第4章ー28「タクオ・ヴァルキュリア」
「行くぞ! ルーフ!」
「おう!」
卓生とルーフはお互いの手を握った。
「「融合! 結合! 合体!」」
そして、2人の身体は光、やがてそれは1つになった。
「お前は一体何者だ...?」
「俺か...俺の名前はタクオ・ヴァルキュリアだ」
卓生とルーフは融合したことにより、姿が変わっていた。髪は全体的に伸び、紫色に変わったのだ。そして、彼はヴァルキュリア家を名乗っていた。
「ふっ...ただのならずものが我が家の姓を名乗るなど、烏滸がましいにもほどがあるわ!」
アームはタクオに襲いかかった。
「なっ!?」
しかし、タクオはアームの剣を一瞬でかわした。
「今のはまぐれだ! 今度こそ!」
アームは再びタクオを斬りつけようとしたが、またかわされてしまった。
「何故だ!? 何故当たらない!?」
「往生際が悪いぞ...お前ごときが俺に勝てるわけがない」
タクオは得意げになっていた。
「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
逆上したアームは今度こそタクオを斬りつけようとした。
「...ヴァルキュリア・ソード・ルーフ・スラッシュ!」
タクオはスピリット・スパーダを取り出し、逆にアームを思い切り斬りつけた。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
アームはもろに剣をくらってしまい、大幅に体力が消耗した。
「くっ...俺はこの世界を支配するんだ。父の後を継ぎ、この世界を」
アームは霞んだ声で自身の野望を口にしていたが
「無理だ。お前ごときがこの世界を支配できるわけないだろ。俺はこの世界に来て、色んな奴を見てきた。俺に親切にしてくれる奴、ゴミクズのような奴、俺を応援してくれる奴、そして、俺の大切な仲間たち...そんな人たちを相手にする度胸のないお前にこの世界を支配する資格はない!」
「な...!?」
「そしてアーム、最後に俺の話を聞け」
そして、タクオは息を吸い、話を始めた。
「俺はオタクだけど異世界に送られたし、モンスターに襲われたけど意識なくて返り討ちにしたらしい。俺、これでもオタクですよ?」
「口から出まかせを!」
タクオのイキった発言に対しアームはキレ、冷静さをすっかり失っていた。そして、アームはヤケクソとばかりにタクオに斬りかかった。
「はっ!」
「何!?」
しかし、タクオはそれを真剣白刃取りで受け止めた。
「うりゃぁ!」
更にタクオはそのまま剣を折った。
「あ...あ...」
アームは自分が勝てないということをようやく理解し、絶望していた。
「さぁて、とどめだ...ヴァルキュリア・ファイナル・スラッシュ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
アームはタクオの剣によって斬りつけられ、そのまま絶命した。彼は死の直前、悲痛な叫び声を上げていた。
「はは...終わった」
タクオもアームを倒した直後、倒れてしまった。




