第一節 乗務員デビュー前 新人乗務社員研修 その5
タクシーの車両に乗り込んで運転席に備え付けてある機器類の操作をしなが運転をする。無線の取り方とメーターの扱い方を学ぶが、これでタクシー乗務員が務まるものなのかと、ギンレイはこの会社の教育カリキュラムに不満を感じる。
*このお話しは連載中の「しあわせのたぬき」
https://ncode.syosetu.com/n8347hk/
シリーズもの別編です。
第一節 乗務員デビュー前
新人乗務社員研修 その5 その通り
野生動物達の確認作業はとても念入りだ。いつもの通り道に見たことのない獣の足跡があったり、何か違う物が置いてあったり、木が倒れていたり、そんなときは執拗に周囲をきょろきょろと見まわし、匂いをかぎ、耳を澄ませ、何度も何度もそれを繰り返し、その場所を通過するのを躊躇する。人間の世界には仕組みや構造が理解できない機械がそこかしこにあり、それらをいちいち疑うことなく使いながら生活をしている。テレビが映る仕組みを説明できる人間はそう多くはない。自動車が動く理屈を理解しながら運転している人間はどのくらいいるだろうか。人間達はテレビが映らなくなったりしても、自動車が動かなくなっても、「そういうもの」と思ってしまう。そんな癖がついているから、こういう実務研修もおおざっぱに「深く考えないでいい」「そういうことが起きてから聞いて」という話になるのだろう。
購入した家電品の電源を入れたら火を噴いた、とか、購入した自動車のブレーキが壊れていた、とか、事象は稀であろう確率の低いことは「深く考えない」で、出たとこ勝負のような危うさの中でみな生活をしている、そうギンレイは思う。
大気が汚染されても、途上国の飢えや干ばつの惨状を見ても、窃盗や放火やひき逃げや収賄などの事件が報道されても「そういうもの」と思っている。矛盾解決は後回しにされ、次第に世界は滅びの時を迎えようとしている。たくさんの人間達がそのことに気が付き何とかしようとしてはいるが、どうにもならない人間界の現実をこの研修の中でも垣間見る。
大林は助手席のサンバイザーを起こして「訓練中」と書かれたパネルを車外へ示す。
「それじゃあ、出発してください。車が動き出すと同時にメーターの『賃走』ボタンを押します」
ギンレイは教習所で教わった通り、「シートベルトの着用をお願いします」と、「乗客」である二人に言い、目視とミラーで後方、左右、前方を確認。ギアをローに入れサイドブレーキを解放し方向指示器を右に出してもう一度右後方の安全確認をしてから車を前進させる。車を前進させると同時に『賃走』ボタンを押す。
「そこを左に曲がってください」
「はい」
方向指示器を左に上げて後方と左の安全を確認して車線変更、交差点にさしかかるときに左後方の巻き込み確認をしてハンドル操作をする。
「二つ目の信号を右に曲がってください」
「はい」
交差点にさしかかる30メートルの更に3秒前に方向指示器を右に出し、後方と右の安全確認後にハンドル操作、センターラインへ車を寄せて交差点内で待機、対向車が途切れた際に、横断歩道を渡る歩行者や自転車がいないか確認しながら右折を完了する。
「しばらく真っ直ぐ行って、右手にコンビニを見たら次の信号を超えて一本目の中通りへ左折してください」
比較的交通量の多い太い道を4速で直進しながらしばらく進んで右手にコンビニエンスストアを見て、その次の信号を超えて3速へシフトダウンし、方向指示器を左に上げて後方と左の安全確認をしながら2速へ更にシフトダウンしつつ、左後方の巻き込み確認をしながらハンドルを左に切って制限速度30キロの中通を進む。
「左手に空き地が見えてきますからその横で停止してください」
スピードを更にゆるめながら、空き地が見えてきたころで方向指示器を左に上げて、後方と左の安全確認をしてハンドルを左へ傾け空き地の横へ車をつける。
「ここまで『賃走』で来ました。『支払』ボタンを押してください」
ギンレイがメーターの『支払』ボタンを押すと、助手席の電光掲示が『支払』になる。
「次に『合計』ボタンを押してください」
ギンレイが『合計』ボタンを押す。スーパーマーケットなどにある「レジ」でいえば、『支払』が小計にあたり、『合計』で金額確定となるのだろうと想像する。つまり『支払』のあとに何等かの割引やクーポンなどの使用を乗客に確認してから『合計』を押すのだろう。そのあたりの説明はまだない。
