表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シリーズ外短編

拝啓お父さんお母さん。お元気ですか?私は今、魔王の妻です

作者: 榎本あきな

クリスマスということで、それに合わせて書いてみました。

…実際は、自分の誕生日に投稿する予定だったものです…。

短めで終わると思っていたのですが、思いのほか、長くなってしまいました。


あと、とりあえず、魔王とか魔法とかの単語が出てくるので、ファンタジーという括りにしましたが、このお話は、未来で地球が荒廃したら、どうなるのだろうという考えの元、作られたので、ファンタジー要素は低めです。ご了承のほどを、お願いします。


それでわ↓

今日は、私の誕生日である。

しかし、誰も祝ってくれない。一度も祝ってもらったことがないのだけれど。

それは、私がボッチだからでも孤児だからでもない。










この日本に、人間は私しかいないからだ。


***

地球から石油が出なくなり、私たち人間の生活は自給自足が主となった。

それゆえに日本や他の自給率が低い国は、貧しい生活を強いられることになった。

慣れない農作業。満足に食べれない食事。容易に電気もつけられない状況。

そんな日々が続き、いつしか、こんな結論にたどり着いた。


”他の国から奪ってしまえばいいじゃないか”


こうして、貴重な石油を使った食料の奪い合いという名の戦争が始まった。

それをみてか、いろいろな国が戦争を始めた。

中には戦争をしない国もあったが…そんな国も、戦争に巻き込まれた。


核を使った破壊。人口の激減。食料不足。

これらによって、核で破壊された大地は食べ物ができなくなり、人口の激減で食べ物を作る人は大幅に減り、食料不足により餓死者が出てさらに食べ物を作ることができなくなっていった。


そんな彼らは、この戦争が無駄だと悟った。…もう、手遅れだったけど。

大地も国民も、何もかもがボロボロ。そんな彼らは、こう言いだした。


”他の惑星に移り住めばいいじゃないか”


その時、この地球ではもう他の惑星に住めるくらい科学技術が発展していた。

彼らは世界の国々と協定を結び、各国の石油やら資源やらを集め、宇宙船を開発した。

こうして、人類は故郷を捨て、宇宙へと飛び立っていきました。

めでたしめでたし。



とはならない。


”残った地球はどうなるのか?”


答えは簡単。


”故郷なのだから、いずれ帰るために地球に人を残そう。地球が元に戻ったときに報告する人を”


彼らは、大地を破壊し、故郷である地球を捨てたというのに、地球を自らの物だと思い込み、地球に監視役をおいていったのだ。

監視役の彼らは、自身の職務を全うした。…といっても、地球の状況を伝えるだけなのだけれど。


彼らは、長い年月の間、地球に残った人たちと共にがんばっていった。もちろん、外国の方には燃料となるものがないため、外国の方とは連絡すら取れなかった。

それでも、日本にわずかに残った監視役達で、この日本を守っていた。


しかし、それは私の両親の代で終わった。

日本の大地がやせ細り、食料すら作れなくなると彼らは見捨てたのだ。私たち監視役を。


地球にはもう望みはない。そう言って、通信を切った。

私の両親は、それに一言いいに行こうと私を六歳まで育ててからどこかへ行ってしまった。

一冊の本と一つの贈り物と一つの事実を残して。


***


両親がいなくなってしまった私は、今の15歳まで、必死に生きてきた。

やせ細った動物を狩り、そこらへんの草を食べ、廃墟となった家の庭に自生している食べ物を食べ…それこそ、他人の目を気にしなくてもいい今、形振りなんて構っていられなかった。


