと思いました。
ついでに設定を語ってもらおうと思って書いていたら、「あれ?この子頭いいな」ってなってしまったので変更。
イルナ=ポンコツさんで通ってもらいたいです。
▽は時間が経過する時に使用します。会話を重視するので多用すると思います。
ああ・・・もう夜か。
書類の山との対決は、今日はこれくらいにさせてもらおうかな。
椅子の背もたれに寄りかかって、天上を見ながら、項垂れる私に吉報が届く。
「イルナ様!男です!」
「なんですてっ!?」
ガバリと飛び起きて、興奮で書類の置かれた机を叩いてしまう。書類の山は崩れ、確認の終わったものと終わっていないものが、ごちゃ混ぜになる。
ああ・・・どれがどれだっけ・・・。
ま、まぁいいわ。今日はもう夜遅いし。この散乱した書類を整理して、朝を待ちましょう。
▽
「遅いわ・・・」
「そ、そうですね」
報告では、姉さんのところにいるはず。
姉さんはこの都市の兵士隊長なのだから、私が作った男性種が来たら謁見に来させるっていう法を、知らないはずがない。
これはきっと、寝過ごしてるわね・・・。
「副隊長はどこ!」
「い、今、アルミナ兵長の元に向かっている最中であります!」
「そう、さすがね」
副隊長の方がしっかりしてることが多い。姉さんったら、大丈夫かしら?
▽
やっと来た。
男って、書物で読んだ感じだと、筋肉質で大きい印象だったけど。この目の前の男は、私と姉さんの中間位の大きさで、筋肉質でもない。でも、神の恩恵を多く受けているように感じる。
都市核によるステータス魔法で見れないこともないけど、さすがに失礼ね。
「へー、これが男の人間なのね」
いろんな角度からコウサカと名乗った男を見る。顔を伏せさせたままだから見放題よ。
「この都市『フォータウツイーツノ』の領主を任されている。イルナ・フォーレンス四爵です。よろしく」
貴族の礼で、名を名乗る。
この都市の名前、もうちょっと言いやすくならないかしら。
「楽にしていいわよ」
「はい」
名前を聞くときにも聞いたけど、この男の声が私にはドハマリだ。
困らせたい。困らせたらどんな声で困ってくれるかしらね?
「じゃ、何か困った事があったら、私を頼っていいわよ」
「ありがとう、ございます?」
困ってる困ってる。今まさに困ってるわね。ああ、いい声・・・。
聞きホレていると、姉さんが、あきれ顔で言う。
「イルナ様は、ただ、男というのが見たくて、謁見に来させる。なーんて制度を作ったんだよ」
「ひどいわ。・・・っ、アルミナ兵長!それでは、私が我儘な娘みたいじゃない!」
あぶなっ。今姉さんって言いかけた。なんだろう、自分がおかしい。
いつもはこんな風に姉さんに突っかかったりしない。でも、この男が見ていると思うと、もっと見てほしくて、大げさにしてしまう気がする。
「・・・そんなことはございませんよ」
「あ!今、間を開けたでしょ!棒読みだったでしょ!」
「そんなことはございませんよ」
あれ?ホントにおかしい・・・。
「あの、お二人は、姉妹なのですか?」
「――!」
「あーあ・・・」
そりゃ・・・バレるわよね・・・でも、いい声・・・。
私は初めての男で理解した。
男は体じゃなく、声なのだと。
▽
心配になって、姉さんの家をお忍びで尋ねに来たら、あの男が項垂れていた。
「どうかしたの?」
「えっと、ステータス鑑定場の場所を―ん?」
私の問いに、答えを言う最中、私が誰なのかに気が付いたようだ。
「イル―んぐっ」
私はスキルを使い。その言葉を塞ぎに行く。
「シーッ」
首を縦に振るのでわかってくれたようなので、口を塞ぐのをやめる。
「どうしてここへ?」
「ねえさ―兵長が心配だったのよ」
声に、気を取られてか、また姉さんと言いかける。なんだろう、魔法にでもかかったかのように、この男の前だと、自分が自分でいられない気がする。
「安心してください。誰にも言いませんので」
「そ、そう。よかったわ」
安心して胸に手を当てる。ついでに、この胸をアピールするのも兼ねているのよ。フフン。
「それで?あなたは何をしていたの?」
改めて、私は男に何をしていたのかを訪ねると、どうやらステータス鑑定場と買い物をしたいらしい。であれば、これはチャンス。案内に託けてデートをしない手はないわ。
取り合いになる前に、この男が滞在中は『何もしてはいけない』みたいな法を作らないとね。苦情が後を耐えずに、書類の山に埋もれそうだ。
「それなら私が案内してあげるわ」
「道を教えて貰えるだけでも大丈夫ですけど」
「秘密にしてもらうお礼も兼ねるからいいのよ」
まぁ釣り合せ~?みたいな~?領主の特権~?的な~?
フフン、私ったら頭良いー。
「いや、でも―」
「いーの!」
なおも、断ろうとするので、私は強引に引っ張ることにした。
「でも、街の人とか兵に見つかったら、城に連れ戻されちゃうから、バレないようにね!」
そういって人差し指を口に当てた。男は困った顔をした後、微笑んだ。
私は初めての男で学んだ。
男は困った顔が一番かわいい。
ご閲覧ありがとうございました。
すこしネタバレになりますが、イルナは胸が大きくされてしまうので、アルミナさんと同じ系列になります。イルミナになるかは考え中。
イルナ心情の次回は・・・分かりません。書き溜めはありますけど、どこに放り込むか・・・。