プロローグ 電脳世界のイキリオタク
キリイ@オタクは神『俺、オタクだけど彼女とかいるしwwwこの前、DQNに絡まれた時、気が付いたら意識なくて暴走して、DQNが血まみれで倒れていたしwwww因みに、俺の彼女は凄く美少女で、俺にはもったいないくらいだぜwwww』
ゆーいち@リア充『こういうこと言うやつがいるからオタクがキモいとか言われるんだよな…』
キリイ@オタクは神『お前、オタクを馬鹿にしやがったな。日本の誇りであるオタクを汚すとは、お前の住所特定してやるぞ。これ以上馬鹿にしたら殺してやる』
ゅり『ォタクとかまぢきしょいゎら』
キリイ@オタクは神『お前の喋り方の方がキモいぞ。オタクはキモくなんかない。なにせ経済を回しているからな。それに、俺は成績優秀でスポーツ万能なのだ!』
※
「ふう~オタクを馬鹿にするやつらはやはり生かしてはおけんな」
殺風景な狭い部屋で一人の少年がツイッタ―をしていた。彼の名前は桐井卓生。黒いジャージを着た13歳の中学生である。彼はオタクであるが、アニメの知識などはそんなになく、ネットで粋がりオタクを馬鹿にされると怒り狂う。言ってしまえば彼はイキリオタクという種族なのだ。ネットでは彼女がいるという設定であるが、実際にはおらず、更に不良より強いというわけではない。卓生はただの引きこもりであり、ネットに書いてあることは全て彼の妄想…もとい嘘なのである。
「はぁ…ツイートをしてるときは気持ちいいが、その後は虚しいな…まぁいいか。アニメ見るか」
卓生はインターネットで『アニメ 動画』と検索した。そう、彼は違法サイトでアニメを見ているのだ。しかし
「はぁ!? 閉鎖だと!?」
違法サイトは閉鎖されていたのだ。数日前の6月10日に摘発され、いつのまにかサイトが見られなくなっていたのだ。
「ふざけんなよ…せっかく金払わずにアニメ見ていたのに…しかも6月って…ただでさえ雨振りまくりで祝日のない6月に閉鎖って…」
卓生はキーボートをぶったたき、悔しさを露わにしていた。尚、彼は雨が降ることや祝日がない6月に不満があるようだが、引きこもりの彼にとっては一切関係のない話である。
「しかたねえ、漫画を読むか。タダで」
次に卓生は違法漫画サイトを検索し、アクセスしようとした。しかし
「うわあああああああ! こっちも閉鎖か!」
漫画サイトも閉鎖されていた。こちらもアニメサイトと同じく、摘発されていたのだ。
「…仕方ねえ、ツイッタ―でアニメ画像投稿して、RT数でも稼ぐか」
卓生は再びツイッタ―を開いた。
「ん? DMが届いてる」
卓生のアカウントにDMが届いていた。
「おかしいな。俺のアカウントは相互フォローじゃないとDM届かない設定にしてるはずなんだけどな…」
卓生のアカウントのフォロー数は1万を超えているが、卓生自身は誰もフォローしていない。理由は、優越感に浸りたいという理由である。
卓生が確認したDMにはこんなことが書いてあった。
『あなたがいつもツイッタ―で呟いていることは本当のことですか?』
「…どういう意味だ? ツイッタ―でいつも呟いていること…?」
卓生は首をかしげたが、すぐに意味が分かった。
「なるほど…DQN返り討ちとか彼女いるとか成績優秀だとか、それらのことが本当のことなのか聞いてきたわけか…」
卓生はDMの文章を睨み付けながら返信の文章を打ちこんだ。
『もちろん本当のことさ。もしかしてお前、この俺を疑っているのか? ふざけやがって』
「これでよし」
文章を打ち終わった卓生が送信したその時、パソコンの画面が光りだした。
「うわっ! なんだこの光は!?」
卓生は突然のできごとに驚いた。そして
「なんだこれ…まるで、吸い込まれるみたいだ…うわああああああああああああ!」
なんと卓生はパソコンの中に吸い込まれた。
※
「はぁ…はぁ…」
黒いパーカ―を着ているサイドテールの少女が走っていた。
「流石に撒いたか…」
少女は後ろを確認した。
「それにしても…なんで出かけただけでこんな目に遭うんだろう…それに、最近裏で怪しい実験が行われているって噂があるみたいだし…どうなるんだろうな…」
少女は塞ぎこみ、ため息をついた。その時
「いたぞ!」
「追え!」
「げっ、やば…」
少女は追手に見つかり、再び逃げた。




