第二話 鬼めっ!の刃
【登場人物紹介】
・十乃 巡
「妖しい、僕のまち」の主人公。
お人よしで、人畜無害な好青年だが、天然の女妖殺し。
降神町役場特別住民支援課勤務。
特殊能力なし、決め台詞なし、おまけにモテてる自覚なし。
おまけに剣術の才能もなしの最弱主人公。
純粋なところが炭○郎に似ている。
・十乃 美恋
「妖しい、僕のまち」より登場。
文武両道の完璧超人JKで、巡の実の妹。
降神高校に通っている。
巡に他の女性がつくと、超人的な力を発揮する。
壊滅的なブラコンで、巡LOVEな女の子。
鬼なところが禰○子に似ている
・リュカオン=ガルナー
「Halloween Corps!-ハロウィンコープス-」より登場。
正体は“人狼”
最速時は音速に近付くスピードと剣術を誇る。
青い目のサムライガールで、大の日本かぶれ。
愛称は「リュカ」
素早いところが善○に似ている。
・焔崎 篝
「妖しい、僕のまち」より登場。
正体は“牛鬼”
金髪に浅黒い肌、大柄な体型のパワフルな女性。
体を硬質化させる能力を持つ。
猪突猛進なところが伊○助に似ている。
・黒塚 姫野
「妖しい、僕のまち」より登場。
正体は“鬼女”で「安達ケ原の鬼婆」
降神町役場特別住民支援課の主任で、内面も外面も完全無欠の才媛。
雌性の相手に対し、絶対的に優位なフィールドを顕現させる能力を持つ。
怒ると凄まじい迫力を見せるところが無○に似ている。
時代は大正、所は降神町。
混迷極まる世の中の影で、暗躍する者達がいた。
その名は“鬼”
世の闇に潜み、人を食らうというこの怪物により、自らの妹を鬼にされてしまった若者…巡。
彼は妹を人間に戻すために、鬼狩りの秘密部隊「鬼察隊」に入隊し、仇である鬼達のボス…黒塚を追っていた。
そして、ついに仲間達と共にその牙城へと迫ったのだった。
巡「見えました。あれが鬼達の首領が棲むという『夢幻城』です」
リュカ「OH!遂に辿り着いたネー!長い戦いだったけど、これでFinalってわけネー!」
巡「ええ…」
リュカ「残念ネー!もっともっと鬼をブッた斬りたかったヨー!連中、頑丈だから斬り応えがAmazingネー」
巡「…えぇ…(汗)」
篝「それはいいんだけどさ。何で、あたしは牛の被り物させられてんだ!?視界は悪いし、息苦しいし、最悪なんだけど!?」
巡「何でもイノシシの被り物が見当たらなかったらしいよ…」
篝「はあ!?意味分かんねー!!あと、この牛柄のビキニは何なんだよ!?妙にピチピチで、めっちゃ恥ずかしいんだけど!?(ばるんばるん)」
巡「(赤面しつつ視線を逸らす)そ、それは、僕にも分からないかな…」
リュカ「よく似合ってるヨ、篝。何なら、私もユニオンジャックの水着にするから、巡も水着になったらDo?」
巡「ええと、それはちょっと時季外れかと…」
篝「それ言ったらあたしの立場はどうなんだよ!?」
リュカ「巡ならHundoshiがBetterネー!」
巡「何でですか!?」
リュカ「OH!日本男児ならHundoshiは必然ヨー!Samuraiなら常識ネー!ちなみに私は尻尾があるので、こういう風に締めて…」
巡「わああああああッ!見せようとしなくていいですから!!」
篝「もう一個疑問があるんだけどさ…この木箱は何なんだ?」
巡「それは、僕の妹の美恋が入ってるんだ」
篝「何であたいがそれを背負ってんだよ!?」
巡「それは…僕だと重くて背負えないから…」
篝「お前、もう少し体を鍛えろよ」
黒塚「ほう…何やら騒々しいと思ったら、鬼狩りの人間共か」
巡「貴女は…!?」
黒塚「我が名は黒塚。この夢幻城の主だ」
リュカ「OH!では、貴女が『ラスボス』ネー!ここで会ったが百円めネー!」
巡「それを言うなら『百年目』です。それはともかく、僕達『鬼察隊』は貴女を斬りに来ました。でも、痛そうだから出来れば大人しく逮捕されてください」
黒塚「ふむ…お前、名前は?」
巡「え、僕ですか?十乃 巡と申します」