「次に『空車』ボタンを押してください」
ギンレイは言われた通りに『空車』を押す。『空車』のボタンを押すと領収書がさきほどのプリンターから印字されてくる。つまり、客を乗せて『賃走』、目的地に着いたら『支払』『合計』『空車』の『空車』で清算完了させて領収書と釣銭を乗客に渡し、次の乗客を探しに走り出すのだろうと思う。
『空車』のボタンを押してすぐに、
ププー、ププー、ププー。
と無線が鳴り、「訓練、訓練、北区東川北1条25丁目1-20 目的地は前方北山通りから北1線橋を越えて左折し3本目を右に曲がって左手2軒目 乗車のまま待機」と、機械音声が発せられ無線機の液晶画面にその文章が表れる。説明を受けていなかったナビシステムの液晶画面に地図が表れ、目的地までのルートが表示される。
「無線機からの配車指示には従ってください。無線機に青、黄、緑、赤のボタンがありますが、青は5分以内に行ける、黄色は10分、緑は15分、赤は25分です。ナビの経路を見て、自分なりに現在居る地点から何分で到着できるかの判断をしますが、たいていは黄色を押してください」
ギンレイは言われるまま、無線機の黄色のボタンを押す。すると、
「配車が確定しました」
無線機の機械音声がそういう。
「では銀さん、いま『空車』状態でしたが、『迎車』ボタンを押してください」
ギンレイは言われるまま『迎車』ボタンを押す。電光掲示が『迎車』に変わる。
「銀さん、車を出して、目的地へと向かってください」
ようやくこの訓練の意図が見えた。要するに出発から何故か居る乗客をコンビニの向こうで降ろして、降ろした直後に無線で乗客を紹介されるから今度はそこへ向え、という練習だ。教え方の上手、下手をとやかく言うつもりはないが、きわめて「機械的」な練習だ。
「とにかく、支払、合計、空車、迎車、賃走、の繰り返しだから。迎車を使うのは無線で指示があったときだけ。道路での手上げや、駅での乗り待ちでは空車から賃送です」
実際には様々なイレギュラー要素があるだろうということは想像に難くない。乗客も乗務員も機械ではないのだ。と、思うが今日は研修の初日だから、と、黙ってトレーナーの指導に従う。
ナビに従って進行するが、どうもこのナビの様子がおかしい。一般的にナビの道順が最適最短とは限らない、というのは定説であろうが、それにしても、
「遠回りしていないでしょうか?」
後部座席から川岸が問いかける。大林が、
「うーん、ちょっとこれは遠回りだね。でも画面で一見してわからない袋小路とか崖とかもあるから。
故郷で観光タクシーの運転をしていたときは地図でみると真っ直ぐ行けそうでも現地に行くと崖があって大きく迂回して目的地へ辿り着く、ということは何度もあった。精霊相手のタクシーだったから崖があってもジャンプして真っ直ぐすすむこともあったが、人間の作った道路と人間の乗るタクシーではそんな芸当は無理だ。
ギンレイはこの車に乗り込んだときから、この車両とナビには違和感を持っていた。それはナビが「遠回り」の経路を示しているという違和感ではなく、この車両とナビに潜んでいる霊的な何かだ。
ギンレイはナビの経路通りに迎車地へ向かう。北海道では各家屋に名刺大の現住所を示すプレートが配布されていて、めいめい壁に貼り付けている。ギンレイが運転する車がその迎車地として設定されたであろう一軒家の前に着く。無線機の液晶画面に記された住所と、一軒家の玄関付近に貼られたプレートの住所が一致していることを車内から確認する。大林が、
「銀さん、車から降りて表札の名前を確認してきてください」
ギンレイはその家の表札を見て、「佐藤様です」と大林に告げる。大林は、
「では無線機を取って、スイッチを押しながら『訓練車からセンターどうぞ』とコールしてください。そうすると『センターから訓練車どうぞ』ときますので、『訓練者から現地報告、お名前は佐藤様です』と、告げてください」
と言う。ギンレイは運転席前のカーラジオあたりにひっかけてあった液晶画面付きの無線機を手に取り、無線機の横についているボタンを押しながら、
「訓練車からセンターどうぞ」
『センターから訓練車どうぞ』
「訓練車から現地報告、お名前は佐藤様です」
『訓練車その通り』
「ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
とギンレイが御礼を言うと、
『訓練の人、無線でいちいち御礼とか言わなくていいから』
「センターの方、そうでしたか、すみません、慣れないもので」
『だから、いちいちそういうのはいいの』
横から大林が無線機をギンレイからとりあげ、
「訓練車大林からセンターへ委細了解、訓練継続します」
『センターから訓練車了解 (ブズッ)』
「はあっ」と大林はため息をつき、
「では賃走で一旦、会社の車庫へ入って、川岸さんに交代します」
ギンレイは無意識に無線機のボリュームを切る。川岸から念が入る。
(川岸から銀さんへ)
(銀から川岸さんへ)
(銀さん無線機はオンにしておいたほうがいいですよ)
(川岸さんその通り)
ギンレイは無線機のボリュームをオンにする。無線センターと他の車両とのやりとりが聞こえる。
無線センターでは運行中の車両がどの場所にいるのかを測位しているようだ。おそらくモニター画面で移動中の車両の様子がリアルに見えるのだろう。更にそれぞれの車両が「空車」なのか「賃走」中なのかもわかり、顧客からの電話注文に対して、どの車両を向かわせれば適当なのかを判断し、適する車両へコールしているのだ。だから、ギンレイがコンビニの近くの空き地横に賃走状態で到着したのも、佐藤さん宅前に迎車状態で到着したのも無線センターには見えていたのだろう。
ギンレイは会社に向かって車を走らせる。大林は、
「無線中にあいさつとか御礼とかは言わなくていいですからね。なるべく会話は短く、が徹底されています」
と、冷めた口調で運転席のギンレイを諭す。ギンレイは、
「新人の研修はこの5日間限りなんですよね」
「その通り」
「既存の社員は定期的に研修や勉強会を受けることがあるのですか?」
「ないです。とにかく実務中にそれぞれが学び応用を利かせることです」
川岸が質問をする。
「あの、トレーナーさん、無線センターには何人くらいいるんですか?」
「交代で24時間、日勤は常時4人、夜勤は2人いますよ」
「みなさんタクシードライバーの経験はあるんですか?」
「・・・いえ、私だけですね。といっても、私も入社して6ヶ月程度しか乗務経験はありませんが。内勤者も現場の経験をしたほうがいいと言われて・・・」
さりげない質問ではあったが、現場を知らぬ人間が遠隔で現場へ指示命令するのか、というあからさまな質問に大林は黙り込む。
ギンレイが運転する車は本社前に着くと佐藤様が降車の想定で「支払」「合計」「空車」の操作をする。そして本社の敷地に建つタクシーを30台は収容できそうな広い倉庫へと入る。倉庫内には車内を清掃する掃除機やマット洗浄機などが並んでいる。
「営業から帰ってきた車両は外の自動洗車機を通ってここの車庫に入ります。洗車機の扱いはまた後日教えます。この車庫で先ずすることは、『閉局』登録。今日の業務は終了と、いうことで、無線機の『閉局』のボタンを押します。つづいて、メモリーカードを差し込む機械が車庫内にあります。閉局後に車内のメーター機に差し込んだメモリーカードをそこへ持って行って差し込んでまた回収してきてください。その後、空いているスペースで洗車後のふき取りや車内清掃をして、車庫を出て、車を元あった屋外の駐車場へ置きます」
ギンレイは言われた通り、無線機を閉局し、メモリーカードを車庫内の一角にある乗車記録機なる機械へ差し込む。横にあるプリンターから印字されてきた紙に、今日の売上が表示されている。本社から空き地までと、佐藤さん宅から本社までの、合計2件で1800円、とある。ギンレイが運転席に戻ると、大林は、
「売上金が確定しましたので、業務終了の報告に事務所へと行き、お客様から預かった売上金の清算をして朝と同じようにアルコールチェックをし、運行中にトラブルがなかったか、車両になにか問題がなかったかなどのヒアリングを受けて業務終了となります」
訓練車両を車庫から元の駐車場へ戻し、「それでは休憩しましょう。休憩後、運転は川岸さんに交代です」とのことで、一旦、大林と新人二名はわかれる。
「いやあ、銀さん運転が上手ですね」
「え、そうですか」
「いやあ、マニュアルの車を運転できる人、尊敬しちゃいますよ」
「ん?川岸さん、自動車学校はマニュアル車ではなかったのですか?
