落ちこぼれの俺が死神と契約して世界最強になる話

落ちこぼれの少年、影山玲（かげやま　れい）。
彼の生きる世界、そこはダンジョンが存在し、魔物を討伐して金を稼ぐ、探索者のいる世界。
彼の両親は共に最強と言われる元S級の探索者だったが、彼自身は普通のスキルさえ持っておらず、ただ両親から引き継いだ膨大な魔力を持て余すだけの落ちこぼれだった。
だが、それに対して彼の妹は母譲りの強力なスキルをもち、まだ幼いながらも将来が期待される有望株で、彼は日々劣等感と自己嫌悪を募らせてゆき、いつしか心を閉ざし始めた。

しかしそんなあるとき、彼の両親は町中に突如として現れた特級の魔物との戦闘で命を落とし、彼に残された唯一の肉親は妹のみとなる。
優秀な探索者であった彼らの死に人々が悲しむ中、彼の中に芽生えた感情の名は・・・・『安心』だった。
「もう比べられない。探索者になんてならなくてもいい。これで、ようやく…普通に生きられる」

こうして彼は自ら探索者への道を閉ざし、戦いを嫌い、外界を嫌い、両親の莫大な遺産を持ちながらひっそりと暮らし始めるが、やがて魔物と第一線で戦うS級の探索者となった妹と幼馴染への劣等感に押しつぶされてしまい………。

「もう、俺なんて生きてるだけ無駄だし暇だし・・・・・死ぬか」

やがて、自己嫌悪に苛まれた彼は自殺を決心してダンジョンへと向かう。
だが、そこで彼を待ち受けていた運命は、殺人探索者からの死であった。

（死んでもいいやって思ってた・・・けど、お前なんかに殺されに来たわけじゃない！）

偶然に偶然が重なりあって、彼は死神と契約を交わすこととなる。
そして、歯車は回り出す。見事に合わさった運命共同体となり、彼らは最強へと突き進んでいく。
たとえ闇に満ちた黒穴の奥底へ続く道のりでも、彼が立ち止まることはもう、ない。
【オネガイ！ヨンデネ！】（・・）/