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第4章ー26「復讐と復活」

「仕方ない...行くぞ、分裂!」

「うわっ!」

「なんだあれは!?」

なんと、卓生の身体が2つに分身した。

「これでお前と俺は完全に別れた。これでいいな」

一人目の卓生はいつも通りの冴えないオタク、卓生の姿で二人目の卓生は紫の目とツンツン頭が特徴だった。

「貴様ら...二人に分かれたところで私に叶うと思ってるのか! ヴァイスアッフェ!」

ハヌマーンは二人の卓生をまとめて握り潰そうとした。しかし

「イキリオタク!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

ルーフは卓生のジャンプ台になり、卓生は空高く飛んだ。

「何!?」

そして、卓生は空で剣を取り出し、ルーフはその場で剣を出した。

「「ダブキュリア・ソード!」」

卓生は上から、ルーフは下からそれぞれハヌマーンを斬り裂いた。

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

二方から放たれた剣には叶わず、ハヌマーンは力尽きた。

「よっしゃ!」

「やったな!」

卓生とルーフはお互いハイタッチをした。

「おお! 卓生の勝ちだ! それにしても、あいつら打ち解けるの早すぎ...」

サーニャは卓生とルーフの様子を見て、少し苦い顔をした。

「で、ルーフ・ヴァルキュリアさんよ。お前はどうして奴の彼女を殺したんだい?」

「ああ...実は俺が殺そうとしたのはあのハヌマーンって男なんだ」

「なんだって!?」

「あいつはあいつの女を殺される以前に復讐者としてこの世界に降り立った。平和な世界を望んでいる俺はそんな危険思想のやつを生かすわけにはいかないと思い、襲撃をかけようとしたが、事前に察知した女は奴を庇った」

ルーフは自分の経歴を話した。

「平和って...お前はヴァルキュリア家の人間なんだろ? 何で私たちの肩を持つんだ?」

「あいつらと一緒にするな! 俺はこの世の中を独裁で支配しているやつらが気に入らないんだ。そして、手始めにアームと親父を殺そうとしたんだが、それがバレて逆に俺が殺された。そして殺された俺の臓器は実験台として、別の世界から来た者に埋め込み最強の戦士を誕生させ、その戦士をヴァルキュリア財閥に引き込み、何かヤバい計画を企んでいるらしい...」

「ヤバい計画...?」

「俺は本来、死んでいたはずだがお前の怒りが頂点に達したことと俺とお前の性格が一致してたことで俺の臓器が反応し、復活することができた。感謝している」

「そうか。感謝するのは勝手だが、お前と性格が似てるのは癪だ」

「な、なんだと!?」

卓生とルーフは言い争いを始めてしまった。

「いや、あれは似た者同士だよね...」

「...ですね」

卓生は否定していたが、ルーフと卓生の性格が似ているという事実は変えることはできなかった。



「ふっ...俺たちの計画とは少しズレたが、ルーフの人格が復活したことで二人まとめて狙いやすくなった」

「そうですね。父上、元々最強がデフォルメの桐井卓生とその桐井卓生の身体の一部になったことで最強になったルーフ・ヴァルキュリア...どちらも我々の財閥の脅威としてあり得ますが味方にしましたら即戦力になりましょう」

ゼーレとアームは監視カメラから卓生とルーフの様子を見つめていた。

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