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第3章ー16「能力祭登録」

「ヴァジラ、ここまで案内してくれてありがとうな」

「いや、私は仲間達を救いたかっただけだよ。こちらこそ、仲間と大賢者様を助けてくれてありがとうな」

 卓生とヴァジラは握手をした。

「それで大賢者さん。どうやってここから出ればいいんですか?」

 キョウは少し不安な顔になりながら、大賢者に聞いた。

「少しだけ待ってくれ」

 大賢者は懐からボタンを取り出し、それを押した。すると、アン・コークが使っていた王座が動いた。王座の下には、地下へ進む階段のようなものがあった。

「ここが出口だ」

 大賢者は王座の下を指した。

「ええ…なんだよそれ…」

 サーニャは少し困惑していたが…

「すげえ! まるで秘密基地だ!」

 卓生は大はしゃぎしていた。

「タクオ…お前はガキか…」

「何言ってんだよサーニャ。俺は13歳の中学生だぞ。もうガキじゃない」

「いや、十分ガキじゃねえかよ!」

「そういうお前は幾つだ?」

「…13歳」

「同い年じゃねぇかよ! じゃあ、お前もガキじゃねーか!」

「うっさいわ!」

「まあまあ。取り敢えず、外へ行こう?」

 ラファは言い争いをしているサーニャと卓生を宥め、そして卓生達4人は出口へ向かった。

「ちょっと待ってくれ!」

 この時、大賢者が声をかけた。それに対し、卓生だけが足を止めた。

「あなた達はこの集会所と私の賢者達を守ってくれた。だから、お礼に100000Gをあげよう」

「いや、そんなのは必要ない。俺達は金のためにあんたらを救ったわけじゃないからな」

 卓生はお礼金を貰うのを拒否した。そして

「じゃあな!」

 卓生は最後に大賢者と賢者達に向かって手を振り、3人の後を追うように階段を下りた。


                ※


「これで一件落着だな…」

「よし、後は能力祭の登録をしなきゃな」

「そうだな。一応、みんなのポイントを見せてくれ。合計が5000ポイント以上だったら参加できるからさ」

「「「了解」」」

 そして、4人はパーティウォッチを見て、ポイントの確認をした。

「なにこれ!?」

「すさまじいポイントです…」

全員は驚いた。その理由は、100050000ポイントも持っていたからだ。

「そうだった…そういやシャイセのやつらからポイントを毟り取ったな…それにアン・コークを倒したしな…」

 卓生は思い出したかのように呟いた。

「そういや金もシャイセの連中から100000000000Gくらい絞り取ったな。それと、シャイセを倒したとして国から感謝状として500000G貰ったな…一応、確認してみるか」

 卓生はパーティウォッチを見て、確認した。するとそこには『100000650000G』と書いてあった。

「やべぇ…」

 卓生は身震いした。そして、彼はあることに気づいた。

「あれ? 自力で稼いだの含めて100000550000Gのはずじゃ…まさか!?」

 卓生は振込み履歴を確認した。すると『100000Gが大賢者から振り込まれました』と記してあった。

「勝手に振り込まれている…」

 卓生は困惑していた。

「タクオどうした?」

「いや、こっちの話…」

「そうか。まあ、取り敢えず登録しに行こう。みんな行くぞ」

「「「はーい」」」

 こうして、4人は登録所へ向かった。


                ※


「ここが登録所か…結構並んでいるな」

「まあ、ここが小さい国とはいえ実力者がそれなりに揃っているからな。取り敢えず、並ぶか」

 そして、4人は列に並ぼうとした時だった

「おっと、危ねぇ」

 別のパーティーが卓生達を押しのける形で列に並んだ。1人目はチリチリの髪型とキツネみたいな目をしており、2人目は坊主頭をしていた。そして、3人目は屈強な体つきと黒い肌をしていた。そして、そのパーティーのメンバーはこんなことまで言いだした。

「まさかこんなにヘナチョコなパーティーがいるなんてな。聞いていないぜ」

「全くだ。こいつらはこの大会で絶対最初に負けるな」

「その通りで・す・な! ぎゃはははははははははは!」

「…」

 卓生は彼らの言葉を聞き、身体を振るわせ始めた。そして

「がああああああああああああああああああああ!」

「なんだ? ぐはっ!」

 卓生はチリチリ頭を思いっきり蹴った。その時、卓生の目は赤と紫になっていた。

「はっ…! タクオ君がまたおかしくなってる…!」

 ラファは卓生の異変に気付いた。

「これは止めないと…」

「止めろタクオ!」

 サーニャは卓生が暴れないように彼を抑えたが

「邪魔だ!」

 卓生はサーニャを突き飛ばした。

「な! 俺の仲間に何をするんだ!」

 坊主頭が卓生に抗議をしたが

「黙れ! 列を抜かしただけじゃなくて、俺達まで馬鹿にしやがって…」

 そして、卓生は次に坊主頭を殴りつけた。

「お、俺達が悪かった! いきなりお前らを押しのけたり、悪口を言ったりしたことは謝る! だから命だけは助けてくれ!」

 屈強な男は仲間2人を庇うように彼らの前に立ち、卓生に謝罪をした。しかし

「そんな軽い謝罪で済むと思ってんのか? 俺は絶対に許さないから。お前等を殺すから」

 そして卓生はスピリット・スパーダを取り出した。

「さあて…仕舞いと行くか…お前らも、こいつらを庇っているお前もまとめて切り刻んでやる!」

 卓生は3人を斬りつけようとした。その瞬間

『やめろタクオ!』

 何者により、卓生は立ち止り、スピリット・スパーダをしまった。彼は目の色が緑色になり、緑のメッシュが入っていた。リューが卓生に憑依し、動きを止めたのだ。

「早く逃げろ」

「「「ひ、ひいいいいいいいいいいいいいいい!」」」

 リューは3人に諭し、彼らは一目散に逃げて行った。

「パパ…?」

「どうやらタクオのやつ、思った以上に心のコントロールができていないらしい。特にあいつは仲間に何かあった時や馬鹿にされた時が特にそうなる」

「タクオさんは大丈夫なんですか!?」

「今のところはな。だが、こいつは一度暴れると手がつけられなくなる。それに、お前らの能力も弾き返すくらいのパワーが生成されるから、結局は暴れる自分は自分自身で抑えるしかない…」

「そんな…じゃあ今のタクオ君は誰にも止められない…」

「じゃあ、俺はそろそろ行くぜタクオは俺が気絶させてあるから、列に並んでいる間は申し訳ないが、運んでやってくれ」

 そして、リューは卓生の身体から離れた。

「タクオ…」

 サーニャは眠ったままの卓生の頬を撫でるように触った。

今回で賢者と剣者は終わりです。申し訳ございませんが能力祭編は番外編を3、4話ほど投稿した後に始めます。それとおさらいキャラクター紹介は一旦削除し、改めて全員をまとめたキャラクター紹介を後ほど投稿します。

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