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第4章ー13「能力祭SideK 4」

「はぁっ!」

「おらぁ!」

「でりゃっ!」

 生産部門では既に殺し合いが始まっていた。ある人は剣をふるい、ある人は銃を撃ち、そしてある人はナイフを使っていた。現在生き残っている人数は9名である。

「はっ!」

 そして、キョウは弓矢を使っていた。

「僕はなんとしても生き残らなきゃいけない…」

 キョウは敵が来ないか、辺りを見回していた。

「今だ!」

 キョウの後ろにはナイフを持った選手がいた。彼は、隙を見てキョウを斬りつけようとしていた。

「後ろにいることは…分かっていますよ!」

 キョウは最初から気付いていたようであり、すぐに後ろを振り向き矢を放った。

「がっ…!」

 彼は結局返り討ちに遭ってしまった。

「油断も隙もないですね…」

 キョウは死体に刺さっている矢を引っこ抜いた。

「この矢は人の死体の他、僕の血が混ざってあるから人の血が混ざれば混ざるほど更に強くなれる…」

 そして、キョウは矢筒に血塗られた矢をしまった。

「人殺しは躊躇しますが、生き残るには手段は選べません…」

 キョウの心はすっかり冷酷に染まっていた。

「おらぁ!」

「はっ!?」

 今度はキョウの後ろから剣をふるっている選手が来た。キョウは矢を放つ暇はなく、弓で剣を防いだ。

「くっ…」

「ちっ…後少し早かったら殺せたのにな…」

 選手は舌打ちをし、キョウから離れた。

「だが…堂々と殺し合いをするのも悪くねぇ!」

「はあっ!」

 選手は再びキョウに向かって走って行き、キョウはそれを防がんとばかりに矢を放った。しかし

「こんな矢! 弾き返せるぜ!」

 選手は矢を剣で弾いた。

「そ、そんな…く、くそっ!」

 キョウはやけくそ気味に

「ふっ…甘いな! この程度の矢で俺を倒せると思ったか!?」

 選手は何食わぬ顔で何回も何回も矢を弾いた。

「僕はもう…どうすることもできないのか…!?」

 そして、選手はとうとうキョウの目の前にまで来てしまった。

「とどめだ!」

 そして、キョウは斬りつけられそうになったその時…

「な、なんだ!?」

 キョウが指を鳴らした。すると、今まで選手が弾いた矢が襲いかかってきた。

「う、うわあああああああああああああああああああああああああ! なんだこれえええええええええええええ!?」

 そして、数本の矢は選手の身体を貫通した。

「がっ…この矢…なんなんだチ―トか…?」

 そう言い残し、選手は倒れた。

「ふう…」

 こうして生き残った選手は残り7人となった。

「この矢たちも、そうとうな血が塗られましたから、強くなったはずですね」

 キョウは数本の矢を死体から抜き、矢筒にしまった。彼は最早慈悲はなく、人としての心を失いつつあった。

「おらぁ!」

「うおっ!?」

 キョウは矢をしまっている隙に斧を持った選手にに襲われた。しかし

「はぁ…はぁ…」

「ちっ…外したか…」

 キョウは間一髪で避けることができた。

「ふん…女のくせに中々やるじゃないか…」

「…」

「だが、こいつでどうかな? 俺は女相手にも容赦はしないぜ! くたばれ!」

「はっ!」

 選手が斧を振り上げた途端、キョウは矢を放った。

「がっ…」

選手は斧を振り落とす前に放たれた矢が胸に刺さり、力尽きた。

「ふぅ…危なかった。それと、僕は男ですよ」

キョウは性別を間違えられていたことが不満だったようである。見た目が可憐なので間違えられても仕方はないが。

「後、何人でしょう…? 4、5人残っていると思いますが…これからどう探せばいいんでしょう…」

 キョウは生き残っている人数を予想し、選手たちを探す方法を考えていた。その時

「いや、1人だね。そして生き残っている人数は合計2人ってところかな」

「うおっ!?」

 何者かの声がした直後、キョウの目の前に1つの黒い球が投げ込まれ、煙幕が噴出した。

「な、なんですかこれ…」

 キョウは煙幕に驚き、目を瞑った。投げた人間は目くらまし目的で玉を投げ込んだのは明白だった。

「俺だよ。今のは俺の武器だ…」

「はっ!?」

 いつのまにか煙幕が消えており、キョウの目の前には1人の男がいた。

「よかったな。死ななくて。もしかしたら間違って毒ガス入りの方を投げていたかも知れないと思ったからさ」

「…」

 キョウの目の前に挑発的な態度をしている選手が現れた。

「さて、こいつでお前に止めを刺すか…」

 選手は紫色の球をキョウに向かって投げつけた。

「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああ!」

 そして、そこから紫色の煙が飛び出した。その煙はキョウを閉じ込めるかのように彼を包み込んだ。

「げほっ…げほっ…」

「ふっ…これで俺の勝利だ」

 選手はその様子を見て、ほくそ笑んでいた。

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