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第2章ー7「復活のイキリオタク」

「…あれ?」

 卓生は暗闇の中で横になっていた。彼はさっきまで眠っていたが、今、目を覚ました。

「俺は一体なにをしていたんだ…? 確か、ラファを庇って…ソウルの剣に刺されて…」

 卓生は自分の行動を1つ1つ思い出していた。

「はっ! そうだ! ラファはどこだ。ていうか…ここは一体どこなんだよ!」

 卓生はあちこちを走りながら、ラファを探していた。

「全然見つかんない…っていうか、周りが暗くて全然見えねぇよ…」

 卓生は目をしかめた。

「そうだ…こいつを使えば…」

 卓生の指には、サーニャの魔法指輪が2つハマっていた。光のリングと回復のリングの2つである。

「光のリングよ…我に力を…アインタシュナルプ!」

 卓生は光魔法を発動した。

「くそっ、光魔法を発動しても何も見えない…」

 卓生は結局どちらの道に進めばいいのか分からなかった。その時

「な、なんだ…?」

 光の魔法指輪がまるで卓生を導くかのように引っ張った。

「このリングが俺をどこかへ連れて行こうとしているのか…?」

 卓生は魔法指輪の向かう方向へ歩き出した。

「…」

 卓生がしばらく真っ直ぐ歩いていると…彼はあるものを見つけた。

「ひ、人が倒れている…?」

 卓生の周りには、たくさんの倒れている人々がいた。

「だが、微妙に薄い…幽霊か何かか?」

 卓生は倒れている人々が一体何なのか考えていた。その時

「あ、あれは?」

 卓生は向こう側に2人の人を見つけた。そして、魔法指輪はその2人に導いた。そして、卓生は2人に近づいた途端その正体に気づいた。

「サーニャ! キョウ!」

 サーニャとキョウが並ぶように倒れていた。

「なんで2人がここに…?」

 卓生は何故2人がここにいるのか疑問を感じたが、すぐに答えがでてきた。

「そうか! ここはスピリット・スパーダの中! そして、サーニャとキョウを始めとするこの人達は、ソウルに魂を取りこまれたやつらってことか」

 卓生は真実にたどり着いた。

「そして、俺がここにいるのはさっきソウルに刺されたときに取り込まれたからってことか…だが、このままだとラファが危ない。ソウルに何されるか分からない。取り敢えず、この2人をなんとかしないと」

 卓生は2人を戻す方法を考えていた。

「イチかバチか…こいつを使うか?」

 卓生は回復リングを見つめていた。

「いや、やって見なきゃ分からないぜ!」

 卓生は左につけていた回復のリングを右につけている光のリングと取り替える形で右指につけた。

「白のリングよ! 我に力を! ヒーリング!」

 卓生はサーニャの胸に手を当て、回復魔法をかけた。そしてしおばらくすると、何故かみるみるサーニャが消えていった。

「…消えた?」

 卓生は消えたサーニャに疑問を感じたが

「次はキョウだな」

 卓生は気持ちを切り替え、キョウにも回復魔法を使った。

「ヒーリング!」

 そして、キョウもしばらくしていると消え去った。

「よし、後はこいつを使って…」

 卓生は光のリングを風のリングに付け替えた。そして

「ファイナルサイクロン! イン、ヒーリング!」

 卓生は竜巻を巻き起こし、その中にヒーリングを投入した。

「これで周りにヒーリングが行けば、みんな回復する!」

 卓生の狙い通り、ファイナルサイクロンで拡散されたヒーリングが他の魂を取り込まれた者へ行き、どんどん卓生の周りから消えて行った。

「よし。これで完了だな」

 卓生が魔法指輪を外した途端

『いや、まだ終わりではない』

 何者かが卓生に声をかけてきた。

「誰だ!?」

 卓生が後ろを振り向いた途端

「サ、サーニャ…? でも、凛々しい顔しているし男…?」

「お前はあの化け物を倒しに行くんだ。今のあいつは、お前の魂を取り込んだと思い込み、油断している。さぁ、行くんだ」

 謎の男が卓生の身体に手をかざした途端、卓生の身体が消えて行った。

「さ、最後に一つだけ話を聞いてくれ。あんたは一体誰なんだ?」

「俺か? 俺は、リュー・スアだ…」

「…!?」

 卓生はこの言葉を聞いたのを最後に、暗闇の中から姿を消した。


       ※


「ふっ、これであの男の魂を取り込んだ…これで、私は最強の格闘スキルを手にいれることができる…ははははははははは!」

 ソウルは卓生の腹に刺さったままの剣から手を離し、腕を組み、高笑いをした。

「タ、タクオくん…」

「さて、まずは貴様でお仲間さんの能力を試すとするかな」

 ソウルは拳を握り、格闘体制に入った。その直後

「何言ってんだお前。俺は取り込まれてなんかないぜ。だから、お前の構えはただのへなちょこポーズだ」

「なに!?」

 卓生は意識を取り戻した。そして、彼は腹に刺さっている剣を抜いた。

「さて、この剣は今や俺の手元にあるからな。使わして貰うぜ」

「ふっ、そうかな。我が手元に戻れ」

 ソウルは右手を掲げ、念じたが、何も起こらなかった。

「な、なんだと…?」

 ソウルは予想外のできごとに戸惑っていた。そして、その間に

「ん…私はどうしていたんだ?」

「僕達、気を失っていたみたいですね…」

 サーニャとキョウが目を覚ました。

「な、なぜ奴らが目を覚ました…魂は取り込んだはずなのに…!?」

「あー、言い忘れていたな。俺、お前の剣に取り込まれた時、何故か自由に動けてさ。サーニャとキョウも、後他の奴らもまとめて生き返らせたんだ」

「き、貴様…よくもぬけぬけと…」

「さて、そろそろ決着を着けますか」

 卓生はスピリット・スパーダを上に掲げた。

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