第4章ー20「能力祭SideS 4」
「貴様、私のノイズをかわすとは…ただものじゃないな。さては凄まじい能力を秘めているということか?」
ザオはサーニャに近づき、彼女に聞いた。
「残念ながら私は凄まじい能力は持っていない。お前の攻撃を防げたのは、このノイズキャンセルリングがあったからだ」
サーニャは銀色のリングを指にハメていた。
「私とその周りの奴ら数人が無事なのは、私のリングから出たオーラの守備範囲に集合させただけだ。もしもお前の変な音を察知できずにリングをハメることも遅れたら、私達は今頃くたばっていた…」
「そうか。貴様じゃないか…」
「どういうことだ…?」
「いや、なんでもない。それより、確実に選手共を死に至らせる俺の音声が効かない以上、正々堂々と競技に挑ませるしかない…どのみち、お前等は次の競技で死ぬように細工はしているがな。女だろうが容赦なく殺してやる。だが、そこの緑髪の女は調教しがいがあるから、お前だけは生かしておいてやる…」
「…っ」
サーニャは恐怖で怯えていた。しかし
(私はなんでこんなに怯えている…? あいつはそんなに強くなさそうなのに…身体の震えが止まらない…?)
彼女は自分が怯えているのを受け入れられていないようだった。
「さ、次の競技の準備だ」
「サーニャさん、心配すんな。ここまで頑張って来たじゃないか!」
「俺達を助ける勇気がなかったら、ここまで来れてないぜ。普通、能力祭は相手を蹴落とす考えの奴の方が多いからな」
「サーニャさんは私を助けた恩人です。だから、人を助ける優しさと強さを持ったあなたなら行けるはずです」
周りの選手たちはサーニャに励ましの言葉を送った。
(そうだ…怯えている暇なんかない。私はこいつらを守る権利がある!)
彼女は無理矢理自分の震えを抑え、次の競技に集中するように考えた。
「さぁ、次の競技はこいつだ」
ザオが指を鳴らした途端、地中からアンテナのようなものがでてきた。
「こ…これはなんだ!?」
「ふっ。こいつは私がヴァルキュリア家から盗んできた特注品さ。ここから出る光線は人間の肉体もを一瞬で溶かすのさ…」
ザオは不敵な笑みを浮かべながら、説明をした。
「なっ…」
「これでお前らは一瞬で消える…緑髪、貴様はこの光線に耐えられるかな? じゃあ、発射ぁ!」
そして、光線が放たれた。
「絶対にさせない…防御魔法発動!」
サーニャは魔法指輪をつけ、自分と周りにいる選手にバリアを張った。
「ふっ、そのバリア程度で防ぐことはできない。シールドも溶かすからなぁ! ぎゃはははははははははははは!」
ザオは狂気を含んだ笑みを浮かべた。
「なっ…」
ザオの宣言通り、サーニャの防御魔法は解かれてしまった。
「うわあああああああああああああああああああああああ!」
しかし、サーニャに光線が当たる瞬間、一人の選手がサーニャの前に立った。
「ファイナルビーム!」
そして、その選手は光線を放った。そして、サーニャはその選手の心情を察し、すぐに逃げた。
「優勝はできなかったけど…人助けができてよかった」
選手は攻撃が全く効かず一瞬で光線に当たり、消滅した。しかし、サーニャが逃げられたのはその一瞬だけに隙ができたからである。
「はっ!」
「はあああああああああああああああああああ!」
「でりゃああああああああああああああああああ!」
そして、選手たちは対抗すべく次々に能力を出した。
「サーニャさん! 元凶はあの武器です。あれを壊しさえすれば…ぐわあああああああああああああああ!」
「あれさえ壊せばあの光線も消える…がああああああああああああああああああ!」
選手たちは次々と光線に当たり、消滅した。そして、現在生き残っているのはサーニャとダリューである。
「あの武器を壊せばいいってのは分かっているよ。でも、光線が強過ぎて近づけないんだ…」
「サーニャさん…俺が壊しに行きますよ!」
「止めろ! 無茶だ!」
サーニャはダリューを止めようとしたが
「無茶なんて百も承知だ…そもそも、この能力祭が無茶なんだからな」
「ダリュー…」
「ぎゃはははははははははははははは! なんて美しい自己犠牲だこと。でも、そんなことしても無駄なんだよ! この光線でさっさと死ねぇ!」
「ぐっ…」
ダリューは覚悟を決めていた。しかし
「無駄にはならないぜ。でも、自己犠牲もさせない…」
何者かの声が聞こえた。そして、その声の主はダリューの前に立ち
「コピースキル!」
そして、その男は手からあの強力な光線と同じようなものを放った。そして、男の光線は一枚上手だったようで、見事に弾き返した。
「な、なんだと…!? ぐぎゃあああああああああああああああああああああああ!」
光線をそっくりそのまま返され、武器はザオもろとも消滅した。
「ふぅ…サーニャ、よくここまで耐えたな」
「タクオ…!?」
その男は卓生だった。
俺オタの他、新作を現在執筆しています。しかし、それは異世界ものではないため、LINE文庫とノベルアップでの連載になります。