黒塚「巡、か。気に入ったぞ。お前を食らうとしよう。他の女共は要らないから、とっとと失せろ」
篝「ハッ!あたい達は完全に無視ってか!上等だよ!」
リュカ「Hey、篝!抜け駆けはズルいネー!」
篝「うっさい!こうなりゃ早い者勝ちってもんさ!いくぞ『猛牛の呼吸 一の型 渾身のぶちかまし』!!」
巡「それ、型なの!?ただの体当たりじゃ…」
篝「往生せいやぁぁぁぁぁぁっ!」
黒塚「『血鬼術 牛いなし』」
ひょいっ
篝「またやられ役かぁぁぁぁっ!」
黒塚「フッ…他愛のない」
リュカ「OH!油断タイ焼きネー!『狼の呼吸 三の型 狼牙風風剣』!」
巡「すごくかませ犬的な名前…!」
黒塚「『血鬼術 犬まっしぐら』…そーら、取ってこーい!」
リュカ「No!体が勝手に骨を追い掛けてしまうネ~!!Why~!?」
巡「か、完全に犬の習性に引きずられてる…」
黒塚「さて、これで邪魔者はいなくなったな」
巡「!?」
黒塚「では、早速いただくとしよう(ハラリ)」
巡「な、何で着物の帯を解くんですかっ!?」
黒塚「言っただろう?お前を食らう、と」
巡「確かに言ってましたが…まさか、それってそういう意味で食べるってこと!?」
黒塚「決まっているだろう。さあ、観念しろ。だが、抵抗しても構わんぞ。その方が燃えるし、好みだからな」
巡「うわわわーーーーッ!!」
黒塚「ふふふ…むっ!?」
ガキッ!
美恋「むーーーっ!ふむーーーー!?」
巡「み、美恋!!」
黒塚「ほう!?これは驚いた。鬼が人の味方するか?」
美恋「ふーーーーっ!」
黒塚「…おい、一つ聞くのだが?」
巡「な、何でしょう?」
黒塚「何故、この娘は口にチクワを咥えているのだ?」
巡「それが、ちょうどいい竹が見つからず…(汗)」
黒塚「にしても、もっとまともな代用品があるだろう」
美恋「もぐもぐ…ごくん…余計なお世話よ!それより、お兄ちゃ…いえ、兄さんに何をするつもり!?」
黒塚「何って…ナニだが?」
美恋「ふざけんなーーーー!兄さんの貞操は私が先約済みよ!」
巡「何言ってんだ、美恋!?」
黒塚「よく分からんが、我の獲物をかすめ取ろうというなら容赦はせん」
巡「主任も盛り上がらないでください!」
美恋「ふん!アンタみたいな使い古しの包丁ババアに、兄さんが満足するはずないでしょ!その点、私ならピチピチのJKだし、お肌もツヤツヤだし、申し分ないわよね!」
ピキキ…(#^ω^)
黒塚「ほほう…尻の青い小娘が随分と囀る。お前のその貧相な盆地胸で男が満足するはずあるまい。男共が望んで止まぬのは、我のような豊かな胸と腰回りを持つ熟れごろ女子だ。お前のような子どもはままごとでもして、せいぜい精進するがいい」
ピシャーン(# ゜Д゜)
美恋「コロす…!」
黒塚「返り討ちだ…!」
巡「ちょっとちょっと!二人共、少し落ち着いて…」
美恋「兄さん!兄さんはどっちを選ぶんですか?勿論、私ですよね!?ピチピチで若い!」
黒塚「十乃、近親相姦などもってのほかだ。悪いことは言わないから、ムチムチで熟れごろな私にしておけ」
巡「いや、僕は美恋を人間に戻して、平和に生活できればそれが一番…」
美恋・黒塚「「却下!!」」
篝「ぷあっ!あー、暑苦しい!もうこんなモン被ってられるか!(ばるんばるん)」
リュカ「No…さっきのでHundoshiが緩んできたヨー。『勝手に株と尾を締めよ』…誰か、ここ持っててくれませんカー?」
美恋「もしかして、直に見ないとピチピチだって分からないんですか!?いいです!なら脱ぎます!」
黒塚「ふむ…一理あるな。着物の上からでは、このふくよかさもイマイチか。ならば、やむを得まい」
はらり…
巡「誰かお助けーーーーーーーーーーーっ!!」
時代は大正、所は降神町。
混迷極まる世の中の影で、暗躍する者達がいた。
その名は“鬼”
世の闇に潜み、人を食らうというこの怪物により、自らの妹を鬼にされてしまった若者…巡。
彼のその後を知る者はいない。
《完》
※次回は21時更新予定です。