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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第二章
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罪と罰則3

 温室に少し、焦げ臭い匂いが漂いますわ。溜息を付きながら、オズワルド皇子の頭に雪を降らせるグレイ様。


「発火とかしないでよね?オズ。ここでボヤ騒ぎは、洒落にならないから」


「だっ大丈夫だ!発火などしない!」


ムッとしながら返すオズワルド皇子の近くで、あからさまに顔を顰め腕組みをするフィロス。



「そうよ。罰則からは、やっと今日で解放されるのに延長なんてやめてよね。馬鹿皇子!」


 フィロス、貴女さすがにそれはだめよ!?思っていても言ってはならない言葉ってあるのよ??


「なっ!?誰が馬鹿だと!?」

「えっそれもわからないの!?皇子は、ここに一人しかいないでしょ?大体ちょっと興奮しただけでボヤ騒ぎを起こすようなお馬鹿って…あなたしかいないと思うけど?」


 また始まりましたわ・・・・。貴方達は何故こうも、顔を合わせる度に喧嘩になりますの?


「言わせておけば・・・・・・消し炭にしてやろうか!このセクハラ女!」

「はぁー?貴方にセクハラなんてした覚えないけどー?」

「当たり前だ!貴様如きに俺様が触れられると思うな!俺様がいっているのは、ヴィクトリアに対してのお前の行動だー!!」

「なぁにー?それって羨ましいから?男の嫉妬程、みっともないのよ?悔しかったら皇子もヴィーちゃんに触ればー?」


 フィロスの言葉に、わなわなと怒りを顕にし右手を掲げるオズワルド皇子。不味いわ!それは非常に不味い!!


「ちょっと!魔法はお辞めになって!」

「やだー。怖ーい。ヴィーちゃん助けてー」


庇う私に、フィロスが怯えて抱き着いてきますわ。

本当に何を考えてらして!?

女の子を魔法で脅すなんて…


「うふふ。ヴィーちゃんって柔らかくていい匂いがするー。気持ちいいー」

「ひゃっ!フィロス!また貴女、変な所を!やっ!だめよそこは!?」


フィロス!!貴女怯えて震えてたのではなくて!?


「だから!ヴィクトリアに気安く触るな!この阿婆擦れが!!」

「やーだよー。これは、私の特権だもーん。クラスも部屋も一緒~。羨ましいでしょーへへーん。貴方は、男だもんねー。こんな風にできなくて悔しい?ねぇ悔しい?今、どんな気持ち?」


 私の後ろで、べろべろばーっとオズワルド皇子を挑発するフィロス・・・・えっと・・・・ヒロインと攻略対象・・・・よね?貴方達。


「フィロス。いい加減にしろよー。オズを挑発するなってー。此処を火の海にしたいのかよ。それこそ罰則延長確定だぞ?部活動ならまだしも・・・・反省文とか俺苦手なんだからなー」


「そうだよ、フィロスちゃん。オズワルド先輩をこれ以上怒らせないで。ねっ。ねっ?」


レオニダスとルビアナが、慌てて止めに入りますわ。



 何故ヒロインと攻略対象が、こうもいがみ合うの?

おかしいわ。おかしい・・・・

険悪な仲が、やがて愛に発展するストーリーなのかしら?


私の役どころは?


この二週間、仲が深まる所か溝が深まっていますわよ?


運営()の考えている事が、まったくもってわかりませんわ・・・・。




◆◆◆





「ハンス。君はいいの?止めなくて」


少し離れた場所で、ハンスとグレイは四人の様子を眺める。


「ルビアナ嬢とレオが止めに入っただろ。俺まで行く必要はないと思うが?」


「・・・・やり過ぎだと思わない?」


「あぁ、確かにオズワルドは、もう少し心に余裕を持つべきだな。まぁ、まだ14だし・・・・仕方ないだろ」


苦笑するハンスを、グレイは掴み所のない顔で見る。


「気にするのは、そこじゃないと思うけど」

「ん?何がだ?」





「・・・・大人ぶって余裕かましていると、思わぬ所で痛い目みるよ?後悔するのはハンスだと思うけど」



「それは、どーいう意味だ?グレイ」


「傍で居られるからって、自分がいつまでも【一番でいられる】なんて思ってたら・・・・危ないよって話」



目を細め笑うグレイに、ハンスは黙り込む。




ー後悔なんてしないさ。

俺は、一番じゃなくていい。

お嬢様が幸せならそれで・・・・




ハンスは、わいわいと騒ぐ四人を見つめ、小さく呟いた。







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