第4章ー15「能力祭 サイドストーリー 卓生VSレイ・コーク」
サーニャ編突入の前にこういうサイドストーリーを書きました。一応2、3話構成の予定です。
「では、決勝戦の事前参加登録ありがとうございました」
「はい。どうも」
卓生は決勝戦の準備をして、参加登録を済ませたところだった。
「なんだ。お前も来ていたのか」
決勝戦の参加登録であるため、当然ハヌマーンもいた。
「貴様に復讐の邪魔をすて欲しくはない。今からでも遅くはない。棄権してもらおうか」
「はぁ!? なんでそうなるんだよ!? お前は復讐復讐とか言ってるけどな。俺は俺で夢があってこの大会に参加しているんだよ!」
「夢だと…? まさか、あの学園に入ることか…?」
「そうだ。ダイトウ学園に入るんだ」
「貴様…あの学園がどのようなものか分かっているのか!? あそこはヴァルキュリア財閥が仕切っているんだぞ! あんな連中がいる学園に入学するなどと…まさかあそこまで貴様が落ちぶれているとは思わなかった」
「どういう意味だよそれは!?」
「つまり、この世の住人は皆ヴァルキュリア家の奴隷というわけだ…連中は結局あの財閥からの施しを受け、言いなりになっている。この大会だってそうだ。皆自分の危険を顧みずにあの学園に入るために必死になっているのだ。だから嫌なんだこの街は…この街の連中は全員汚れているんだ!」
ハヌマーンは極端にこの街及び罪のない住人を含め何もかも非難した。それに対し卓生は
「ふーん、お前の理論が正しいなら、彼女持ちで身長180cm、イケメン俳優似でバスケ部は1位の実力。そしてヴァルキュリア四天王の1人を血まみれにして殺したこの俺はこの街の住人に入らないってことでいいか?」
唐突にイキリ出した。しかも言っていることの9割は嘘である。
「お前はどう見ても身長180cmどころか70すらないだろ!? それに顔は普通過ぎるし運動をしている身体つきではないほどに痩せているだろ!?」
流石にハヌマーンは卓生の嘘発言に呆れていた。
「確かに今言ったことの半分以上は嘘だよ。だが、俺には彼女…いや、最高のパートナーがいる!」
※
「…ヴぁくしょい! な、なんだ。緊張で風邪でも引いたか…?」
サーニャは建物の中で待機していた。
「まさかあんなトラップが仕掛けられていたとは…」
サーニャは予想外のできごとにより、緊張が激しくなったのか爪を噛んでいた。
「まさか偽物の建物までが存在していたとは…しかも本当にこっちで合っているか分からないせいでますます不安になってしまう」
サーニャは重すぎる気持ちに押しつぶされそうだった。
「でも、私はタクオと約束をした。絶対に勝って見せるさ」
サーニャは卓生のことを思いだし、やる気を出した。
※
「だが、、貴様のようなやつがあの最強であるヴァルキュリア四天王を倒したとは到底思えないな」
「いや、本当さ。俺は覚えてはいないが、気が付いたら暴走してアン・コークを血まみれにしたのさ」
「なんだと…?」
「ん?」
「私の兄さんを殺したのは…お前か…」
そこには、レイ・コークとキョウがいた。
「タ、タクオさん! 逃げてください!」
「どういうことだキョウ!?」
キョウは何かを察し、卓生に助言をした。しかし
「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!」
時は既に遅く、レイは姿を変えた。その姿は生産部門でルールを破った選手に制裁する際に変えた姿と同じものである。
「よくも私の兄を…これでもくらえ!」
レイは3つの顔からぞれぞれ光線を出した。
「うおっ! 危なっ…」
卓生はこれら3つをギリギリでよけた。
「おい格闘使い! お前が不用意なことを言ったせいで私まで巻き込まれてしまっただろ! どうしてくれるんだ」
「知るか! お前が俺の話を信じなかったのが悪い!」
「確かに貴様の話を簡単に信用しなかったらこんなことにはならなかったな…私もけじめをつける!」
こうしてハヌマーンもレイに立ち向かって行った。その反面、キョウは戸惑ってばかりだった。