それでも、今日は私の誕生日であり、命日になる日だ。

せめて格好だけはちゃんとしたものをと思い、そこらへんの家にあったセーラー服とかいうものを着ている。


そんな私は、とある家の地下にいる。

セーラー服を手に入れた家で、食べ物がないかと探していた所に、何か出っ張りをみつけ、それを持ち上げると下に階段を見つけたのだ。

もしかしたらキノコなどが自生しているかも。そう思い、階段を下りたのだ。


真っ暗な階段を下りていく。

このところ、昔よりも夜目がきくため、階段を踏み外すなどということはしない。


しばらくすると、階段のずっと下から青白い光が見えてきた。

これはもしかすると、本当に食料があるかも…!その期待を胸に、駆け足で階段を下りる。


コツンコツンと足音が心地よいリズムを刻みながら階段に反響して消えていく。

次第にその音はゆっくりになって…階段の最後の所で、コツンと一つだけ反響して消える。


そこには、青白く光る卵型の膜のようなものがあった。

時折、脈のようなものを打つその膜は、中に誰かが入っているようだった。


近づいてみてみると、それは人であることがわかった。角が生えてるけど。

少々幼い顔で見た目、私の少し下の年齢のような気がする。目を閉じている姿は、まるで彫刻のように固まって動かなかった。一瞬、生きているのか疑った。


気になって指を少年の目の前までもっていく。

あとちょっとで膜に触れる…というところで、少年がいきなり、目を見開いた。



驚いて飛びず去ると、少年は膜のなかであたりをキョロキョロと見回し…


「何ここ」


とつぶやいたのだった。


***

彼の話によると、彼は魔王らしい。

ずっと昔…この世界で魔法というものが発達していた頃に生まれたという。

ちなみに、前は少年の姿ではなかったらしいのだが、何故少年の姿になったのか、本人もわからないらしい。


「ところで…今回は封印を解くのはお前だけなのか?…そんな風には見えないけど…」


少々幼い声が膜の中から聞こえる。

封印…それっぽいのはわからないけど…。もしかして、この膜のこと?


「私は封印を解くために来たんじゃない。偶然きたの」

「ふーん。今では、お前みたいな子供でも来れるんだな…。じゃあ、来たついでに封印解いてけよ。お前、名前は?」

「ない」

「…………は?」


意味がわからないというふうに首をかしげる少年。そんな少年に、わかりやすいようにもう一度言う。


「だから、名前は、ない」

「…なんだ?吾輩は猫である、名前はまだない。のギャグか?新しいな」

「違う。本当にない」

「………ほんとに?」

「うん。だって、必要なかったんだもの」


私が言うと、彼は頭を抱えて唸った。「名前がない状態でどうやって解くんだよー……」と言っているので、封印を解くのに必要なんだろう。


しばらくすると、彼が立ち直ったのかため息をつきながら私を見た。


「…とりあえず、今この世界の状況を聞きたい」


封印とかのことは後回しにするらしい。


「…じゃあ、率直に言うけど、今この国には私しか人間はいません」

「………ちょっと待ってくれ。一言目から頭がついていかん」

「他の国にも人間は数える程しかいません。他の人間は皆他の星へ「待て待て待て。ちょっと待て。今整理するから」……わかった」


面倒だから手早く説明したかったのだけれど、わからないと言われて止められた。…まあ、わけがわからないみたいだし、ちょっと待とうか。


少しすると、諦めたように首を振りながら…たぶん諦めたんだろう…私の目をまっすぐに見てくる。…なんか、こうして人と話すのは初めてだな…。魔王だけど。


「…じゃあ、なんでお前は他の奴らのように他の星へ行かないんだ?」

「この星の監視役。また使えるようになった時にすぐ対処できるように」

「他の人に抗議しにいかないのか?監視役なら、連絡を取ることだってできるだろうに」

「………それができたら、どれだけよかったか」


私がそう呟いて取り出したのは、銀色に光る腕時計。

貰ってから今まで、片時も止まらないで時を刻み続けている、私とともに止まる存在。


「これ、私の両親からの唯一の贈り物。…まあ、監視役として連絡を取るためのものなんだろうけど…今は、それも意味がない」

「…どうして?」

「……私は見捨てられたの。その証拠に、ほら、聞こえない?」

「え?なにが……確かに聞こえるな」


天井があるというのに空が見えるかのように上を見、目を細めて見つめる彼。その耳には、私と同じようにゴゴゴゴゴというあの音が聞こえているのだろう。


「……なんだ?この音…」

「核爆弾よりも強力な爆弾。地球を消滅させるほどの…いわゆる、地球破壊爆弾」


そう呟き、空の見えない天井を仰ぐ。この上に…あの爆弾が落ちてくる。落ちてくるまでに、あそこに…つけるのかな…?

