第3章ー3「タクオVS賢者」
風邪気味だったので、投稿遅れました。すみません
「ちっ…裏の裏をかかれたか!」
卓生は剣を構えた。
「お前らは無闇に戦うな! ここは俺に任せろ!」
「でも、あいつかなり強そうだぜ!」
「大丈夫だサーニャ! 俺は絶対にあいつを倒す!」
「わ、分かった。じゃあ、私はラファとキョウを連れて先に行くぜ」
「いや、先に行っては駄目だ」
「!?」
卓生はサーニャの頼みを珍しく拒否した。
「なんですかソウル様。ここは、俺に任せて先に行けじゃないですか?」
賢者は挑発するように突っ込みを入れた。
「へっ、ここで無闇に動かれたら地形を知らないこいつらが迷子になる可能性が高い。それに、冷酷非道なソウルだったら、王道主人公みたいなことはしないはずだぜ」
「なるほど…それもそうですね…」
賢者は納得をした。
「というわけで…まずは俺から行かせてもらうぜ!」
卓生は紫色の片目を開き、スピリット・スパーダを振り、賢者に襲いかかった。
「喰らえ! パープルスラッシャー!」
「喰らいなさい! ガードマジック!」
賢者は卓生の技を防ごうと、防御技を出した。しかし
「こんなの簡単に効くかあああああああああああああああ!」
「なに!?」
卓生の剣は賢者の防御技をあっさり破った。
「な!? あれだけ鍛えた私の技が…」
「ふっ…」
「なんですかその技の威力…幾らソウル様の身体を借りているとはいえ、その威力はおかしすぎます!」
「なぁ、賢者さんよぉ…」
「な、なんですか…?」
「俺の技の威力がおかしいって言ったよな」
「それがどうした!?」
「つまり、俺の技が強過ぎるって意味だよな?」
卓生は自信満々に賢者を煽った。
「くっ…」
賢者は悔しそうな顔をしていた。
「さて、これでとどめだ!」
卓生の片目から光が消えた。そして
「ヴァイオレットクラッシャ―!」
卓生は剣を紫色に輝かせ、賢者にとどめを刺そうとした。しかし
「ま、待ってください!」
賢者は卓生の攻撃に待ったをかけた。
「な、なんだよ」
「…実は」
「実はなんだよ? 解答によってはお前の魂を抜き取るぞ」
「じ、実はあなた達を試していたのです」
「は? それはどういうことだ?」
卓生は頭が追いつけなかった。
「だから、私はあえてあなた達に襲いかかり、どんな人間か確かめたかったのです」
賢者はわけを説明した。
「この立ち振る舞い、あなたは間違いなく大賢者様を倒せます」
「大賢者…?」
「はい。私達賢者を仕切っている一番上の者です」
「その人がどうしたんだ?」
「はい。その方はソウル・ヴァルキュリアに心酔しています。しかし、私達の組は彼が既に死んでいることやとんでもない悪党であることは知っています。なので、私達は大賢者の正体を暴こうとしたのですが…」
※
『あの大賢者はやたらソウル様ソウル様と心酔しているが、もしかしたら洗脳かあいつの部下である可能性が高いな』
『それ以外にも、スピリット・スパーダがあの大賢者に刺さり、ソウルそのものになった可能性がある』
『とにかく俺達でなんとかするしかない。俺達新参組は洗脳されているやつならいないからな』
『そうだな。他の人達は大賢者の影響を受け、ソウル命になっちまっているからな』
『よし、行くか!』
「しかし…」
『があああああああああああああああ! な、なんだこの頭の痛みは…』
『く…このままじゃ俺達まで…』
『おい! お前は逃げろ!』
『で、でも…』
『お前はあの大賢者を止めるやつを探すんだ!』
『早く逃げろ!』
『わ、分かった!』
※
「という感じです…」
「なるほどな…それで俺達に案内を」
「はい」
賢者は少し俯いていた。
「それにしても、俺がどうしてソウルじゃないって分かったんだ?」
「それは、あなたがとても真っ直ぐな目をしていたからです」
「は?」
「私に攻撃を仕掛けられた時、仲間を護るようにして挑みました。そこがあなたがソウルではないという一番の判断理由です」
「そ、そうか…」
「それにしても、どうしてあなたがソウルみたいな姿になっているのですか?」
賢者は好奇心から卓生に聞いた。
「それは、俺がこの剣を使ってソウルの魂を取りこんだからだ」
「なるほど」
「で、俺達をちゃんと案内してくれるんだろうな? 賢者さん」
「はい」
「それと、年齢はどれくらいだ?」
「21歳です」
「これは失礼しました…」
卓生は年齢を知るや否や敬語を使った。
「いえいえ、別にタメ口でも大丈夫ですよ…」
「で、でもな…」
卓生が少し気まずそうにしていると
「じゃあ、これはどうかな。賢者さんも私達にタメ口使ったらいいんじゃないかな?」
「それもありだな」
卓生はラファの意見に賛成をした。
「じゃあ…よろしく。えっと…」
賢者は卓生達の名前が分からないため、口ごもった。
「あっ、そうか。俺の名前は卓生だ。よろしくな」
「私はサーニャ。よろしく」
「僕はキョウです。よろしくお願いします」
「私はラファだよ。よろしくね」
「ああ。よろしく! タクオ、サーニャちゃん、ラファちゃん、キョウちゃん」
「僕、男なんだけどな…」
「ああ、ごめんキョウ」
「「「ははははははははははははは」」」
▼賢者が仲間になった。




