第4章ー16「能力祭 サイドストーリー 卓生VSレイ・コーク 2」
「衝撃波!」
「ヴァルキュリアソード!」
「くっ…」
レイは2人の攻撃に耐えた。
「あいつは一筋縄ではいかんな…」
「そうだな。だが、こいつは倒さねばならん!」
卓生とハヌマーンは覚悟を決めていた。
「キョウ! お前は逃げろ!」
卓生はキョウに向かって手を伸ばした。しかし
「邪魔はさせない…!」
「なっ!?」
レイは手を伸ばした卓生に向かって再び3色の光線を吐いた。
「格闘使い!」
「なんだよあいつ…俺の仲間なのに…」
卓生はそこまでダメージを受けていなかった。そして、彼はレイがキョウを連れ戻す邪魔をしたことに不満と疑問を抱いた。
「おい! お前はあの攻撃を受けて無事なのか!?」
ハヌマーンは卓生がダメージを受けていないことに疑問を感じていた。
「大したことはねぇよ…だが、手が痛い…」
卓生は右手を抑えていた。彼の右手はレイの攻撃を吸収したのだ。
「だが、俺はこの攻撃のお陰であの化け物を倒せる…確実に!」
そして、卓生は拳を突き出し、そのままレイに向かって走り出した。
「くらえ! マルチナックル!」
「があああああああああああああああああああああっ!」
そして卓生はレイに拳を突き出し、攻撃を食らわせた。卓生はレイの技を吸収して放った技だったため、レイは大幅にダメージを受けた。
「どけキリイタクオ! 次は私がいく!」
「あっ、おい!」
「ヴァイスアッフェ!」
ハヌマーンは自分の両手でレイを握りつぶそうとした。しかし
「待てええええええええええええええええええええ!」
「なっ…!?」
卓生がレイの目の前に現れ、彼女を庇うように立っていた。
「貴様! 何故こいつを庇う!?」
「はぁ…はぁ…」
「答えろ!? 答えなければ貴様もろとも潰してやるぞ!」
「キョウ…俺の仲間が悲しむと思ったからだ…」
「どういうことだ!? まさか貴様ら、その女と繋がっていたというのか…!?」
「違うわ馬鹿!」
卓生は一度ハヌマーンに怒鳴り、そしてまたすぐに冷静になった。
「この女はそもそも俺のことだけを殺しに来たから、お前は戦う必要はない。それに、近くにいたキョウに俺達の攻撃が当たりそうになった時、こいつを庇うように前に立ったから、俺みたいに恨みを持った人間以外にはいい奴だと思うぜ…」
「…」
卓生がレイの弁明をしている間に、彼女は元の姿に戻った。
「お前の兄を殺したことは申し訳ない…理由も言わないし言い訳もしない。だから、キョウのことを宜しく頼む」
卓生はレイに向かって頭を下げた。
「私もすみませんでした…選手を守る本来の役目よりも自分の復讐を優先してしまい…」
レイも卓生に向かって頭を下げた。
「いやいや、あんたが謝る必要はない。俺があんたの兄、アン・コークを殺した時意識がなくて暴走していたからな…」
卓生はバツが悪そうな顔をしていた。
「はぁ…私は邪魔者だな…」
ハヌマーンはつまらなそうな顔をし、その場を去った。
「私は復讐のことばかり考えていた…だが、君の言葉を聞いて怒りが静まった。君の仲間は私が責任を持って最後まで守り通す。さ、行きましょう」
「は、はい…あっ、タクオさん」
「なんだ?」
「ありがとうございます」
「ああ」
キョウは卓生にお礼を言った。
一週間以上、姿を消していました。申し訳ございません。