ふと彼を見ると、彼は「…人間は…人間のままだな…」そう、憎憎しげに呟いていた。その顔は、今私と話していた彼じゃないようで…


急に、彼がばっとこちらを見た。驚きびっくりして後ずさりをしてしまった。そんな彼の瞳は、私を真っ直ぐに射抜いていた。


「お前は……生きたくないのか…?」


生きたくないのか?それは愚問っていうものだよ。決まってる。


「生きたい」

「なら…「でも、これは私一人でどうにかなる問題じゃない。なんとかなるなら、私だって最善を尽くす。けど…唯一の手がかりであるこの時計も、今では私の死ぬまでの時間を示す為だけ。私の両親だって……抗議をしにいって…そのまま9年間帰ってこない…。なら、私に選べるのは最後までこの地球という星の日本で生きること。それしかできない。それだけしか…やれないの……」……」


涙が次から次へと溢れ出て来る。まるで、今まで塞き止めていた感情がすべてあふれ出してきたみたいに…。

……でも、死ぬときはわかっている。それだけが唯一の救い。…まさか、私の誕生日だなんて思いもしなかったけど…。


「さあ…、ちょっと長居しすぎたかな」


そういって床から立ち上がる。涙を手の甲で拭いながら。


「…もう行くのか?」


私が立ち上がると、後ろの彼がそう呟いた。振り返ると…彼は少し、寂しそうな顔をしていた。


「……うん。まだ……行きたい所があるから………」

「……そう……」


そういって、彼はそのまま俯いてしまった。

私はそれに背を向け……ふと、思いついた。それを実行してみたくて、彼に背を向けたまま、彼に声をかけた。


「一つ、やりたいことがあるの……。いい?」

「…………」


無言を了承と解釈し、私は、彼に向けて、言葉を贈る。


「逆チョコレートが、前にあったっていうんなら、逆プレゼントも、ありだよね?」


私がそういいながら後ろを振り向くと、驚いた彼の顔があった。

……うん。悲しげな顔よりも、ずっと、その表情の方が、魔王のあなたには……似合ってるよ。

そう思いながら、贈る。私から、あなたへの、誕生日プレゼント。


「誕生日おめでとう。私。そして……あなたへ贈るよ。あなたの名前は―――」



―――――ヴァイス



その言葉とともに、彼がニヤリと笑った。それは、まるで……魔王であり、勇者のようだった。


「じゃあ、お返しをしようか」


―――――ヒカリ


何もない密室の空間に、旋風が起きる。

青白い色を発していた卵型の膜が、その身に合わないヒビが入り、真っ白な光が私の視界を覆い尽くす。

私は咄嗟に目を瞑り……光が収まったと同時に目を開く。

その時、私の横を風と共に誰かが通っていくのが見えた。


ちらりと見えたその横顔は…………彼の面影を残した、青年だった。





その青年は、風のような速さで階段を上り、上へ行ってしまった。


はっと我に返った時には、もうそこには、何もなかった。

もしかして……今まで彼と話していたことは、全部夢だったのだろうか……。そんな嫌なことを思い浮かべる。


泣きそうになりながら、瞳にいっぱい涙をためながら、青年が上ったのと同じように階段を駆け上がる。

あの青年のように風のような速さでは上れないけれど…それでも、今までの最高速度で駆け上がる。

せめて…せめて、あの青年が本物ならば……。あれが、夢じゃないと信じれる気がしたから…。


真っ暗な階段の中で、コツンコツンとテンポ良い音が、小刻みに反響する。

音が鳴るたびに、私の頬を伝って、空へと弾け散る涙の粒。

一歩踏み出すたびに、どくんと早まり、苦しくなる私の動悸。


―――目の前で、わずかにみえた、小さな光―――


手を前に突出し、そのままの勢いで駆ける。

数秒…私にとっては、数時間くらいたったとき……私の手に、木の感触が伝わった。


ドンッ と音がするとともに、木の扉が開かれる。

急に目に入った眩しさに目を細め……その細めた瞳でみた光景に、我を疑った。



炎を纏う、地球破壊爆弾であろう、超巨大ミサイル。

それを止める、私の横を通った、青年であろう後ろ姿。



