第2章ー6「卓生の能力」
だいぶ投稿が遅れてしまいすみません。
ここから2章の後半戦になります。
「おらぁ!」
「がっ...な、なに...?」
卓生の拳がソウルに命中した。ソウルは以外なことにかなりのダメージを受けた。
「何故、そんなパワーが...?」
「俺はな。以前ヤンキーに囲まれた時、気がついたら意識がない状態でヤンキーを血まみれにボコボコにしたことがあるんだぜ。だから、その暴走状態をなんとか自分のものにすれば、お前なんて簡単に倒せるってことだぜ
「な、舐めるなぁぁぁぁぁぁ!」
ソウルは卓生に突っ込んでいった。
「おっと。どうやらお前の方がコントロールできてないらしいな」
卓生はソウルの剣を紙一重で避けた。
「人の魂や能力を取り込むことでしか強くなれないお前のような悪霊が俺たちに勝てるわけない」
「き、貴様!」
「ガードフォール!」
卓生はサーニャの魔法指輪を使った。
「ふっ、貴様だって 人の能力を使ってるじゃないか。私とやってることは変わらん」
「違う!」
「?」
「俺はどうやら無意識に仲間への思いを能力に変えてるらしい。だから」
「なに!?」
「ただ能力をコピーするんじゃなくて、更に強くするんだ!」
「な、スピリット・スパーダが効かないだと...!?」
サーニャのガードフォールを破ったスピリット・スパーダだったが、卓生のガードフォールは破れず、弾かれてしまった。
「何故...?」
「言っただろ。能力を更に強くするって」
ソウルは焦りの表情、卓生は余裕の表情をしていた。
「後2回ほど、攻撃してみろよ」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ソウルは卓生の挑発に乗り、剣を振った。しかし
「くそっ...!」
再び弾かれてしまった。
「だが、後1回だと確実に破れるはず...その隙に攻撃だ!」
ソウルは全力を賭けてガードフォールをもう一度攻撃した。そして、彼の予想通り破れた。しかし
「よし!後は...ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
破れて隙ができるどころか破片が一斉にソウルに襲いかかった。
「く、くそぉ...」
「どうしたソウルさん? だいぶ焦ってますよ?」
卓生は少しだけソウルを煽った。
「そして、こいつも見て欲しいな。生まれよ...新しい武器よ...」
卓生は両手を合わせ、念じた。
「なっ...これはまさか...」
「そうだよ。お前が取り込んだキョウの能力さ」
卓生の両手から剣が生産された。
「ふっ、だがさっき貴様の剣はバラバラに折れただろ。またバラバラに折ればいいだけの話さ。それに、そのキョウって女は雑...」
「はぁっ!」
「ぐっ...不意打ちは卑怯だぞ...」
「話が長いんだよ。ゲームとかラノベの敵役って本当に話が長いんだよな...全く、嫌になっちゃうぜ!」
「くっ...」
卓生とソウル。2人の剣がぶつかり合った。
「それに、キョウは男だよ!」
「なっ...」
卓生が振った剣により、スピリット・スパーダが飛び、ソウルの手元から離れてしまった。
「よし、あとはこの剣を壊せば!」
卓生がサーニャの魔法指輪を使い、手元から離れたスピリット・スパーダを攻撃しようとしたが
「...なんてな。我が手元に戻れ」
ソウルが念じた途端、スピリット・スパーダがまるでブーメランのように彼の手元へ戻ってきた。
「なんだと!?」
「私の剣は何があっても私から離れることはないのだ」
「ちっ...こいつからスピリット・スパーダを引き離すことは難しいな...」
「さて、貴様はどうする? 私から剣を取ることはできないぞ」
「だったら、お前を倒すのみだ!」
卓生は炎のリングを使い、自分の剣に向かって炎を出した。
「自分の武器に技を出すとか、貴様は一体何をしてるのだ?」
ソウルは卓生の言動を笑いながら見ていた。
「これで、俺の武器のパワーは上がった」
「は?」
卓生は炎を纏った剣をソウルに見せた。
「ふっ、忘れたのか? 私は魂を取り込んだ者の能力を出せるってな。そんなただメラメラ燃えてるだけの剣なんて、あのパーカー女の水魔法だけで消すことができる」
ソウルはそう言って両手から水魔法を出した。
「さぁ、くらえ! 私のワーサーブレイクを!」
ソウルの技が卓生の剣に命中した。
「やったぜ!」
ソウルは優越感に浸っていたが...
「俺の剣はお前の技程度では炎は消えない」
「なに!?」
卓生の剣の炎は消えていなかった。それどころか、炎の勢いは強くなっていた。
「お前はただ魂を取り込んだ奴の能力をコピーしてるだけに過ぎない。俺の場合は、さっき言ったと思うが更に能力を強くするんだぜ?」
「くっ...」
「さぁ、今度は俺の番だぜ。くらえ、フレイムソード!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
卓生の剣はソウルに見事に命中した。
「く、くそ...私はこの剣さえあれば負けるはずはない...だが、今のままでは私はこの男には勝てない...」
ソウルは卓生の圧倒的実力の前に少し弱気になっていた。
「ん...」
その時、気絶していたラファが目を覚ました。
「ラファ! 大丈夫だったか?」
卓生は遠くにいたが、ラファの目が覚ましたのに気づいたようである。
「あの女はこの男の仲間か...ふっ、いいこと思いついた...」
「は? なにがだよ」
「お前に勝てる方法をなぁ!」
ソウルはそう言い、卓生から勢いよく離れた。そして、彼はラファに向かって突っ込んでいった。
「なっ...!」
「ふっ、こうすればこの男はこいつを庇うに違いない...」
ソウルがラファを狙ったのは、彼女を餌に卓生を倒そうと言う作戦だったのだ。
「くっ、卑怯だぞソウル・ヴァルキュリア!」
卓生はソウルとは別方向からラファの元へ向かった。
「ラファ逃げろ! 危ない!」
卓生はラファに逃げることを促した。しかし
「タクオくん。ごめん...私、あの剣を見たせいで動けないみたい...」
「はっ...」
ラファはスピリット・スパーダの影響で動けないでいた。卓生はあの剣では自分は特に害がなかったため、そのことを忘れてしまっていた。
「くっ、くそぉ!」
「ふっ、やっと来たかよヒーロー様よぉ!」
「がっ...」
卓生はとうとうスピリット・スパーダに刺されてしまった。
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ラファはあまりの恐ろしさに悲鳴を上げた。
「ラファ...お前は逃げろ。こいつに魂を取り込まれる前にな...」
卓生はそう言い残し、意識を失った。




