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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第一章
8/107

視線を絡めて

 一向に回復する様子のないハンスを、その場に残し…私は式場に入りましたの。

  生徒会長である、ブルーテスお兄様の祝辞がありますもの!これを聞き逃すなんて愚の骨頂!愚か者の為す事ですわ!


 見目も麗しく、気品溢れ、慈愛に満ちたお兄様。それはもう、ご令嬢どころか子息達…学園の皆の憧れの的でしてよ!私がヒロインでしたら、俺様王子や陰険宰相候補、その他云々な攻略対象なんてほっぽって、まっしぐらにお兄様ルートへ突き進みますわ!ブルーテス1択!それ以外有り得ませんもの!!


まぁ、もしヒロインが私のお兄様を攻略しようと為さるのでしたら…そうね…血の雨が降りますわね…。


 (私の次に)顔が良くて、(私と同じように)心清らかで優しく、ちょっと天然で、うっかりドジが比護欲をそそり、魔法の才能も溢れ、(私と違って)運営天に愛されてる程度で、私のお兄様と釣り合う等と思い上がらない事よ!


ーって完璧じゃないの!殿方の理想の権現でなくて!?大概の男が絆されてしまうわ!私のお兄様が、そんなチョロく攻略なんてされないと思いますけど…私がちょっと泣いたり甘えたりするだけで、慌てたり、デレデレに顔を緩め、これでもかと甘やかす、チョロテスだなんて思ってませんけど…なんて事なの!?絶望よ!顔以外、勝てる気がしないわ!


それでもお兄様は、渡さないわよ!ラスボスは、私よ!ヒロイン貴女なんて、そこいらの攻略対象イケメンで満足なさればいいのだわ!逆ハーを作りたいのでしたら、協力して差し上げてもよくってよ!ただし、お兄様は除く!


あっあとハンスもダメよ。人当たりの良い、そこそこのイケメンですけど、私が攻略中なのですわ!横恋慕なんてしてきたら、全面戦争待ったなし!でしてよ!


 ーって、そういえばヒロインも、今式場ここにいる筈なのよね?一体何処にいるのかしら?


そう思い、何気なく辺りに目を配らせてみましたの…。確か、ピンクの髪に緑色の目をした、小動物のようなご令嬢…。


でも残念ね…キョロキョロと見回してみたのだけれど、それらしき人物を、確認する事はできなかったわ。


その代わり…とっても嫌な人物と目が合ってしまいましたの…というか、式場に入った瞬間から、刺さるような視線を感じてましたのよ…。



  目が合った瞬間、親の敵でも見つけたかのように、燃え盛るような赤い瞳を爛々と見開き(というか、心なしか燃えてたような…横にいた男子生徒が、うんざりした顔をしながら、冷却魔法を使用しているようでしたわ。)、私を食い入るように見つめていらしたの。


そんなにお嫌いでしたら、目に入れなければ宜しいのに…。


あまり見つめないでいただけるかしら…貴方の視線は、心理衛生上好ましくありませんわ。物理的にも熱くってよ!視線に炎魔法を絡ませるなんて…嫌がらせも年季の入ったものね!何度この美しい金糸の髪が、プスプスと焦げ付きかけたか!


オズワルド第一皇子…。


そういえば、この方もアルファフォリスここの生徒でしたわね…。


この一年。貴方の襲来がなくて、ついうっかり忘れていましたわ。


  先に入学してるのですもの…学園に通っていたら、襲来も減りますわよね!何故忘れていらしたの!何故気付かなかったのですか!私!


あまりに鬱陶しい視線に、キッ!っと目を吊り上げ睨み返して差し上げましたわ。


いいでしょう。オズワルド皇子。貴方との戦いの火蓋も、また切って落とされましたのね…。私、負けませんわよ。


その目に優しくない、赤々しい髪が抜け落ちるよう、呪いを込めて見つめて差し上げてよ!




ーあら?呪いが通じたのかしら?顔をひきつらせ、慌てて背けましたわ?


隣の男も何故か慌てて、あからさまに氷結魔法を赤毛の頭に降り注いでいますわね?


私、邪眼まで取得したのかしら?

流石ヴィクトリア・アクヤック。視線で敵を落とすとは!

天晴れですわ!


オーッホッホッホッ!


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