命の担い人
死してなお、残された者に重くのしかかる“命の重さ”がある。
元・狩人のレイベルは、かつて共に戦った仲間・メイビスを喪った過去を引きずりながら、鍛冶師として静かな日々を送っていた。命を奪う者としての責任から逃れ、それでもメイビスの思いを捨てきれなかった。
しかし、異常発生した強力なモンスター“セルセム級”の襲来。かつての知人クレーンとの再会。そして、メイビスの息子と名乗るマークとの会合。
胸に残る未練と、過去の言葉がレイベルを再び狩人としての道へと揺さぶる。
「命の価値に、優劣なんてない——」
そう語っていたメイビスの信念を思い出しながら、レイベルは狩人として再び命と向き合う決意を固める。過去に縋るのではない。信じた想いを受け継ぐために。
これは、“奪う命”の重さと、“背負う命”の意味を問い直す、静かで深いダークファンタジー。