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第2章ー5「ソウル・ヴァルキュリア」

(とはいえ、俺が本格的に使えるのは格闘スキルだけだ。それに、迂闊に近づいたりでもしたら、魂を取りこまれてしまう恐れもある…)

 卓生は格闘スキルをそこまで使わずにソウルを倒す方法を考えていた。その時、彼はあるものを見つけた。

「あれは…キョウの使っていた…」

 卓生はキョウの使っていた剣を見つけた。

「一か八かだな!」

 卓生はキョウの剣を拾った。

「さぁ、勝負だ。ソウル!」

「ふっ、その程度の剣で私を倒せるとでも?」

「舐めるんじゃねぇ!」

 卓生はソウルの挑発に乗り、彼に攻撃をした。

「…!?」

「その攻撃は一体何だ? なにも感じない。痛みどころかかゆみすらも感じないな…」

 卓生の放った剣はソウルに一切効かなかった。

「な…!?」

「次は私の番だ。せいっ!」

「け、剣が…!」

 ソウルがスピリート・スパーダを一振りした。その攻撃により、卓生の剣は木端微塵に砕け散った。

「さぁ、貴様の魂を頂戴しよう」

「だあああああ!」

「がっ…何…!?」

 卓生は脊髄反射でソウルの腹に格闘スキルをおみまいした。この攻撃により、ソウルは軽く吹っ飛ばされた。

「よし、隙ができた。もう一発!」

 卓生はソウルに追撃を仕掛けた。

「ぐはっ…な…」

「どうだ? 俺の格闘スキルは!」

「ふっ…そこそこだな。だが、多数の魂を取りこんだ私に勝てるはずがない…」

「まだそんなこと言ってんのか!? まだまだ攻撃をするぜ!」

 卓生は更にソウルに攻撃を仕掛けようとした。その時

「水のリングよ…我に力を…」

「!?」

「ワーサーブレイク!」

「ぐあああああああ!」

「ふっ…」

 ソウルの剣から、大量の水がでてきた。その水は見事に卓生に命中した。

「これは…サーニャのスキルじゃねぇか。どうしてお前が…」

「言っただろ? 私は多数の魂を取りこんだと。私が魂を取りこむと、その取りこんだやつらの能力がこの剣に反映するのだ。つまり、今の私は最強の一歩手前ってところだ。そして、貴様の魂さえ取り込めば、私は正真正銘最強の戦士になるということだ」

「なんだよそれ…そんなのただのチ―トじゃねぇか!」

 卓生はソウルに再び攻撃をしかけた。しかし

「炎のリングよ。我に力を。バーニングフォース!」

 ソウルは再びサーニャのスキルを使った。

「こんなもん! アームシールド!」

 卓生は自分の防御技で辛うじて攻撃を封じた。

「ふっ、自分の格闘スキルを生かした防御技か…中々いい味を出している…」

「褒め言葉ありがとうよ。だが、俺はそんなことより、お前から俺の仲間を取り戻さなきゃならないんだよ」

 卓生は拳を地面に叩きつけた。その途端、地震が起きた。

「なんだこの揺れは!?」

「俺の格闘スキルを甘く見るなよ」

「だが、そんなもの、地面に着かなければ問題なしだ」

 ソウルが剣を上に掲げた途端、彼の身体は浮かんだ。

「ははははは。これで私の勝ちだな…!? いない!?」

 なんと、ソウルの目の前から卓生が消えていた。

「どこだ!?」

「俺はここにいるぜ」

 なんと、卓生は倒れているサーニャの側にいた。

「貴様! その抜けがらをどうするつもりだ!? まさかおとりに使うつもりか!?」

「俺が相棒をおとりに使うわけないだろ! こうするんだよ」

 卓生はサーニャのパーカーのポケットに手を突っ込み、あるものを取りだした。

「ま、まさか!?」

「その、まさかさ」

 なんと、卓生はサーニャの魔法指輪を使おうとしていた。

「ふん。だが、そう簡単に人のスキルを使いこなせるか? 人のスキルを使いこなせるのは私くらいなんだぞ」

 ソウルは動揺しつつも平静を装っていた。

「そんなもんはやってみないと分からないぜ。草のリングよ。我に力を!」

 卓生が草の魔法指輪をハメ、念じた途端、地面からツタがでてきた。

「よし! サーニャと同じ技を使える!」

「な…!?」

「イ―フイビント! あの男を縛りつけろ!」

 卓生が指示をし、ツタはソウルを縛りつけようとした。

「だが、技を使えるだけじゃ意味はない」

 ソウルが剣を一振りした。そして、ツタは溶けるように消えていった。

「なに…!?」

「というか、ぶっちゃけお前の弱いお友達の技とかは別にいらないんだよね。この私が使っている最強の剣さえあれば、貴様なんか一網打尽にできるからな」

「…お前、今なんと言った? よく聞こえなかったから、もう1回言ってくれ」

「聞こえなかったのかよ? だーかーらー、お前の弱いお仲間さんって言ったんだよ」

「そうか…」

 卓生は一瞬だけ冷静になっていたが…

「お前、俺の相棒を馬鹿にしやがったな。俺の大切な人を汚すのはこの俺が許さん! 俺がお前に血の雨をおみまいしてやる!」

 卓生の目が怒りによって青くなった。そして、髪にも変化が起こっていた。彼の前髪の一部だけ青くなっていた。

(そういや、俺みたいにこの世界に送られたやつはSNSでの言動が反映されたことが能力として反映されるとか言ってたな…なら、それを最大限に生かすのみだぜ!)

 卓生は自分の力を有意義に使うと決意した。

「暴走状態のお前に何ができる? ただ、いたずらにスキルを爆発させているだけじゃ、私に勝つことはできないぞ。ま、例えまともに攻撃ができたとしても、私に勝つことは到底無理だがな」

「そう思っていられるのも今の内だぜソウル。意識のない暴走状態を乗り越えてこそが本当のイキリオタクってもんだぜ」

 卓生は髪を掻き上げ、ソウルを睨みつけた。

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