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003_APPENDIX:女神さま方の会話


■APPENDIX:女神さま方の会話


「ライラ、彼の地上での身分はどうなるの? 容易いと云っていたけれど」


「家系をふたつほどでっちあげ、双方ともダンジョン災害で断絶していることにしました。彼はその最後の生き残りと云うことで」


「横のつながりとかは?」


「ダンジョン災害による情報喪失ということで問題ありません」


「……」


「適当に設定して、そう云い張ります。それに海を挟んだ異国からの移住となれば、現地に友人知人がいなくともおかしくはありません。加えて適当に情報を電子媒体、紙媒体、共に作ってしまえば、それが事実です。人の記憶など加味されません。とはいえ、でっちあげた一族の情報くらいは広域に記憶に刻んでおきますが」


「えぇ……」


「あとは、彼の姉妹として試作5世代型を付けておきます。私たちの最新の妹分です。幼児の姿でひとり暮らしというのは問題しかないので、成人の姿の者がいたほうがいいでしょう」


「世界管理は学ぶことが多いわね」


「【青】様はずっと裂けた宇宙の修復しておられましたからね。これらのことには携わっていなかったのですから仕方ありません。神域で蝶々を眺めている大神様方3柱はいまだに復帰できそうにありませんし。

 ひとまず今回の問題は排除できましたが、アレが遺したモノ(ダンジョン)の処理をしなくてはなりません。現状では人間社会に組み込まれ、重要な位置づけとなっているので消し去るわけにもいきません。こちらの管理下に置いて、今後問題のないようにしなくては」


「人に任せておけば、勝手に始末してくれると思うけど。その後で中核を挿げ替えれば問題ないんじゃないの?」


「大規模深深度のものを始末できる能力のある人間はおりません。アレに打撃を与えた彼でさえ、それは一度も成し得ておりませんでした。ですが、いまの彼でしたら可能でしょう」


「神気を浴びたとはいえ、肉体の耐久力は人と変わらないでしょう?」


「確かにそうなのですが……」


「なぜ目を逸らすの?」


「そ、その、彼に当てる妹分なのですが、姉……私たちの試作最終型による監修が多分に入っておりまして。今回の件も姉に知られた結果の命令もあり決定しています」


「あの採算度外視の試作4世代型? 【白】を説教してやり込めてた?」


「そうです。その姉の監修もあり、能力だけは最高です。ただ姉が彼のサポート、アシストに徹するように教育すると宣言し、レクチャーすると息まいています。いますが……」


「いますが?」


「恐らく、教育を施された妹は、彼を護るためならかなりの確率でやらかすかと。姉はなんというか……極端な上、一切の容赦がありませんから。私の情報操作など可愛いと思える程に。なにせ不良神を罰として芋虫にするように画策し、永遠に鳥の餌となることを成した姉ですからね」


「……」


「大丈夫です。問題ありません」


「ダメです。問題しかありません。って云ってるようにしか聞こえないんだけど?」


「信じれば救われます!」


「ライラ、現実逃避はだめよ。監視はしてちょうだい。安心できるまで」


「……はい」


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