小説家になろう
■1.ユーザ増加量
■2.小説閲覧数
■3.小説投稿量
■1.ユーザ増加量
以前は「作者登録」という形だったが、2009年09月30日のリニューアルで「ユーザ登録」へと移行した。
2012年度にブレーキがかかったのは、おそらく二次創作目的の登録者が消えたもの。
それ以外では2020年度あたりに若干差異もあるが、おおむね2018年度をピークとして一定した数値をとる。
近年に行くほど減少してはいるが、累積という意味では当然増加し続けているものだ。
小説家になろうが認知されているかどうか、という段階はとうに過ぎており、ある種日本語話者の総数的な限界、またアプリ等を用いた非登録利用の増大もあるのだろう。
■2.小説閲覧数
小説家になろうという「サイト」の総PVとは異なるという点に注意。
一昨日までの範囲で「KASASAGI」上で公開されている。
2-1.KASASAGI以前の値
一応確認可能ではあるのだが、あまり使い道は無い。
ウメウメ日記には「小説家になろうというサイトの性質上、PVはあてになりません」という記述まである。
2009年08月02日にKASASAGIへ完全移行した。
2-2.ガラケー特有の事情
PC・スマホとガラケーでは、その能力に大きな差があったというもの。
現在だと作品1話=1PV換算というのが当たり前の感覚ではあるが、当時の携帯電話は作品を何分割もした上で表示しており、その都度PVが発生していた。
特に「竜殺し」「ログホラ」のように、1話1万字超という作品の場合、PV/ユニークに9倍もの差がつくほどだ。
こうした事情もあり、実際活動していた人口という点に関しては、かなり低く見積もるべき部分があるなど、同じ「PV」ではあってもその価値は時期やデバイスによる差異が大きい。
Twitterで発表していた時期も存在はするが、2011年までに限られる。この数値は「サイト総PV」だが、「小説閲覧数」も混在している点に注意。
2-3.KASASAGIの値
その後の長期的な動きに関しては、以下のようなもの。
2012年07月の急落に関しては、二次創作系のPVがごっそり消失。
その後ライトノベル産業内での地位を固めていくとともに増加を見せたものの、2016~2017年には停滞傾向に。
だがコミカライズを通じた先読み需要からか、2018年以降は再度高度成長を遂げ、2020~2021年前半頃にピークを形成した。
その後は減少基調がはっきりと表れ始めており、Google検索画面では「小説閲覧数月間25億PV以上」などと表示されつつも、20億PVを満たすことも無くなった。
04月の数値を見るに、01月値(おそらく22年冬も)はアニメ化本数最多という影響で結構上積みされていたものかと感じる。
2023年05月 平均 60,738,592 合計 1,882,896,363
2023年06月 平均 60,673,439 合計 1,820,203,182
基本的に「右肩下がり」という類ではない。
総合ランキングのポイント量を参考するに、01月~10月初頭まで横ばいに推移し、10月半ば~12月にかけてガタ落ち、というのが2回あったという状態。
2-4.曜日による差異
平均値をとると、日曜日をピークとして週末に行くほど減少していく。
若干月曜≧土曜であり、土日に執筆した作品をその夜以降投稿、翌日に閲覧といった活動が顕在化するのだろう。
2-5.アニメ化作品のPV占有量
KASASAGIは作品単位での把握も可能、というか当然その方がメインだろう。
アニメ放送期間にはPVが急激に伸びるものの、その後は落ち着くのが普通であり、単純な右肩上がりを描くものではない。
なろう発アニメ化本数最多ということもあって、2023年冬が最高値を示した。
■3.小説投稿量
小説家になろうのNコードは完全な連番であり、削除済み作品まで含めた全量把握が可能。
アルファベットの順番通りに進み、N0000は存在しない。
たとえば本稿は「N8784IE」であり、
(I:9-1)*26*9999 + (E:5-1)*9999 + 8784
= 2,128,572番目の投稿作品、ということにとなる(R-18含む)。
このうち現存している作品量に関しては、サイト案内「全小説掲載データ」で確認可能であり、執筆時点では「1,145,066作品」ほど。
この数値とトップページの「小説掲載数」は検索画面と異なり、「検索除外」「予約投稿」なども含まれる。
小説に限らずあらゆる投稿サイトに共通のこととして、削除作品はかなり膨大、というのが一般的かと思われる。
検索で出てくる数値が横ばい、というのは結構なペースで減少しているのと同義だ。
3-1.新作投稿量
基本的に近年に行くほど現存している割合が高くなる。
ただし二次創作削除の影響もあって、2010~2011年度頃に関しては極端に数値が動いた。
純粋な新作投稿量としては2017年度にピークを迎え、以後は右肩下がりに推移。ただしコロナ禍の影響か、2020年度に限っては一時的回復を見せた。
一応年単位に及ぶ連載作品という存在もあり、「部分数」に関して多少は右にズレるかもしれないが。
3-2.短編投稿量
詩やエッセイ等、そもそも短編投稿が前提なジャンルも存在しており、「全体」の数字で見た場合の割合の変化は鈍いように感じるかもしれない。
2017年度、というタイミングで短編率が低かったというのは、それだけ商業化志向の新作連載作品投稿が盛んだった、ということなのだろう。
検索範囲だけでもすでに新作連載作品投稿は減少に転じており、近年の「完結済」作品急増も加味すれば縮小はかなり激しい。
3-3.異世界転生・異世界転移
2016年05月のジャンル再編において必須タグ化され、ランキングからも排除された。
一方で累計ランキングの最上位層はほとんどこれらで占められ、「なろうで人気」という世間的なイメージもいまだ強固なのだろう。
異世界転移は2017年度を最後に急速な縮小に転じたが、異世界転生は2018年度にピークを迎え、その後も緩やかな下降におさまる。