「いえ、マニュアル車でしたけど、お情けで卒業させてもらった感じです」
「お情け?」
実技試験は運転免許試験場で受けるのではなく、認可を受けた自動車学校に通って受けたほうが合格しやすい、という都市伝説のような噂話を聞くが、それだろうか、とギンレイは思う。
川岸は少し恥ずかしそうに顔をあからめ、
「何回も脱輪して、エンストして、壁にぶっつけて、大変でした。僕、ずっと板前で、魚をさばくことは得意ですが、車のハンドルさばきは要領得ません。車もオートマ車しか乗ったことありません。それも生涯で5000キロくらいですね」
「・・・」
よくそれでタクシードライバーを志したものだと感心しながら、休憩後の展開が少し不安になる。
(気のせいではない・・・)
訓練車やナビシステムが不安な顔をしている。
ギンレイが川岸に提案をする。
「川岸さん、トレーナーに気づかれないように魔力を使って訓練を乗り切りませんか」
川岸が意外そうな顔をし、
「ええ、それは、人身の安全安心を約束する仕事ですから、いざというときは、と思っていました。でも銀さんはすばらしい能力をお持ちなのに人間の前ではそれを使おうとはしないですよね?」
「普通の人間として暮らしたいからなるべく抑えていました。でも、人間達のためになることを志すうえでは多少は使ってよいのかな、と。人間も動物も自分の得意とする能力で不足を補います。動きが鈍くても目が良いものは遠目を利かせる、夜目が利かなくても耳が良い者は耳を澄ませる。運動が苦手でも文化系の学問が得意な学生は文芸の才能を磨く。魔力も霊感も人間として生活をしていく術。ドライバーとして未熟な私達は人々の命を守るために必要であれば魔力を少しは使ってもいいと思うんです。自分の利益や自分の所属している会社のためだけに使うのではなく、世の中をよくするためならばいいのではないでしょうか」
川岸はちいさくうなずき、
「私はタクシー運転手になって、身体の不自由な人や会社周辺で起きる事件や事故から地域の人達を守りたい、なんて、正義のヒーローみたいな者になりたいと思ってこの職を選びました」
川岸はギンレイをじっと見つめ、
「銀さん、出会って間もないがあなたは私のあこがれの人で、師匠のように思っています」
川岸の精霊年齢はわからないが、人間の姿はギンレイより上で見た目は親子ほどの歳の差だ。
「師匠だなんて、むしろ私は川岸さんから人間社会のことをいろいろと教えてもらいたいと思っていました」
川岸は訓練車と社屋にちょっと目をやり、
「銀さん、この会社に出勤してきてまだ半日ですが、会社の欠点が目につきます。改革が必要だと思います。でも郷に入りては郷に従え、で、改革を提言するのはまずは会社のやり方に従って馴染んでからだと思うんです。トレーナーの彼も現場たたきあげ目線で見れば、・・・よくありません。つい文句も言いたくなりますがでもそこはぐっと抑えていきましょう。生意気言うようですが」
川岸はギンレイがたびたびトレーナーにたてつくような大人げないそぶりを見せていたことを気に病んでくれていたのだろう、ギンレイは素直に、
「川岸さん、ありがとうございます。そうですね、彼には彼の役割があって、その役目をこなしているだけ。悪い人間ではないと思っています。午後は気を付けますね」
