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時の巡廻人  作者: 美紀
1/1

第1廻:巡廻NO.775

萩原里香はぎわらりか

時の巡廻人じゅんかいにん随一ずいいちの巡廻人。

これまでに、過去のあやまちで現在、未来へと影響えいきょうおよぼしてしまったものを全てぜんし、現在、未来の問題をだれよりも多くに解決かいけつしたといわれる者なり。




巡廻じゅんかいNOナンバー.775、萩原里香。』


西暦27007年。時の巡廻人と言うものがいた。


「はい。」


『次はおよそ、2万5千年前の日本、東京へとけ。出来できるだけ早々《そうそう》に終わらせろ。でなければ地球ちきゅう滅亡めつぼうする。』


かしこまりました。霧生様きりゅうさま。」


『今はお前だけがたよりだ。かならもどってくるのだぞ。』


「当然ですわ。でわ、失礼致しつれいいたします。」


パタンととびらを閉めると、先程さきほど、霧生と言う男と話していた、萩原里香はふぅ、と溜息ためいきいた。


「さってと!行きますかな。」


言うと、里香りかは伸びをして、ある場所へと向った。



時間飛翔部屋タイムリープルーム


そう書かれたふだのぶら下がる扉を、コンコンッと二回叩たたいた。


「どーぞー」


扉の向こうから、男の声がすると、「しっつれいしまーす!」と、元気にこたえ、ガチャリと扉を開いた。


「まーた、お前か。里香。」


「ちっす!紫苑しおん。今度は2万5千年前ね!」


男の名は霧原紫苑きりはらしおん。巡廻人を過去や未来に送ると言う作業人だ。


本当ホントお前ってよく仕事回されるよな〜」


信頼しんらいされてるんだよ!あたし、ここじゃぁ、巡廻人随一の腕前うでまえだもん♪」


「だからって、あんま無理すんなよ?しくじるぜ。」


紫苑がそう言うと、里香は「だーいじょうぶ!」と満面まんめんの笑みで返した。


過去むこうに言い男がいたからって住み着くなよ?」


「あたしがそんなヘマするような人に見える?」


「だな、まずお前に寄ってくる男がいるわけねー」


「なんですってーー!!」


過去に行く時、二人はいつもこのような会話をしていた。

紫苑はいつもバカにしたような言い方をするが、じつところは心配しているのだ。

紫苑は今回行く場所を設定せっていしながら里香と話していた。


「よっし、準備完了じゅんびかんりょう☆じゃ、仕事終わったらパーッと話そうな!」


「じゃぁ早めに終わらせなくちゃね!あ、勿論もちろん紫苑のおごりね!」


準備が終わり、里香は部屋の中心部へと歩み寄り、紫苑にそう言った。


「またかよーー」


不服ふふくそうに紫苑が言うと、


「あたしはまだ18で、未成年みせいねんだもーん♪紫苑はもう23でしょ?」


「あー。はいはい、だからってたのぎるなよ?」


「分かってますーだ、じゃ、バイバーイ」


「またな!」


「ぉう!」


最後に話し終えると、ピーーっと長く音が流れ、光が里香をつつんだ。

里香は消える寸前すんぜんに、小さく手を振った。



「気ィ付けてな。」


最後に紫苑がポツリとつぶやいた言葉が、みょうに部屋にひびいた。




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