第3章ー12「大賢者アン・コーク」
4日ぶりの投稿です。遅くなってすみません。
「よし! ここが次のエリアか!」
「ようやく着いた…!」
「あれ…? サーニャ?」
「タクオじゃん!」
2組に分かれ、別々の扉から入った卓生達とサーニャ達は何故か1つの扉からでてきた。
「賢者、ここはどこなのか分かるか?」
「ここは、賢者の集会所だだ。だが、なんだこの雰囲気は…」
卓生達は賢者の集会所にいた。この部屋はとてもおどろおどろしい雰囲気に包まれていた。そして、部屋の奥には王座が設置されていた。
「それに、普段はこの場所に他の賢者もいるはずなんだが、誰もいない…」
賢者は辺りを見回していた。その時
「なんだ!? 地震か!?」
大賢者の部屋が物凄く揺れた。
「はははははははははははははははははははは…!」
大賢者が現れ、彼は王座に座った。大賢者は他の賢者と違い、暗い紫色のローブを着ていた。
「ふっ…お前らがこの部屋に見事たどり着いたか。一体どんなチ―ト能力を使ったか分からないが…」
大賢者は不敵な笑みを浮かべた。
「あれ? そこにいるのはサーニャちゃんか…久しぶりだな。お前の親父さんは元気にしているかい?」
「うるせぇ! お前は私の知り合いの賢者なんかじゃない! お前は誰だ? 何故この姿をしている!?」
「ふっ…知りたいか? では答えよう。私はかつてソウル様に仕えた部下、アン・コークだ…」
大賢者の正体はソウルの部下、アン・コークだった。
「ダサい名前…」
いつのまにかソウルの姿を模した魂フォームになっていた卓生は、小さな声で呟いた。
「私はこの身体を手にしたことで、もうすぐで本来の姿を取り戻せる…」
「どうしてこの賢者の身体を乗っ取った!? そして、父さんの身体をどこにやった!? 全て白状しろ! さっさと白状しろ!」
サーニャは感情がむき出しになっていた。
「君の父、リュー=スアか…あいつの身体はソウル様に殺され、私が蘇らせたのだが…その数日前、この身体の本来の主はソウル様によって殺されていた。君はまんまと騙されていたようだが、その身体はすでにこの私、アン・コークの人格になっていたのだよ…ま、今のリューの身体の主は私もソウル様も知らないがな…」
「待てよ…なんでお前はわざわざ身体を乗っ取ったんだよ…」
「ふっ、随分質問の多い小娘だ…いいだろう教えてやろう」
アン・コークは一息つき、再び話し始めた。
「私は13年前、伝説の勇者に敗れた時の傷により病に伏せていた。そして、もうすぐで寿命が尽きそうな時、ソウル様がその肉体をくれたのだ…この身体さえあれば傷もすぐに癒すことができ、私の本来の身体はあっと言う間に回復した。だが、本来の身体を取り戻すには、もっと力を蓄えなくてはならない…そこで私はソウル様を讃えるようにと賢者共に説き伏せ、奴らからパワーを頂いていたのだ…」
サーニャはアン・コークの話にショックを受け、膝から崩れ落ちてしまった。
「おい待てよ。てめぇの事情に首を突っ込む権利はねぇが…他のやつを犠牲にしてまで自分を生き返らすなんて、人としてどうかと思うぜ」
卓生はサーニャの前に立ち、アン・コークに絡み始めた。
「ソ、ソウル様…!? なぜここに…?」
「残念。俺は確かにソウルみたいな姿をしているが違うね。俺は桐井卓生だ。オタクだけど成績優秀でスポーツ万能、そして俺に襲いかかってきたDQNやモンスターを全て返り討ちにしてやったことがあるぜ。そして、ソウルの魂を取りこんでこんな姿になっている」
「ふっ、くだらない。そんな下らない奴にソウル様が負けるはずがないだろう…」
「お前、こいつを見ても同じことが言えるのかな?」
「な!?」
アン・コークは動揺していた。それは、卓生はソウルがかつて持っていた剣、スピリット・スパーダを見せたからである
「な…ソウル様が…こんな…ひよっこに…」
「それだけじゃないぜ…リューさん!」
卓生がリューの名前を呼んだ途端、彼はリューを模した姿になっていた。
「な…リュー=スアだと…」
「てめぇ…よくも俺の娘を騙してくれたな。ま、俺の魂が入っている剣を卓生 (こいつ)が拾ってくれて大助かりだけどな。だがな…俺の知り合いの身体を乗っ取ってただで済むと思っているのか!?」
「何故だ…私は受け入れられない…私の主と殺した奴が今こうして生きている…そして主が敵になっておる…」
アン・コークは頭を抱えていた。
「サーニャ、ショックかも知れないが、今のお前には俺の他に仲間がいる。そして、卓生がいるだろ? だから、大丈夫だ」
「…そんなこと、言われなくても分かるよ!」
サーニャは重い腰を上げ、立ち上がった。
「お前らも戦闘の準備をするんだ!」
卓生(の身体をしたリュー)は全員に指示をした。
「とりあえず、お前を倒させて貰おう!」
卓生は元の姿に戻り、アン・コークに指をさし、宣戦布告をした。
「ふっ…お前ら数人程度でこの私、いや私達を倒せるとでも?」
「どういうことだ!?」
「こういうことだよ!」
アン・コークは指を鳴らした瞬間、黒色のローブを着た多数の賢者が現れた。
「せいぜい頑張りたまえ。こいつらが全員倒れたら、私はまたここに現れる」
アン・コークは王座に座ったまま、卓生達を嘲笑っていた。
「な、なんだこれは!?」
「わ、私の仲間たちが…!」
「こんなにたくさんいるなんて…」
「どうすればいいんでしょう…」
「大丈夫だ…俺たちならやれる。それに、俺は絡んできた沢山のヤンキーを返り討ちにしたこともあるから、これくらい楽勝だ。イキリオタクの底力をあいつに見せ付けてやるぜ!」
卓生は余裕の表情を見せていた。
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