異世界エレメンティア第5話までのあらすじと人物紹介
「異世界エレメンティア」これまでのあらすじ
学校からの帰り道、東藤しずかは不思議な黒猫を助けた拍子に謎の穴に落ちる。無限とも思える光苔のトンネルを落ち、魔法や予言が存在し多種多様な種族の生きる世界「エレメンティア」のアシの国に降り立った。
助けた黒猫に「しのん」と名付けたしずか。元の世界に帰るためには女王様の許可をもらい天龍の回廊を使わなければならない。女王はすべての謁見を拒否していたため、しのんは夜中にひっそりと忍び込んで女王に会い、事情を尋ねる。
天龍の回廊は、自由な研究のために地龍の回廊の開放を要求しているシュウザーブによって占拠されているのだった。かつて異世界との交流で得た知識と研究がエレメンティアに争いをもたらしたがゆえに封鎖されているというのに。
しずかが元の世界に帰るためには、無数の異世界へとつながる地龍の回廊を通り、元の世界を探すか、または魔法生物を従えるシュウザーブを倒し、天龍の回廊を使って帰るか。しかしシュウザーブを倒すためにも、地龍の回廊を使って異世界の力を借りる必要がある。
ひとまず異世界に渡ったふたりが出会ったのは、しずかが読んでいた小説に出てくる神竜・双樹。無邪気に協力を約束した双樹もともに旅をすることになる。
しずかを元の世界に帰すため――そして、エレメンティアがかつての悲劇を繰り返さないため、ふたりは迷いながらも異世界の旅を続ける。
【登場人物紹介】
・東藤しずか……このお話の主人公。背中まであるストレートの黒髪に銀縁眼鏡。弓道部所属。空想好きな前向き少女。長い説明は苦手。
・しのん……しずかをエレメンティアに連れてきた漆黒の毛並みに満月の瞳の黒猫。本名は「シエル・ノクターン」。女王にも面識があるなどその言動には謎が多い。
・ミランダ……心優しいアシの国の女王。
・シュウザーブ……アシ国立学校の研究者。現在は地龍の回廊の研究のために解放することを要求し、天龍の回廊へと立てこもっている。
・双樹……神竜族の少年。本来の姿は純白の竜だが、人の姿にもなることもできる。
【世界観・地名など】
・エレメンティア……陸と海の間にある世界。世界と世界をつなぐ鎖の輪のような存在。異世界への中間地点。
・アシの街……エレメンティアにあるアシの国のなかでも最大の街。中世ヨーロッパ風の純白の城をもち、堅牢な城壁に守られた城下町。
・天龍の回廊……アシの国の南にあり、地上(エレメンティアにおいては空)に続く塔。現在は魔法生物を従えたシュウザーブが占拠している。
・地龍の回廊……アシの国の北にある異世界へと続く塔。人間は女王の許可がなければ立ち入れないように封鎖されている。
・エレメンティアの魔法……心の中に思い描く力が魔法になる。思い描く力が強ければ媒介なくとも発動できるが、疲労が激しい。一般的には魔法陣や杖、魔道書などの媒介を使う。
・回廊封鎖の発端……かつて様々な異世界を旅して知識を積んだ研究者が編み出した錬金術。しかしそれを盗み悪用し人造人間を生成し、その過程で生まれた魔法生物達を従えた人間が現れ、争いが起きた。熾烈を極めた争いの果てに、女王は主犯を異世界への流刑に処し、以後回廊は封鎖された。