横暴ですわ!
「ちゃんと確認して署名しないと・・・・・・君・・・・・・今頃僕の婚約者だよ?」
震える私の耳元で、悪魔が艶めかしく囁きますわ。
やめて!グレイ様のその囁きは、ゾワゾワきますのよ!
「あーでも。失敗したなー」
自身の顎に手をあて、グレイ様が顔を顰めますわ。失敗した?何を?
「入部届けじゃなく、婚約書類にしとけばよかったな・・・・」
ちょっと!真剣な顔で何を仰ってますの!?
「私・・・・・・悪魔と生涯契約を結ぶ気は、なくってよ!!」
恐ろしい事を真顔で仰らないで頂戴!
貴方だけは、ありませんわ!
貴方と婚約なんて、有り得なくってよ!
天と地がひっくり返っても有り得ませんわ!!
「そう?僕なら君の望みを何でも叶えてあげれるよ?試しに契約してみない?」
微笑を称え甘く囁くその姿!
悪魔にしか見えませんわーーーー!!
「代償にナニを要求されるか、わかったもんじゃありませんわ!丁重にお断りさせていただきますわ!!」
「また振られた。残念」
くすくすと愉しそうに笑っていう台詞ではありませんわよ。
貴方・・・・本当に性格が歪んでますわね!
「グレイ!貴様!ヴィクトリアと婚約を結ぶのは俺様だと!」
「結びませんわよ」
「いや、だからお前を屈服させるのは俺様で・・・・・・」
「無理ですわ」
「ぐぬぬっ。クソっっ!しかしいつか必ず!」
どさくさに紛れて、何を仰っているのかしら。
本当に執拗いですわね。私なんかに執着なさらず、もっと広い目で周りを見るべきですわよ?未来の王が、そんな事でどうしますの?オズワルド皇子。
「因みに、BМRという部活です。此処にいる者がメンバーですよ。お嬢様」
ハンスが教えてくれましたわ。
「BMR?」
なんですの?それ。
何処かで聞いた事があるような?
「ブレイヴァル・ミスティック・ラパーチェット。それぞれの頭文字だ!「勇敢」「探求」「博愛」の精神を元に、自由にやりたいことをやるクラブだ!いい名だろう!」
首を捻る私に、オズワルド皇子はドヤ顔で話し
てきましたわ。
「それって、寮の名前と信念では・・・・」
学園にある三つの寮の名前じゃありませんの・・・・
「仕方ないよ。オズは名前決め苦手な癖に、自分が決める!って譲らなかったんだから」
やれやれといった感じでグレイ様が仰りましたわ。名前を決めたのがオズワルド皇子ですのね。ーという事は、オズワルド皇子が設立者ですの?
「去年は、僕ら二人だったんだよね。創るだけ創って、オズは満足しちゃうし・・・・」
「いや、そもそもお前が入部希望者を試験#悉く振るい落とすからだろう!?たった二人で何をするっていうんだ!!」
「だって、面倒くさいじゃない。王族との繋がり目当てや、恋愛目的での入部希望者だなんて。碌な活動ができると思わないし」
「なら、私達にも試験を・・・・」
そして、私は退部致しますわ。
オズワルド皇子にグレイ様おまけにレオニダス・・・・・・まともな活動ができると思わなくってよ。
何より、がっつり攻略対象と関わってしまうじゃありませんの!
「俺様が入れたい奴に、何故試験をする必要がある?」
あーもう!この俺様気質!
どうにかなりませんの!?
「この面子の何が不満なんだ?嫌な奴がいるわけでもないだろ?」
レオニダスの言葉に、思わずオズワルド皇子とグレイ様を見てしまいますわ。
「なんだ?ヴィクトリア。俺様に見惚れているのか?」
「ふふふ。君って本当にわかりやすいね」
ええ。私、裏表のない素直なところが美徳ですの。
閲覧ありがとうございます。
悪魔と契約だなんて・・・・洒落になりません。




