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第4章ー22「最終決戦前」

「ふぅ...長くも辛い戦いだったぜ」

決勝戦の出場権を勝ち取った卓生たち4人は控え室にいた。

「まだまだこれからだ。私達の勝負は次の決勝戦で決まるんだからな」

「分かってるよ。だが、息抜きはさせてくれ」

「はいはい」

サーニャは卓生の肩をポンと叩いた。

「それにしてもあの殺伐とした競技を乗り越えるなんてみなさん凄いですね」

「なに言ってるのキョウちゃん、君も乗り越えたよ?」

ラファは自分たちを褒めたキョウに対し、逆に褒め返した。

「あ、そうだ。キョウ、お前と一緒にいたねーちゃんとはどうなった?」

「あー、レイさんのことですか? あの人は最後まで僕に親切でしたよ」

「なんだよ。俺のことは殺そうとしたのに...」

「あ、でも卓生さんにも謝っておいてと言ってましたよ。『取り乱してごめんなさい』と...それに、レイさんが怒ったのは卓生がイキったせいですよ」

「す、すまん...」

キョウは卓生をジト目で見つめ、卓生はそれに対し謝った。

「でも、元はといえばあのハヌマーンってやつのせいなんだよな。あいつ、やたら俺に突っかかってきやがって」

卓生は反省したと思えば、ハヌマーンのことに愚痴を言い始めた。

(でもあいつは本当にあんなやつなのか...? もし、あいつが本当に羽沼だとしたら受け入れるのに時間がかかるぜ。しかも、記憶がないとか抜かしてるし)

卓生は愚痴と同時に自身の幼馴染である羽沼琴太のことも考えていた。彼はあまりにも違いすぎるハヌマーンと琴太のキャラに未だ戸惑っていたのだ。

「いやいや、他の人のせいにする前に己で反省しろ...ってか、ハヌマーンってどこかで聞いたような」

サーニャはハヌマーンという名に聞き覚えがあったようである。そして、彼女がしばらく考え込んだ末...

「あーっ! あいつか! ダリューが強いって言ってた!」

サーニャはハヌマーンがダリューと組んでいることを思い出した。

「え? お前と一緒にいた男、ハヌマーンと組んでたのか?」

卓男は少し戸惑っていた。

「ああ。なんか一時的とか言ってたけど...」

「わ、私も聞いてる...」

「え?」

「そのハヌマーンって人は、ドルーシさんとも組んでる」

「ドルーシ?」

「私と一緒の部門で、一緒に決勝進んだ人だよ」

「なんだよこの偶然...」

卓生は終始戸惑うしかなかった。

「まぁでも、その人たちが同じチームってのなら実質俺たちとハヌマーン達との決戦になるってわけだな...あいつに一泡吹かせてやる」

卓生は悪い笑みを浮かべていた。

「そういや、キョウのとこは他に生き残ったやつはいるか?」

「それが...生き残ったのは僕一人です。僕のとこが圧倒的に殺伐としていましたので」

「それって、どういう...」

「僕のとこ、殺し合いとかしたんで...」

「殺し合い!? なんだよそれ! エグすぎだろ!」

卓生は生産部門の競技の実態に怯えた。

「よくお前生き残れたな...無事でなによりだよ」

そして彼は仲間のキョウが生き残った事実に安堵していた。

「さぁ、決勝戦に挑むか」

「おう!」

「うん!」

「はい!」

4人は気合を入れた。

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