その姿を目に収めたとたん、涙がはらはらと零れてきた。

次から次へと零れてきて、まったく止められない。

そんな涙を流す私の心情は…「恐怖」でも「嘆き」でもなく……「安堵」だった。


「バレンタインは………倍…返し…っ!…なら―――」


ふいに青年が、そんな言葉を呟いた。

青年に目を向けると、彼は、突き出していた両手の右手だけを、右方向に払う。

それと同時に、ミサイルが砕け散り、光の粒子となって、空に溶け込んだ。


何が起こったのだろう。

そう思っている中、青年がこちらを振り向き、言った。


「―――誕生日も、倍返しだって………いいだろ?」


そういって小首を傾げた青年は、とても彼に似ていて……

そして、声無き音で呟いた青年の言葉に、私はとても嬉しくて、いつの間にか、抱きついていた。


―――ヒカリ―――


この名前は、あなたが付けた名前だ。

知っているのは、あなた……いいえ、ヴァイスだけ。


…夢じゃなくて……よかった…。


その思いが口に出ていたのか、彼は笑っていた。

と、突然、彼が私のスカートのポケットに手を忍ばせ、何かを取り出した。

それは、両親から貰った時計だった。


何だろうと思っていると、彼は抱きついている私を抱え、地面に下した。

そして、時計を私と彼の間の地面に置く。


ピ・ピ・ピ・パァーン


そんな音が鳴り響き、それと同時に、巨大なホログラムが、出現した。

そのホログラムのものは……モニターだった。


突然時計から出現した、ホログラムモニター。

そこに……私の中では、ぼんやりとしか記憶がない、両親の姿が現れた。




「んー…よし!これでいいかな……」

「おーい!聞こえてるー?」

「ちょ、ちょっと!まだ僕が映ってないから!」

「いいじゃん別に。いなくても」

「ひどい!!純子ちゃんひどいよ!?仮にも僕、夫なのに……」

「あー…まぁ………感謝してるよ…。…真琴…」

「えっ……、純子ちゃん、今……僕の名前……」

「あぁ~?映ってんのかこのポンコツ!!」

「やめて!!せっかく直したのに、ポンコツとか言って壊そうとしないで!?照れの代償が大きいよ!?」

「…………そろそろ、ちゃんとしないとな」

「(あ、話しそらした)……うん。そうだね」

「……お前は、私たちが政府を止めるために、宇宙へ行った。ってのは…知ってるな?」

「僕たちは…まあ、本当にその役目もあるだろうけど…宇宙へ行く前に、世界を周ることにしたんだ。…たぶん、ミサイルが来る、君の誕生日には……もういないだろうから」

「だから、私たちは、サプライズを用意しようと、世界中を周ったんだ。時間差サプライズだ」

「僕らの映像が流れ終わった後、右下のボタンを押してごらん?いいものが見えるから」

「それじゃー……〆と行きますか!」

「うん」


「「誕生日おめでとう!私たちの愛しの子」」




その言葉と共に、ホログラム内の映像がブツリと切れ、ホログラムも、一瞬にして閉じた。

私は、ホログラムに伸ばしていた手に気が付いて……ぎゅっと、自分で自分の手のひらを抱きしめた。


突然、ホログラムモニターが、再度現れた。


何事かと顔を左右に動かすと、右の方で、私のお父さんであろう……いいや。お父さんが言っていた、右下のボタンを、ヴァイスが押していた。

それを目に留め、続きが気になるので、モニターの方をじっと見続ける。


すると、モニターの中に、一人の少女が現れた。

その少女は、何かの言語をしゃべっていたが、私にはわからなかった。しかし、その表情には、戸惑いと…嬉しさが入り混じっているのが見て取れた。


その少女の後から、次々と現れるモニター。そして、そこに映る人々たち。

肌の色も、髪の色も、言語すらすべて違う少年少女達。

そして、全員がしゃべり終わると、計ったように、同じタイミングで、同じ言葉を放った。


『誕生日おめでとう!私達の友達』


***


暖かな日差しの中、私は床に寝そべっていた。

ポカポカしか感じが、とても気持ちいい。昔じゃ、こんな風になるなんて、思いもよらなかったと思う。

