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転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
第一章
4/107

嫌なものは嫌ですわ!

 あれから一年。私は6歳になりましたわ。


 私の華麗なる脱悪役令嬢計画は、あまり芳しい成果を伴っていませんの……。


 なんというか、とてもふわふわした計画だったわ。


 私、気付いてしまったの……。


 そもそも悪役令嬢って何なのです?金髪ドリルにつり目のハイスペック美女。ボンキュッボンで、色んな殿方に恋慕する…でしたかしら?


 婚約者の皇子ルートで、でしゃばるのは理解できますわ。しかし、腹黒ドSな宰相候補ルートや根暗引きこもり魔術師ルート、筋肉お馬鹿な騎士ルートまで活躍するなんて、どんなアバズレですの!?っ思わず淑女にあるまじき、汚い言葉を吐いてしまいましてよ!?

 

 あり得ませんわー。私……イケメンには其処まで興味ありませんもの。私含め、身内が美麗すぎて目が慣れきっておりますのよ?ただのイケメンには、興味を持てません。断言できますわ!それとも何かしら、攻略対象なだけに中身が面白いのかしら?


 俺様は、無理ね。私、衝突する気満々ですわ。 

 その無駄にたっかい鼻っ柱を、ボキッとへし折って差し上げたくなりますもの。皇子の硝子のハートを砕き踏みつけ、粉っごなの粒子へと、見事に変貌させて見せますわ!


 ドSもあり得ない。寧ろ私がS属性。S極とS極では、反発し合うので、永遠に交わる事はないでしょう。さようなら。


 根暗とお馬鹿は……面倒ね。私、怠け者の悪役令嬢を目指していますの。スローガンは、低コストで最コスパ。引きこもりを改善したり、お馬鹿を矯正なんてめんどくさい事は、慈悲深いヒロイン様に熨斗を付きで押し付けて差し上げてよ!!


オーッホッホッホッホッホ!


  ー性格悪いわ……私。自覚してるだけましかしら。はぁ……何処に落っことしたのかしら、謙虚さを。


 拾われた方は、ヴィクトリアちゃんまでお届け下さいませ。誠心誠意を持ってお礼申し上げますわ。素直さに関しては……そうね。己が欲望に向けて、とても素直に成長してると自分でも思うわ。ふふふ。


 だってしょうがないじゃない!?嫌な事は、嫌ですもの!嫌いな相手に、うっすい笑顔張り付けて能面笑いなんて芸当、私にできる筈ないじゃないですの!?


 意地悪言われて、泣いて大人しくするなんて……私には無理よ!右の頬を叩かれたら、左の頬を差し出せ?そんな事されたら、捻りと回転をかけながら、扇子で相手の横っ面をバチコーンと叩いてやりますわ!それも両面をね!!


 ええ……先日やらかしてしまいましたのよ。私。お兄様のお誕生日のパーティーで。やけにえっらそうにしてた赤毛のガキにムカついて。ホストの顔に泥を塗りたくり、悪目立ちしてたくそガキに切れて、苦言をていしてやったのですわ。 「なぜこんな所に、山猿が紛れているのかしら?」と。


「お前!不敬だぞ!」とその猿が喚くので、


「あら、人語がわかりましたのね?あまりに躾のなっていないご様子でしたので、てっきり何方かがお連れになられたペットかと…いえ、それではペットに失礼ですわね」

「今日は、お兄様のお誕生日パーティーなのですわ。それを騒々しく騒ぎ立て、台無しになさる貴方を、私はお客様だと認めません!お祝いなさるお気持ちがあるなら、最低限の礼儀と敬意を身につけてからいらして!!」


っと怒りに身を任せ叱咤したのです。


ーパン!


 山猿は、顔を真っ赤にして私の頬をぶちましたの。ええ。痛かったですわ!とても痛かった!お兄様にも打ぶたれた事ないのに!!


 私を打った山猿は、一瞬動きを止め、表情を強張らせましたの。きっと私が泣くと思ったのですわね。ふふふ。私、そんな可愛らしい性格の持ち主でなくてよ?ヴィクトリア・アクヤック!プライド高い、悪役令嬢ですもの!!


 奴が怯んだその隙に、捻りと回転をかけ、扇子でバチコーンとはたき倒してやりましたわ!!勿論両面を!!

 

 倒れ込む山猿と勝利を確信する私。周りで慌てふためく大人達に、顔面蒼白な子ども達……。


 その後、その赤毛の山猿が、オズワルド皇子その人だと知った時、私は魂が抜け出るという貴重な体験しましたわー。


 オーマイゴット!

  神は、私を見捨てたもうた!!



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