29/44
23話
言ってよかった。
あの時彼に言ってよかった。
鳴が協力してくれて、あの部屋以外のことを調べられるようになった。二人でこっそり教室を抜け出し、そして校内を渡り歩いた。カノジョといた、あの時と似たその時間は、私にとって毎日の楽しみにもなっていた。
さらにそれだけじゃない。彼から狐露、さらにあの後、藍貝も協力してくれることになった。二人だったのがあっという間に倍になったのだ。これだけいればカノジョのこともすぐにわかる。
確実に真実に近づいている。やっと、やっともうすぐカノジョのお願いを叶えられる――今までで一番の確証があった。
遅くなってごめんね。もうすぐ見つけるからね。
「だから待ってて!」