微睡の中に身を委ね様としたとき、遠くから、聞きなれた声が聞こえた。


「おーい!ヒカリー!」


そういって駆け寄ってくるヴァイス。

嬉しさに思わず立ち上がると、少々よろめいてしまった。

衝撃に身構えようとしたとき、なんだかふわりとした感覚がした。


思わず上を見上げると、それは私を抱えているであろうヴァイスの顔が。


「危ないな。お前は身重なんだから、もう少し気をつけろ」

「ありがとう…。ヴァイス」


そういって、二人で見つめあう。

すると、後ろから誰かがヴァイスの頭をパコッといういい音付きで叩いた。


「お前らは…。人目があるんだからもうちょっと抑えろよ。というか、早く荷物運べよ」


呆れた顔で言うのは、アメリカの監視役である、シャーロットである。

その後ろから、荷物を背負ってくるのは、ドイツの監視役のアルトリート。その後ろで、インドの監視役のミーナを口説いているのが、イタリアの監視役、デュリオだ。

その他にも、さまざまな国の監視役の皆が集まっている。


私たちは今、この地球を元に戻すために、エネルギーを手に入れようと思った。

それが、ヴァイスの持つ「魔法」というエネルギー。

その力を習得するために、そして、自分たちの故郷を元に戻すために、皆、私とヴァイスがいる、この日本に集まってくれたのだった。


今日は、皆、自分たちが習得した魔法の、最終調整みたいなものだ。ついでに、食料も確保してきてもらった。



あの日みた映像は、お父さんとお母さんが、皆に頼んでくれたものだった。

皆は、お父さんとお母さんが言ったことを覚えていてくれて……。

そして、あの腕時計は、私の誕生日になると、ちょうど皆に繋がるようになっていたらしい。


だが、スカイプみたいなものなので、実際にその話を信じて、私の両親が指定した場所に行くかは、個人の自由だったらしい。

でも、皆、集まってくれた。


本当にうれしかった。私のために、皆、待ってくれたんだと思うと。


今は、ここに皆いて、一緒に魔法の習得。

喧嘩もすることはあるけれど……それでも私は、今、一番幸せです。



「ヒカリー!早く準備するぞー!!」

「はーい!今いくー!」


そうだ。こんな幸せに浸っている場合じゃない。

今日は、皆を送るための会をするんだ。

なんでも、ヴァイスがいうには、彼らが覚えられるだけの魔法は教えた。とのこと。

そのため、実際に自分の故郷へ戻り、魔法を実際に使うらしい。


急いで皆がいる所へ行――こうとした所で、両親の写真が飾っている棚にが目に入り、そこの前まで行き、手を合わせる。

毎朝、同じ時間にやってるけど、今日は寝坊しちゃったから…ごめんなさい。そう心の中で謝ってから、私は、いつもと同じ言葉を、心の中で呟く。



拝啓、お父さんお母さん。お元気ですか?私は今、魔王の妻です

なんか、またこんな小説書いたら、友人に「お前の心の中は荒れてるのか」と言われそうな気がしてならない……。

自分としては、悪い方向に進んだら…とか、そういう考察が好きなだけなんですけど…。いや、でも、童話書いてもバッドエンド多いしな…。

もしかしたら、荒れてるのかもしれません。


思いつくままに書いた作品なので、どうなっているか自分でもわかりませんが、楽しんでいただけたら、幸いです。


それでわ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ラストに向かうまでの盛り上げ方がいいですね。タイトルが意味を持った形でハッピーエンドに終わるところも良いですね。 しっかりとしたストーリーもあり、また、全体のボリュームとの兼ね合いも丁度良…
[一言] ほのぼのしてて、なんか好きな感じでした。
[一言] 荒廃の中の希望ですねっ♪ じんわり暖かくなるお話でしたっ。 裏表ユイ様が荒れているというよりは・・・何かを求めているような印象をのなは受けますよ~。 (。≖ˇ◡◡ˇ≖。) う~む、哲学…?…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