「だけど、私が運転でもたもたしていたら彼はきっとますますナーバスになるんでしょうね」
と、ちょっと目をふせる。よほど運転に自信がないのだろう。
「川岸さん、此間のタコはすごかったじゃないですか、精霊のチカラを借りてこの訓練を乗り切っては?」
と、魔力を使うかどうかの話に戻る。川岸は、
「タコですか、タコならハンドルを握れますが・・・」
「?」
川岸がうすぼんやりとした霊気につつまれ、川岸の中の精霊が姿を出す。ギンレイは見たことがない状況に驚く。
「これは・・・」
「ええ、ご覧のように今日はヒラメなんです」
人間の姿である川岸に重なって体長1メートルはあるだろうか、見事なヒラメの姿が現れた。
「えっ、あなたはタコの精霊ではないのですか?」
「僕にはいろいろな魚介類の精霊が入っています。みな可愛い家族のようなものです。魚たちがめいめい順番を決めているらしくて、その日によって出てくる精霊が違うんです」
ヒラメの精霊が目をきょろきょろさせながら嬉しそうにシッポを振っている。
「タコは知能が高い生き物で、車の運転の手伝いをしてもらおうかと思っていました。でも、普段の生活でも八本の腕を動かす順番が私の知能とマッチしないことがあって、かえって運転中に戸惑うことになるかもしれません。今日のヒラメには道路の安全確認を任せてみます」
ヒラメは川岸によくなついているようだ。川岸にまとわりつき、くねくねと摺り寄り、ほほにキスをしている。
「魚たちは川岸さんのことが好きなんですね」
「みんな魚をまな板でさばいているときに懐いた者ばかりです」
川岸はヒラメを手であやすようなしぐさをする。
「でも中には板前の私に恨みを持って憑りついているモノもいまして。ときには悪さをします。そんなときは、リーダー格のクジラやマグロが出てきて鎮めてくれます」
ギンレイがまた驚く。
「いったい何体くらいの精霊が川岸さんの中にいるんですか」
「さあ、数えたことありませんが、すし屋のメニュー表に載るくらいの種類はいますよ。たまに寿司の姿で出てくることもあります。サーモンアボガドマヨネーズとか、馬刺とか、魚介以外の者もいますよ、牛バラカルビーとか」
「馬や牛や野菜も?タレ付きで??」
「ええ、自分、すし屋だったこともあって・・・。シラスの軍艦巻きが出てきたときはすごいシラスの数だったなあ。イクラが出てきてどこかへいなくなったと思ったら数年後に鮭になって帰ってきたこともありましたよ」
「・・・」
「みんな大きな湯呑で緑茶を飲むのが好きでね。ウナギの奴が猫舌で、冷やしたのをストローで飲みますがね」
「・・・・・・」
川岸は数年後、「敵」との戦いで魚介類や軍艦巻きの精霊軍団を率いてまさに八面六臂、獅子奮迅の働きをするのだが、いまはそんな姿はギンレイには想像もできない。軍艦巻きの精霊もアボガドマヨネーズの精霊も。ウナギが猫舌だったとは知らなかった。ホタテの貝柱も湯呑でお茶を飲むのだろうか、などと思う。
*
実務の研修は一台の研修車両を使ってトレーナーと無線センターを相手に交代で行われるようです。同期の川岸がもつ特殊能力は、タクシー業務に役に立つでしょうか。
*このお話しは連載中の「しあわせのたぬき」
https://ncode.syosetu.com/n8347hk/
シリーズもの別編です。




