表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画   作者: 一花八華
執事ハンスの受難
PR
100/107

好きではありません

 やってしまった。


あろう事か、お嬢様に「捨てないでくれ」っと哀願してしまった。


泣きながら。


大の男が・・・・少女に縋りついて・・・・捨てないで・・・・。っと



 捨てられるのが嫌で、俺はとんでもない痴態をお嬢様に(・・・・)晒してしまった。常に大人で・・・・完璧を心掛けてきた【執事】な俺が、壊れた。ガラガラと音を立てて・・・・【執事のハンス】が崩壊した。





死ぬ。


死ねる。


いや、死にたい。


誰か!ひとおもいに()ってくれ!





息も絶え絶え・・・・死に体な俺に・・・・お嬢様は、容赦なく止めを刺した。





「ハンスはルビアナと付き合っているのよね?」



 付き合ってる俺達の邪魔になりたくない。だから傍にいるのが辛い。執事を辞めて欲しい。と


 意味がわからない。お嬢様の仰る言語が理解不能だ。お嬢様は、一体何語を喋られているのだろうか?猛烈に頭が痛い。痛む頭を抱えて翻訳に努めた。



 お嬢様が仰るには、俺とルビアナ嬢は好きあっていて、付き合っているらしい。アルテでデートを見かけた。ルビアナ嬢にも確認をとった。・・・・と。


アルテ・・・・あー・・・・なるほど。

あの日か。

ルーファ(・・・・)つきそい(・・・・)で、ルビアナ嬢を含めて街に出たあの日か・・・・。街で見かけて、思い込んで、暴走して・・・・今に至ると・・・・。

なるほどなー・・・・。



 ルーファの申し出に応えたせいで、こうなってるのか。あの時、ルーファでなくお嬢様を優先していれば、誤解を産むこともなかったのか?いや、ルーファの希望なんて聞かず、ルビアナ嬢とアルテに行かなければよかったわけだ!!


 お嬢様に、ルビアナ嬢に対する好意について説明する。好きじゃないと言っても多分信じてもらえない。ならその種類を伝えた方が、まだ納得するだろう。ついでにルーファも巻き込んで、誤解を徹底的に解く。




【執事】を解雇されてたまるか。


これは、俺の居場所だ。


お嬢様を隣で見守るのは、俺の特権だ。


誰にもやらない。


譲るつもりもない。




今回の件で、己の闇を自覚する。


 病みすぎだろ。俺は歪んでる。お嬢様には相応しくない。きっと彼女を不幸にする。俺が傍に居ない方がいいのは、わかっている。お嬢様の入学が決まり、離れる事になった時・・・・ホッとしたんだ。距離ができれば、心も離れると・・・・でも、手遅れだ。気がおかしくなる程、お嬢様に執着している。お嬢様の【執事】でいたい。【執事】でいれば、傍に居られる。


こうやって・・・・お嬢様の髪に触れられるのも・・・・執事でいるからだ。



 お嬢様の為に作ったバレッタ。完成品をルーファ伝いに受け取った。喜ばせたくて内緒にしていたが、結果的にお嬢様を悲しませた事に胸が苦しくなる。


バレッタを付ける為、お嬢様の金色の髪を手に取る。白いうなじが見え、胸の鼓動が速まる。



・・・・思わず。口付けていた。




お嬢様の髪に。



「・・・・ん。」


お嬢様が身動(みじろ)ぎ、慌ててバレッタを留める。


何をやってるんだ・・・・俺は・・・・本当に・・・・。


こんなのバレたら、今度こそ、お嬢様に嫌われてしまう。嫌われないように必死に隠す俺を、お嬢様は平気で煽ってくる。



「ハンスは、私の事好き?」


ため息が零れそうになる。好き?好き。好き・・・・。お嬢様は、俺に好きだと告げてくる。告げられる度に痛感する。


俺とお嬢様の想いは、似ているようで違うのだと。



俺は【好き】ではない。


【好き】で片付けられるような想いじゃない。



「私は、お嬢様は好きではありません。」



 好きでは、語れぬこの想い。貴女を不幸にしたいと想う程に、貴女の幸せを願いながら抱く感情。


だから、




「私は、お嬢様にその言葉は言いません。」




歪んだ俺の愛情は、心の奥底にそっと飲み込む。

心からお慕い申し上げます。




ずっと傍で・・・・

貴女を



愛しています



お嬢様。










■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□








ハンスside・・・・レクリエーションからの不運続きで、ハンス崩壊でした。

デレる前に病んでどうする!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